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春爛漫、新入生が夢の実現に向けスタートラインに 神戸滋慶4校の入学式が行われました

 桜が咲き誇る春爛漫の4月8日(火)、滋慶学園グループの学校法人 神戸滋慶学園の運営する専門学校4校の入学式が神戸市中央区のANAクラウンプラザホテル神戸で行われました。2025年の新入生は、神戸医療福祉専門学校中央校、同三田校、神戸製菓専門学校、姫路医療専門学校の4校合わせて521名。第2部の“最初の授業”では、三田校救急救命士科のシミュレーション実習や、パティシエ、臨床工学技士として活躍する先輩たちのプレゼンテーションに新入生は心躍らせていた様子で、夢を目標に変え学生生活をスタートさせました。

「キャンパスが、同じ夢を持つ仲間と出会う場所になりますように」 川口延子校長

 国歌斉唱の後、4校を代表して式辞に立った神戸医療福祉専門学校中央校と神戸製菓専門学校の川口延子校長は、「病理医ヤンデル」としてインターネット上で人気を集める病理医、市原真さんの感動的なエピソードを紹介しました。

 市原さんがある日、SNSを開くと、小学生時代の6年前、市原さん宛てに手紙を書いたという若者から「覚えてくださっていますか?」とDM(ダイレクトメッセージ)が届いていたそうです。6年前の手紙は「病理医とはどんな仕事ですか」と問う内容で、市原さんは小学生が病理医という職業に関心を持ってくれたことがうれしくて、これは真剣に答えなくてはと約1万字もの回答を書き、さらに、この回答を要約するよう「宿題」を課しました。約1カ月後、小学生から回答があり、そのクオリティーの高さと担任の先生などによる指導の痕跡が原稿用紙にあったことに、市原さんは感動したといいます。その小学生が6年後に送ってきたDMは「医学部医学科に合格した」という報告だったのです。

 「職業人として医師のやりがいを伝えようとした市原さん、夢を進路にまで発展させた児童、それを育んだ教師や家族。どれ一つ欠けても、このような『いい話』にはならなかったと思います」

 このエピソードを踏まえ、川口校長は、2023年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で監督として侍ジャパンを優勝に導いた栗山英樹さんが座右の銘としている「夢は正夢 歴史の華」の言葉を新入生に贈りました。夢は実現してこそ夢であり、形にした時に歴史の華となる、という意味が込められた言葉で、川口校長は「滋慶学園キャンパスがこれからの皆さんの居場所のひとつになります。その場所が有意義で、皆さんが同じ夢を持つ仲間に出会う居心地のいい場所になるように、卒業後も振り返られる場所になるように、祈っております」と式辞を締めくくりました。

「仲間や先生、業界の方々との人間関係を大切に」 浮舟邦彦総長

 続いて、滋慶学園グループの浮舟邦彦総長からビデオメッセージで祝辞がありました。浮舟総長は「皆さんは、自分の夢、やりたい仕事を見つけられました。その夢、想いをしっかりとした目的、目標に変えていかなければなりません」とした上で、滋慶学園グループの学校のカリキュラムが「職業人教育を通して社会に貢献していく」というミッションの下実学教育・人間教育・国際教育の3つの理念に基づいて組まれていることを説明。「即戦力のスペシャリストとして活躍できる知識や技術、社会人として必要な身構え・気構え・心構えを身につけてください」と説きました。

 そのためにはコミュニケーション力を高めることが重要で、コミュニケーションの原点は「笑顔での挨拶」だと強調。「良い生活習慣を身につけ、多くのことに好奇心を持ち、主体的に学ぶ習慣を身につけてください。皆さんの職業は、国を超え、世界が職場になります。違った価値観や文化を理解する真の国際的な感性を大切にしてください」と新入生に求めました。

 さらに学校生活を送るにあたって、「仲間や先生、業界の方々との人間関係を大切にしてください。かけがえのない財産になるはずです」と助言し、「無駄な時間はありません。一コマ一コマのカリキュラムを大切に、目的・目標を明確にして一歩一歩力強く歩み出し、充実した楽しい学園生活を送ってください。一緒に頑張っていきましょう!」と激励しました。

新入生の誓いの言葉 代表4人が堂々と決意を述べました

神戸医療福祉専門学校中央校 新入生代表

 私が介護福祉士になりたいと思ったのは、母と亡き父が介護福祉士として困っている人の生活を支える仕事をしていることをとても誇りに思っていたからです。私も誰かの支えになりたいと考え、介護福祉士を目指したいと思いました。今日からの学生生活での学び、学外実習での学びの一つ一つを確実に習得していきます。知らないことばかりではありますが、これからの学びをしっかりと吸収し、信頼される介護福祉士となるよう日々精進してまいります。今後とも、私たち新入生を温かい目で見守っていただき、ご指導いただけますよう、よろしくお願いします。

神戸医療福祉専門学校三田校 新入生代表

 私は、2年間という限られた期間で、いち早く現場で活躍できる本校の教育課程に魅力を感じ、入学を決意しました。また、職業体験で先輩方が患者さんに対して真剣に向き合う姿に感銘を受けたことも理由の一つです。私は高校時代、女子バレーボール部の部長を務め、リーダーシップ、コミュニケーション能力を身につけることができました。これらは救急救命医療の現場においても、必要で重要なスキルだと考えます。本校ではその経験を活かし、多くの命を助けるための努力を惜しまず、どんなことでも的確に判断し、臨機応変に対応できる力を習得したいと思います。

神戸製菓専門学校 新入生代表

 私は、小さい頃からお菓子作りが大好きで、友人や家族に喜んでもらえたことで、もっと多くの人に食べてもらいたい、笑顔にしたい、と思うようになりました。神戸製菓専門学校のオープンキャンパスに参加した際、先生方が優しく丁寧に教えてくださり、ここで技術を磨きたいと入学することを決意しました。私たちは今日から夢への第一歩を踏み出します。これから厳しいこともあるかもしれませんが、仲間と協力しあっていきます。そして、いつも支えてくれている家族や友人、先生方への感謝の気持ちを忘れず、今を大切します。目標に向かって日々努力することをここに誓います。

姫路医療専門学校 新入生代表

 言語聴覚士になりたいと思ったのは、祖父が脳梗塞で失語症になったとき、言語聴覚士の方と出会い、リハビリを続けるうちに徐々に話せるようになった姿を見て、私も人を救う仕事がしたいと思ったからです。私は、一人一人の方に寄り添い、社会復帰をサポートし、人生の喜びを感じていただける、そんな言語聴覚士になりたいと思っています。今日私たちは、同じ夢を持つ仲間としてこの場所にいます。医療の知識と技術だけでなく、コミュニケーション能力も習得し、チーム医療の一員となれるよう向上心と責任感を持ち、多くの方々の役に立てる人材になれるよう努力することを誓います。

先輩から歓迎の言葉

姫路医療専門学校 在校生代表

 私は中学生の時、体験活動で臨床工学技士という職業を知って、自分もなりたいと思い、姫路医療専門学校に入学しました。専門学校は新しいことを専門的に学ぶので、難しく感じるかもしれません。ひとりで不安を抱えこむこともあるかと思います。そんな時はクラスメートや先生を頼ってください。クラスメートは同じ夢を目指す仲間です。先生方も皆さんの力になってくれます。これから多くの人と出会い、様々な出来事があると思いますが、その一つ一つを大切にして夢をかなえるためにがんばってください。

「対自分自身」「他者との協働」「課題解決」 3つの人間力を学ぶ 

 入学式の第2部は、学びの基本を理解するための“第1回目の授業”です。講義を行った神戸医療福祉専門学校三田校の担当者は「プロになるために、これから皆さんは何を勉強していけばいいのでしょうか」と新入生に問いかけ、専門的な知識や技術、国家試験の勉強だけでなく、「人間力」を身につけることが重要だと強調。青々とした葉と多くの果実をつけた大木のスライドを見せながら、「立派な大木は、目に見えていない地面に広がる根っこから栄養をとり、葉や果実をつけることができます。皆さんが学ばなければならないことの一つ目は専門的な知識や技術で、これが大木の目に見える部分である葉や果実に当たります。そして二つ目は、目には見えない根っこの部分、すなわちプロとしての身構え、気構え、心構えといった人間力です」と人間力があってこそ真のプロになれると説明しました。

 目に見える「大木の葉や果実」の部分について、スペシャリストの知識や技術が実際の現場でどのように活かされているのかを示す一例として、神戸医療福祉専門学校三田校・救急救命士科の卒業生たちが救命活動のシミュレーション実演をしました。男性が突然倒れ、心停止に陥ったという想定で、救急隊員が119番通報者の娘とやりとりをしながら心臓マッサージや点滴、搬送まで迅速な処置を施す、という緊迫した救命活動を本番さながらに再現。この学科は救急救命士国家試験の合格率が16年連続100%、西日本学生救急救命技術選手権大会で総合優勝8回の実績を誇ります。卒業生たちの様子を、新入生は固唾をのんで見守っていました。

 続いて、目に見えない「根っこ」の部分の「人間力」に関し、卒業生がプレゼンテーションを行いました。プロに求められる人間力は、①自分自身の意志や行動を律する力「セルフマネジメント」(対自分自身)②仲間と協働しチームで働く力「チームマネジメント」(他者との協働)③課題を見つけ解決へと行動する力「プロジェクトマネジメント」(課題解決)—の3つの力で成り立っています。

 「セルフマネジメント」については、鍼灸師として活躍し鍼灸接骨院を開業した神戸医療福祉専門学校中央校・鍼灸科の卒業生がプレゼンテーションをしました。中学生時代、通院していた鍼灸接骨院の院長に体と心のケアをしてもらったことに感銘を受け、鍼灸師を目指したという自身の経験を紹介した上で、セルフマネジメント力を身につけるには「計画」と「行動」がポイントだと強調。「卒業後、どうなりたいのか考え、その目標に向かって計画を立て、逆算してその日その日の行動を考えてください。いろんなことに興味を持ち、失敗を恐れずチャレンジしていくことが成長につながります」と語りました。

 「チームマネジメント」については、姫路医療専門学校・作業療法士科の卒業生が発表。自身で立ち上げたリハビリ関係の会社で実際にあった「チームだからできたこと」の事例として、料理をすることができなくなった高齢女性が介護士、看護師、リハビリ職の連携プレーにより娘の好きな手料理を作ることができたという話を紹介し、「一人ではできないことも多くの人と関わり、目標と情報を共有することにより達成できます」とアドバイスしました。

 「プロジェクトマネジメント」に関しては、神戸医療福祉専門学校三田校の義肢装具士科4年制の卒業生が、英語でプレゼンテーション。臨床実習で滞在したタイで、英語が通じない人たちと「全力のジェスチャーでコミュニケーションをとった」結果、最後はみんなと仲良くなったという経験談などを披露し、「とにかくやってみればいい。失敗して落ち込んでも、そこから何ができるか想像し、考えて行動してください。あなたさえ諦めなければ変えられる未来があります」と激励しました。

 新入生たちは真剣な表情で先輩たちの話に聞き入り、充実した第1回目の授業となりました。

 フィナーレは大阪スクールオブミュージック専門学校のOSMゴスペルアンサンブルによるお祝いの歌「翼をください」の合唱。新入生を祝福する夢と希望の歌声が会場いっぱいに響きました。入学式を終えた新入生たちは会場外のロビーで談笑したり、ホテルのガーデンスペースに出て、クラスメートと写真を撮り合ったりして、新しい仲間たちとの交流を深め、仲良くなったクラスメートとさっそく連絡先の交換をしている姿もあちこちで見られました。

(Web広報センター)