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「悔し涙ではなく、うれし涙で終われるように」 運動部の高校生のためのメディカルトレーナー講習会を今年も実施しました! 大阪医療福祉専門学校
高校の運動部の選手やマネージャーらを対象にした「メディカルトレーナー講習会2025」が、滋慶学園グループの大阪医療福祉専門学校(大阪市淀川区)で3月12日に開かれました。理学療法士学科の菊地淳先生が、ケガの応急処置や予防のためのコンディショニング、パフォーマンス向上のためのストレッチングなどを指導しました。

メディカルトレーナー講習会は、最新のスポーツ医科学に基づき、スポーツ選手に必要なコンディショニングやトレーニング方法、ケガをした場合の効果的な応急処置やテーピングなどを身に付け、安全に部活に取り組んでもらおうと毎年実施。菊地先生が講師をつとめ、メディカルトレーナーコースで学ぶ学生がサポートをしています。今回の講習会は、大阪府内の高校の硬式野球部やバレーボール部、バドミントン部の選手やマネージャーら約80名と、学生約65名の計約145名が参加しました。
「抜けた歯は冷えた牛乳に浸して」の教えに「へえ~」と驚きの声
最初に、雷といった悪天候時の対処法やケガをした直後の応急処置法などについて菊地先生が座学で伝授。試合中や練習中に選手が出血を伴う外傷を負った場合、流水で傷口をよく洗い、止血をした後、傷を覆うようにラップを当てることが肝要で、「湿潤治療といいます。消毒は基本、要りません。白血球に仕事をさせます」と菊地先生。また、歯が抜け落ちた場合は、「抜けた歯を洗った後、『歯の保存液』や、冷えた牛乳か生理食塩水などに浸して保存し、早急に歯科を受診すれば再び歯が定着します。水ではダメですよ。歯がくさってしまいますから」と菊地先生が説明すると、高校生の間から「へえ~、そうなんや」と感心の声があがりました。




座学の後は、グループに分かれての実習。「安定したプレーに不可欠な足のパフォーマンスを向上させる方法!」と題して、自分がいわゆる「O脚(内反膝)」なのか「X脚(外反膝)」なのかを把握した上で、テーピングとインソールを駆使して足部アライメントを修正し、競技中の姿勢・パフォーマンスを改善する方法を学びました。O脚は足首を捻挫しやすく、X脚は靭帯など膝を傷めやすいといい、「自分の足に合ったシューズ選びも重要。カッコよさで選ぶ人はアスリートとしては二流以下です」と菊地先生。ケガを防ぐには、試合後あるいは練習後に疲労した筋肉のストレッチングをしたり、体幹・下肢・上肢のインナーマッスルを鍛えるトレーニングをしたりすることが大事といい、高校生たちはメディカルトレーナーコースの学生たちに支えてもらいながら身体で覚えていました。普段鍛えることのない筋肉に負荷をかけるトレーニングはかなりきつそうで、あちこちからうめき声が聞こえてきました。



菊地先生は「最先端のスポーツ医科学はまだまだ現場に届いておらず、中学・高校のスポーツは、事故やケガの予防の指導が必ずしも十分でなかったり、ケガをした場合の対応も適切でなかったりする場合があると見受けられます。すべての選手が現役生活を悔し涙ではなくうれし涙で終われるよう、スポーツ科学に基づいたトレーニングや応急処置法をもっともっと広める必要があります。この講習会がその架け橋になれば、という思いでやっていますし、今回講習会に参加した高校生も学んだことを他の仲間に伝えてほしいと思います」と話しています。
(Web広報センター)