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“海と山をつなぐ循環ビジネス” 大阪ECO動物海洋専門学校の協力で大阪府貝塚市のプロジェクトが始まりました!
大阪ECO動物海洋専門学校の協力のもと、大阪府貝塚市では二色の浜に打ち上げられるアオサを肥料に、備長炭の材料となるウバメガシの林をつくる“海と山をつなぐ循環ビジネス”の実証実験を行っています。5月25日(木)・26日(金)の両日、野生動物&自然保護専攻の学生たち約25人が1泊2日の実習で、二色の浜公園で浜辺の清掃とアオサ集めを行い、和泉葛城山のふもとの休耕田でウバメガシの苗木を植樹しました。
アオサの仲間には、美味しいアオサノリに加工できる種類もありますが、海中に滞留し大量発生して海岸を覆うことがよくあり、景観を損なうだけでなく、腐敗して悪臭を放ったり、アサリなど魚介類を死なせたりする被害が多数報告されています。一方、ウバメガシは和泉葛城山周辺の山間部に多く自生し、備長炭の原料やキャンプ用の薪や炭としても価値が高い樹木。貝塚市では、アオサを肥料にしたウバメガシ生育事業を通じ、循環ビジネスの実現による里山の活性化をめざしています。
実習では最初に、二色の浜公園でガイダンスが行われました。貝塚市まちづくり整備監の村田勝博さんが、SDGsにつながる“海と山をつなぐ循環ビジネス”の意義や、地球温暖化対策の一環としての植林の重要性、学生たちへの期待などを説明。さらに二色の浜公園管理事務所の所長、馬渡肇さんは公園の沿革について、またウバメガシの植樹場所を提供している秬谷(きびたに)町会長、山本太郎さんがかつて盛んだった農林業が廃れてきたことなど、地域事情の説明をしました。
環境悪化につながるアオサを肥料に、備長炭の原料のウバメガシを植樹
浜辺の清掃では、5人一組となった学生たちが、二色の浜公園の浜辺でペットボトルやレジ袋、空き缶などのゴミを集め、浜辺に打ち上げられるアオサを収集。アオサはあっという間に3つのゴミ袋に一杯になりました。これを水洗いして塩分を落とし、ビニール片などのゴミを取り除く作業をしました。
その後、公園から車で約1時間の山間部の秬谷町の里山で、雑草が生え放題の休耕田の草刈りをして整備。そこに穴を掘って底の周囲にアオサを敷き、ウバメガシをアオサから離した状態で植えていきました。植樹したウバメガシの苗木は約30本。休耕田で数年間生育させ、そのあと山に移植する計画です。
草刈りや植樹には、貝塚市役所からもスタッフが参加。地元の企業や森づくりのボランティア関係者も加わり、総勢50人近くの共同作業になりました。
翌26日は朝から地元ボランティアや大阪府泉州農と緑の総合事務所の指導の下で、ヒノキの人工林の伐採作業を体験。切り倒したヒノキを適当な長さに切る作業も行いました。短く切ったヒノキの丸太は持ち帰り、学校で飼育しているカピパラなど動物の遊び道具にもなったそうです。
貝塚市まちづくり整備監の村田さんは「社会ニーズも踏まえながら、時間をかけてウバメガシの薪を生産し、ブランド化して、出口戦略として販売していくという将来構想を持っています。大阪ECOの学生さんと末永くお付き合いし、次年度以降も協力していけると有り難いと思います」と話しています。