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ザ・シンフォニーホールで新大阪歯科技工士専門学校、新大阪歯科衛生士専門学校、東洋医療専門学校が合同入学式 荘厳なオルガンの音色で新入生を祝福
滋慶学園グループの学校法人 大阪滋慶学園の新大阪歯科技工士専門学校と新大阪歯科衛生士専門学校、東洋医療専門学校の3校合同入学式が4日(火)、大阪市福島区のザ・シンフォニーホールで行われました。パイプオルガンの荘厳な音色がホールに響き、538人の新入生が厳粛な面持ちで式典にのぞみました。新型コロナウイルス感染症の影響で、ザ・シンフォニーホールに保護者や来賓らを迎えて行う入学式は4年ぶり。大勢の人々に祝福され、希望に満ちた学園生活のスタートとなりました。
新大阪歯科技工士専門学校は1976年に設立された新大阪歯科技工士学院が前身で、滋慶学園グループのルーツといえる学校。東洋医療専門学校も1979年以来の伝統があります。入学式はライブ配信もあり、司会をつとめた東洋医療の藤原法香先生が、グループでは入学式を“最初の授業”、卒業式を“最後の授業”と位置付けていると説明しました。
ザ・シンフォニーホールが「日本初のクラシック専門ホール」として1982年に誕生し、2014年から滋慶学園グループが運営を引き継いだことや、正面のパイプオルガンが大阪フィルハーモニー交響楽団を率いた朝比奈隆氏(故人)の提案で設置され、3732本のパイプから成ることなどの紹介もありました。
最初にオルガン奏者の朴秀美さんがリヒャルト・ワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』を披露。プロジェクションマッピングのきらびやかな映像と、オルガン演奏のコラボレーションが新入生らを魅了しました。
式典は国歌が流れた後、3校を代表して新大阪歯科衛生士学校の宇城(うじろ)ななみさんがステージに上がり、4月に就任した新大阪歯科技工士専門学校・新大阪歯科衛生士専門学校の山本照子学校長(東北大学名誉教授、歯学博士)から入学許可証を授与されました。
「医療の仕事でやりがいを感じる瞬間」 太田宗夫学校長
学校長式辞では、代表して東洋医療専門学校の太田宗夫学校長(全国救急救命士教育施設協議会顧問、医学博士)が登壇しました。太田学校長は、これからの学びについて「第1回目の講義と思ってほしい」として語り、「医療の道は厳しい」、「医療者が要求されるものは多様」、「医療はすばらしい世界」、「生涯を賭ける価値がある」という4つの言葉を示しました。
まず、失敗は決して許されないという意味で、医療は大変厳しい道だと語り、患者ひとり一人の背景には生活があり、個性・感性があり、これを軽く考えると仕事がはかどらないと指摘。「医療者が患者さんから要求されるものは多様であり、人間愛、人類愛がなくてはならないことを理解してほしい。医療の厳しさを面白さに変換できれば、医療がすばらしい世界であると実感できるのです」と述べました。
太田学校長は、いざという時、人が一番大切に考えるのは金でも地位でも名誉でもなく、例外なく「健康と生命」だと言います。この健康と生命に危険が迫ったとき、誠実に対応するのが医療者であり、「患者さんは回復した喜びを言葉にしてくださることがあり、偽りのないその感情を自分の喜びとすることができます。それが医療のやりがいを感じる瞬間です。この経験が重なると、生涯を賭ける価値ある仕事だと自覚するのであります」と語りました。
さらに医療の発展に貢献した歴史上の人物として、約2500年前の医者・哲学者で、医療倫理や医師の在り方を説き「医学の祖」といわれるヒポクラテスや、江戸時代に解体新書を著した杉田玄白、長崎で西洋医学を日本人に教えたドイツ人・シーボルト、その弟子で大阪に適塾を開いた緒方洪庵、世界で初めて麻酔薬を調合した和歌山の華岡青洲らを紹介。先人の業績に敬意を抱き、その延長線上に今があることを認識するようアドバイスしました。
また医療の「学際性」(Interdisciplinary)について、医療の進歩が加速し新しい課題に挑戦し続ける原動力になったと指摘。医療が自然科学のすべての分野が力を出し合って発展してきたことを理解してほしい、と述べました。そして「よい医療者」とは何かを考えるよう新入生に呼びかけ、知識(Head)、技能(Hand)、人間愛(Heart)を挙げました。「この3つのHがバランスよく備わっている医療者を目指してほしいと思います。頭がよく働き、腕が立ち、患者の気持ちが読める医療者です」と強調しました。
最後に「教員と先輩に対する敬意を失うことなく、生涯の友となる同僚との絆を大切にしてください。諸君の財産になるからです」と述べ、出会いを大切にしようという「一期一会」の心得を示しました。「諸君は今日から新しい出会いが待っています。その数は膨大で、教えられることも膨大であります。これを咀嚼しつつ、絆を大切にしてほしいと思います」と締めくくりました。
「笑顔の挨拶はコミュケーションの原点。人間関係は財産」 浮舟邦彦総長
学校法人 大阪滋慶学園理事長で滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は、全教職員を代表して祝辞を述べました。「2020年からの新型コロナウイルスの影響で、皆さんは大変困難な高校生活を送ってこられたと思います。しかし努力をして今日の日を迎えました。皆さんは自分の夢、やりたい仕事を見つけられました。まさに自己発見、キャリアの発見です」。
コロナ禍で過ごした3年間の苦労をねぎらいながら、「それは決して簡単ではなかったはずです。私たちも体験授業、説明会、職業体験セミナーなどを開催し、皆さんの選択に誤りがないようにしてきました」とも語りました。
そして「皆さんは夢・思いを明確な目的・目標に変えて、今日から学びをスタートさせることが大切です。卒業年次には国家試験があり、国家資格を手にして初めて望む仕事ができるわけです。そしてキャリアを伸ばしていく努力が必要です。そのキャリアをつくる基礎・基本を学ぶ学生生活がこれから始まるのです」と強調しました。
総長は職業人教育を通して社会に貢献するというグループのミッションや、建学の理念の実学教育・人間教育・国際教育に言及。「皆さんはプロのスペシャリストを目指して、専門教育の基礎、まさに太田学校長の言うヘッド、ハンド、ハートの学びをしていくのです」と述べました。
さらに積極的に学ぶ習慣を身に付け、卒業してからも学び続けることが如何に大切であるかを語り、業界で仕事をするための身構え・気構え・心構えと、社会人・業界人・医療人としての振る舞いを身に付けなければならないと説きました。「学校のいたるところに『今日も笑顔であいさつを』の標語がかかっています。笑顔での挨拶はコミュケーションの原点。どうか笑顔での挨拶を自分のものにしてください」と話し、人間関係の重要性を訴えました。
「皆さんは素晴らしい仲間と一緒に同じ道をめざします。友人関係や先生との関係、これからお世話になる業界の方々との人間関係を大切にしてください。人間関係が将来の大きな財産になるはずです。そのためにも笑顔の大切さ、コミュニケーションの大切さを忘れないで頂きたいと思います」
最後に総長は「無駄な時間はありません。授業の一コマ一コマを大切に、学びをスタートさせていくことが大切です。皆さんが目的・目標を明確にして、力強く学園生活をはじめてくださるよう祈念いたします」と激励しました。
「同じ夢をもつ仲間ほど頼りになる存在はない」 在校生が歓迎のメッセージ
先輩の東洋医療専門学校 救急救命士学科2年、和泉颯馬(そうま)さんが歓迎のメッセージをおくりました。大阪出身の和泉さんは高校野球で甲子園に出場したいという夢があり、高校は山梨県の強豪校に進学。3年生の2021年、コロナ禍の困難を乗りこえ、夏の大会に出場した経験があります。
和泉さんは「世界中が苦しい状況の中、医療従事者の方々は最前線に立ち、自身が感染するリスクがあるにもかかわらず、人の命を救うために闘い、活躍されている姿に尊敬と憧れを抱くようになりました」と語りました。夢の甲子園出場をかなえ、将来について考え始めた時に「人のために尽くし支えになりたい」と思い、救急救命士をめざすことを決意したそうです。
「専門分野の勉強や実習に戸惑い、時には大学生がうらやましいと思ったり、1人暮らしでホームシックになったりすることもあるでしょう。しかし、今までと違うのは隣の人が同じ夢を志す仲間だということです。1年間、勉強をして感じたのは、同じ夢をもつ仲間ほど頼りになる存在はないということです。皆さんも共に切磋琢磨し、困ったときはお互い助け合う存在であってください。一緒に夢をかなえましょう!」と呼びかけました。
最後にグループの姉妹校、大阪スクールオブミュージック専門学校のゴスペルアンサンブルが『翼をください』を披露。〽この大空につばさを広げ 飛んでゆきたいよ…〽 ホールいっぱいに響くコーラスで夢がふくらむ新入生たちを祝福しました。今後の学園生活がイメージできるように、学校の授業・実習や体育祭などのイベントの様子がスライドショーで紹介されました。
保護者会では担任を1人ひとり紹介
新入生が退場したあと、新大阪歯科技工士専門学校・新大阪歯科衛生士専門学校の小柳豊次長の司会で保護者会が行われました。学校生活でのサポート、家庭と学校との連携について教務の担当部長から説明があり、続いて3校の各学科の新入生の担任17人が1人ひとり紹介されました。
浮舟総長は「ご子弟は国家試験に合格していただくことが何より大切です。学校には積み上げてきたノウハウがあり、本部では国家試験対策センターも設けています。北海道から九州まであるグループのネットワークもございます。一人ひとりが目的・目標を叶え、就職していただくことが我々の務めだと思っております。ご家庭の方からもご協力を賜りますようお願い申し上げます」と挨拶しました。