お知らせ
News
OCAの学生の学び、集大成を展示! 卒業・進級制作展「WE ARE OCA 2023」が開催されました 「関西e-sports企業対抗戦」で激突!
「創造力」を仕事にするクリエーターの学校、OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校の第34回「WE ARE OCA 2023」が2月10日(金)と11日(土)、大阪マーチャンダイズマートビル(OMM)で開催されました。グラフィックデザインやゲーム、サイバーセキュリティー、新商品開発、広告企画など、企業プロジェクトで取り組んできた作品や研究を会場一杯に展示。学生が企画したe-sportsの企業対抗戦も行われ、多くの企業関係者や中学・高校生が訪れました。
産学連携の企業プロジェクトを中心に学生の作品を一堂に展示
会場の入り口には大きなメインビジュアルを掲示。ゲームグラフィック&キャラクター専攻の2年生、3年生が制作した作品の中から最終審査で選ばれました。このビジュアルは会場の随所に飾られ、卒業・進級制作展のホームページ、リーフレットなどにも使用されました。
産学連携による企業プロジェクトは、即戦力のスキルを学ぶ教育システムです。プロのクリエーターが、リサーチからコンセプトの設定、プレゼンテーションまで、実際の制作現場と同じプロセスで指導。学生たちは厳しいチェックを受けながら、クライアントの意向に応えることができるクリエイティブ力、プレゼンテーション力などを磨いてきました。卒業・進級制作展はこうした実践的な学びの集大成といえます。
学生個人で仕事を請け負い、だんじりの写真集やカレンダー制作
会場の一角にだんじり彫刻の写真集が展示されていました。イラスト・グラフィックデザイン専攻2年、井上真翔さんが、だんじり彫刻師として大阪・泉州地域を中心に活躍している古澤知貴さんの写真集を企画。撮影・編集・デザインまでのすべてを担当しました。
古澤さんの工房の認知拡大をテーマにし、本人の作品に対する思いや制作のポイントなどを掲載。より一層興味・関心が湧くようにしています。この写真集は2022年11月に大阪城公園のクールジャパンパーク大阪で開催された「未来へ繋ぐ伝統工芸展」で配布され、多くの人たちに見てもらいました。
小さい頃からだんじりが大好きな井上さんは、自分が撮影した写真をインスタグラムやツイッターに「マートン」のハンドルネームで投稿してPR。そのうち撮影依頼が来るようになり、古澤さんからも相談があったそうです。
このほか昨年2月には、岸和田市で開催された“だんじり写真家”たちの作品展にも出展。展覧会のフライヤーも井上さんが制作しました。また、だんじりを製作する工務店の2023年カレンダーも、写真から編集・デザインまでを担当。だんじりを通じてさまざまな繋がりが生まれ、デザインの仕事がくるようになりました。
滋慶教育科学研究所(JESC)の次年度卒業生を対象にした特別エントリー作品のプレゼンテーションでも井上さんが発表。スモークチーズのプロモーションの企業課題で、20~30代の働く女性をターゲットに、美肌に効果があるとされるビタミンA、ビタミンB2がスモークチーズに多く含まれている点をアピールする商品デザインを提案し、「『薫る』ひとくちご褒美」というキャッチフレーズを盛り込みました。
井上さんは「卒業後はグラフィックデザイナーの職種を希望しています。大手の広告会社に挑戦したいです」と話していました。
学生が企画・運営した関西e-sports企業対抗戦がヒートアップ!
e-sportsのイベントエリアでは、学生が企画・運営する「関西e-sports企業対抗戦」が行われました。学生の企画・運営で出場企業によるトークセッションも開催。ASH WINDER、eスタジアム、eSPARKLe KOBE、REDEEの4社が参加しました。
ASH WINDERは大阪・心斎橋に本社があり、e-sportsイベントの企画や施設の運営、コンサルティングなどを行っています。eスタジアムは南海電鉄等が共同出資している会社で、大会や配信イベントなどe-sports の総合施設を運営、難波を本店に泉佐野や和泉など各地に拠点があります。
NTT西日本グループが運営する神戸市中央区のeSPARKLe KOBEは、子供からお年寄りまでが楽しめるe-sports体験施設。REDEEは吹田市千里万博公園のエキスポシティにある施設で、巨大スクリーンを駆使したe-sportsや最新のVRゲームが体験できます。
対抗戦は関西のe-sports関連企業がプライドをかけて戦う真剣勝負です。トークセッションは「関西のe-sportsを盛り上げるために」というテーマで、各企業から施設の特徴の説明から始まり、e-sportsを学ぶ学生への期待や4社が協力してできること、将来ビジョンについて意見交換をしました。
この企画は学生と業界を結び、関西のe-sportsの永続的な活性化と、関連企業の採用活動に繋げるためのイベント企画を制作し運営。さらに関連企業それぞれの施設でのビジネス施策を企画立案しようというもので、e-sportsイベントスタッフ専攻、e-sportsプロゲーマー専攻、e-sportsマネジメント専攻の学生がチームで取り組んできました。JESCの特別エントリー作品のプレゼンテーションでは、学生が企画の説明をしました。
PRゲームから紫式部キャラクター制作まで多種多様 特別エントリー作品
特設ステージで行われたJESCの特別エントリー作品6題と、卒業年度生のJESC奨励賞ノミネート作品7題のプレゼンテーションは、篠塚正典学校長や馬場章名誉学校長、歴史作家で名誉教育顧問の加来耕三先生、つちや書店の社長で教育顧問の佐藤秀先生をはじめ、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)や半導体メーカーのNVIDIA、アニメ制作のユーフォテーブルなどゲーム・IT・クリエイティブ系の企業で活躍されている方々が審査を担当しました。
ゲームソフトの企画・開発を行っているバンダイナムコスタジオからの課題は、インディーゲーム(少人数・低予算で開発されたゲームソフト)のレーベル「GYAA Studio(ギャースタジオ)」のPRゲームの制作。ギャースタジオは、インディーゲーム制作を通して、ゲームの新しい未来と可能性を切り開くというミッションを掲げた独自のレーベルで、世界に通用するトップクリエーターの育成を目指しています。プレゼンでは、次々と迫ってくる扉を開け続け、キャラクターをできるだけ遠くまで走らせるというゲーム「ドアrunド」について説明しました。
福井県越前市からは『源氏物語』の作者であり、2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の主人公、紫式部と平安時代の人物キャラクターの制作課題です。越前市は紫式部が娘時代に暮らしたことがあり、加来耕三先生が「ふくいブランド大使」でもあることから、プロジェクトが実現しました。
キャラクターは、紫式部と枕草子の作者の清少納言、権力者の藤原道長、道長の娘の彰子、陰陽師の安倍晴明の5人。姉妹校の学生も含め約200人が計268作品を制作しました。プレゼンでは紫式部を描いた学生が、制作で苦労した点や作品をブラッシュアップしていくプロセスを説明しました。
生活困窮者・ホームレス支援団体NPOホームドアは、シェアサイクル事業「HUB Chari(ハブチャリ)」を展開。自転車のメンテナンスや貸し出し、バッテリー交換をホームレスの仕事にして就労機会を提供しており、学生はシェアサイクルを多くの人に伝えるPR動画の制作にも取り組みました。
このほか「関西e-sports企業対抗戦」を企画したチームの代表によるプレゼンテーションや、「学校内の課題を解決する」というテーマでアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウドサービスを利用したアプリを開発、身近な課題解決のアイデアを形にする取り組みについて発表がありました。
JESC奨励賞ノミネート作品のプレゼンテーション
3DデザインとIT事業を展開する金沢市の株式会社C8LINKのバーチャルキャラクター「梅雨澤りく」のオリジナルCGムービーの制作発表があり、注目を集めました。背景として金沢市の名所を演出し、ダイナミックな戦闘アクションと美しくあでやかな効果を駆使し、キャラクターのカッコよさを表現。CG&映像クリエーター専攻、スーパーCGクリエーター専攻、ゲームグラフィック&キャラクター専攻の学生20人以上のチームで、6ヵ月半かけて作り上げました。
また、スマートフォンなどで縦にスクロールしながら読むことができる韓国発の電子コミック、ウェブトゥーン制作のプレゼンテーションもありました。配信サイト「LINEマンガ」に作品を投稿するという課題です。LINEのアカウントで簡単に作家登録ができて、すぐ投稿できるプラットフォームを使い、「キスから始まる」or「キスで終わる」をテーマに制作に取り組みました。
企業に対するサイバーセキュリティーの防犯啓蒙の研究は、兵庫県警察からの課題。最近、ランサムウェアなど中小企業がターゲットになるサイバー犯罪が多発しているものの、十分な対策が取られていないのが現状です。このプロジェクトでは、学生たちが中小企業を狙ったサイバー犯罪の実態を調査するとともに、自助努力による対策案を考察。防犯啓蒙につなげることを目的に研究に取り組みました。
また車の買い取りビジネスを展開する大阪市西区の株式会社ユーポスからの課題で、若者層をターゲットにユーポスの魅力を伝え認知度を高めるPR動画の制作にも取り組みました。若い母親が不要になった子供用の三輪車の買い取りの相談に来店するというオチで笑いを誘う内容でした。
e-sports視点での商品企画というロート製薬からの課題では、選手のパフォーマンス向上のため、快適な睡眠につながり、リラックス効果があるアロマの新商品と告知・販売について発表。このほか、インテルのEVOの魅力を若い人たちに伝えるプロモーション企画、ゲーム開発の日本一ソフトウェアの「魔界戦記ディスガイアシリーズ」のキャラクターデザインのプレゼンがありました。
プレゼンテーションでは、それぞれの作品に対して審査員の先生から様々な意見や感想を頂きました。篠塚学校長が総評で「3年生の発表は、おおむね非の打ちどころのない内容でした。今後もっと腕を磨いて『おおっ、そんなアイデアがあったのか!』『これは使ってみたい!』と驚きと感動を与えるようなプレゼンテーションをしてほしいと思います」とアドバイスをされました。