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滋慶学園グループの2022年度国際教育部会ミーティング コロナ禍の中 海外研修代替プログラムの進化などが報告されました
2022.09.06
海外研修など滋慶学園グループの国際教育の在り方などを討議する「2022年度国際教育部会ミーティング」が7月29日(金)、北浜ビルを拠点としてZOOMによるオンライン会議形式で開催されました。渡辺英緒部会長以下、各校、各企業の国際教育関係者ら50人余りが参加。浮舟邦彦総長をはじめ、グループ幹部も臨席しました。
浮舟総長 基調講演「第7期5ヵ年計画における国際教育の展開」
冒頭、浮舟邦彦総長が「第7期5ヵ年計画における国際教育の展開」をテーマに、基調講演を行いました。本題に入るに先立ち、まずオミクロン株によるコロナウイルス感染症の第7波が急拡大し、「7月は過去最大の感染者数を記録するだろう」と述べ、マスクをするなどきちんと自分を守ることが大切だと訴えました。
講演では、浮舟総長は自ら率先して取り組んできた海外の高等教育機関との連携協定の歴史を振り返りました。
ウエストフロリダ大学やバークリー音楽大学、浙江中医薬大学、韓国啓明大学、ブンデスリーガーフランクフルトなどとの連携協定
新大阪歯科技工士学院(現、新大阪歯科技工士専門学校)発足時の1976年、海外の歯科技工教育はどうなっているのかと、正月休みを使って先生方と一緒にドイツにマイスター制度の視察に出かけた当時の体験を皮切りに、
1987年天皇陛下が学ばれたILC国際語学センターをグループ入りさせたことや、1988年浙江中医薬大学と中国の学校として初めての提携を行ったこと、さらに1989年に米州立ウエストフロリダ大学(UWF)と提携、その後名誉博士号を授与されたこと、1993年には廣州中医薬大学と第1回の日中健康学会を開催、現在も続いていること、2003年には、アメリカの主要コミュニティカレッジで構成する「CCID」の理事会メンバーとして加盟、さらにニューヨークのブロードウェイダンスセンターとの提携、フェラーリとの交流、ヴァローナとの提携と続き、2012年にはアジア臨床工学フォーラムを開催、2013年には韓国啓明大学と提携、2014年には、ドイツ・ブンデスリーガーのフランクフルトと提携、そして2016年にはバークリー音楽大学と提携したことなど、滋慶学園グループが展開してきた国際教育の歴史を振り返り、果たしてきた意義について再確認しました。
海外研修は新しいステージに
そのうえで、浮舟総長は、「海外研修は新しいステージに入ったと言える。海外の先生方によるオンライン授業などは常態化していくし、DXの活用によって海外研修の在り様も今後、変化していくと思う。そんな中、コロナで関係が薄くなっている海外提携校との関係強化や海外で活躍する卒業生の活躍をサポートすることが第7期5か年計画のテーマになってくる」と今後の国際教育について方向性を示唆しました。
第一部 海外研修実務委員会から
第一部の海外研修実務委員会からの報告では、今年度の代替オンライン研修は、昨年の一方的なオンデマンド方式からZOOMを使った双方向LIVE研修に進化したことや、海外で活躍する卒業生プロフェッショナルによる特別講義、国内の学生とグループの海外センターをオンラインで結んだパネルディスカッションの実施など、学校、各部門が工夫を凝らして新しい取り組みを行ってきた事例が示されました。
海外研修プログラムに関する基本方針 今年度は現行のまま
また5月に海外研修実務委員会が取りまとめた海外研修プログラムに関する基本方針については、今ミーティングでの修正等は行わず、今年度一杯、この方針で対応することに決定しました。2023年度方針については、秋の海外研修実務委員会で審議することとなりました。
海外研修プログラムに関する基本方針
https://www.jikeigroup.net/news/20220518_43040.html(既報)
文科省のグローバル政策の方向性について
渡辺部会長からは、7月26日に文科省から出された「高等教育を軸としたグローバル政策の方向性~コロナ禍で激減した学生交流の回復に向けて~」を入手して、一通り目を通しておいて欲しいと要請がありました。
https://www.mext.go.jp/content/220725-mxt_koutou03-000024166.pdf
第二部 留学部門からの報告
第二部の留学部門からの報告では、2021年度、2022年度の留学生の受け入れがコロナによる渡航制限等によって少なからず影響を受けた学校や部門がありました。2023年度は、2021年度、2022年度の経験を生かして、留学生受け入れの回復への取り組みを行っていると報告がありました。
中でも日本語学校として多くの留学生を受け入れてきた東洋言語学院からは、減少傾向にあった留学生数は2022年度、入国制限の緩和により、7月期は目標の104.2%に回復、国籍数は39か国と昨年より増えたと報告がありました。また全学生へのDX教育を進めており、日本語能力試験(JLPT)は今年度もN1、N2の合格率が共に全国平均を上回ったと述べました。
第三部 海外センターからの報告
第三部の海外センターからの報告では、上海センターから、中国政府が昨年夏に塾や補習を禁止する“双減政策”を実施したことや、3、4年後は日本への留学が増えると予想する報告があったのをはじめ、韓国センターからは、海外をめざす留学生は2011年をピークに減少しており、留学先も欧米からアジア圏にシフトしているなどの報告がありました。
140年の歴史がある豪「TAFE」と提携校契約
またオーストラリアセンターは、今年の5月にクイーンズランド政府とオーストラリア政府が管理し、140年の歴史がある専門学校「TAFE」と提携校の契約にこぎつけたと発表。ヨーロッパセンターは、東京バイオテクノロジー専門学校卒業生でアルザスワイン醸造家として活躍する由良仁太郎氏や札幌ベルエポック製菓調理専門学校卒業生で2022年6月、フランス・パリでレストラン「PASSIONNE」をオープンしたオーナーシェフ、堀内智史さんらの活躍を紹介、卒業生を講師としてオンライン授業を展開したと発表しました。
さらにアメリカンセンターLAからは、海外国際部門の代表者とグループ医療系各校との間でZOOMによるパネルディスカッションを実施、学生から多くの質問が寄せられたと新しい取り組みの報告がありました。
滋慶学園グループ国際教育部会では今後討議を重ね、オンライン教育の拡充や広報活動のより一層の展開などを図ると共に、Withコロナ時代の海外研修を始めとする国際教育部門の在り方について検討を深めていくことになりました。