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マーラの兄弟誕生に立ち会い 大阪ECO動物海洋専門学校「キーパーゼミ生の記録」 赤ちゃんと共に成長します!
大阪ECO動物海洋専門学校に今春、アルゼンチンの低地に生息するマーラの兄弟が誕生しました。それから約4ヶ月、お母さんマーラと同じぐらいにまで大きく育ち、元気に走り回っています。大阪ECOでは教育の一環として繁殖に力を入れており、学生たちが動物の赤ちゃんと共に成長していくキーパーゼミ(飼育ゼミ)についてご紹介します。
2021年3月23日(火)、キーパーゼミの学生たちがいつも通り、お昼の作業をしている時でした。動物飼育専攻の講師、阿佐顕治先生がメスのマーラ(母・スピカ)の様子がおかしい、もしかすると出産が近いのかもしれない、と学生たちを呼びました。
作業していた学生たちは、出産に立ち会えることなど滅多にない機会とあって、作業を中断し急いでマーラの元へ駆けつけました。
すでに産気づいていたマーラのスピカはソワソワしながら、どこか出産の場所を探しているような様子だったと阿佐先生は答えてくれました。出産に要した時間は短く、1頭目の兄・アークが生まれた後、2頭目の弟・レグが生まれるまでは約10分から15分ほどだったそうです。
学生たちは携帯で写真や動画を撮りながら出産を見守り、当時2年生だったマーラのトレーニング担当の学生は、「頑張れー!」と応援していました。
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生まれたばかりの兄・アークを見守る両親
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弟・レグを優しく愛撫する母のスピカ
動物の飼育を行っているからこそ身につく感性
出産後、2頭はお母さんの母乳を飲み、1時間~1時間半ほどで立ちあがりました。
学生たちは作業をしながら、兄弟マーラの名前(アークとレグ)をみんなで考えたそうです。大阪ECOのマーラの名前は全員、星の名前を付けているそうです。父・リゲル、母・スピカ、今回生まれた兄弟よりも8か月早く生まれた姉・ステラ、家族ではありませんが、おばあちゃんマーラ・デネブがいます。
姉・ステラも大阪ECOで生まれたマーラですが、ステラが生まれそうだと予兆に気が付いたのは学生だったそうです。普段からお世話をしている学生たちは、動物のちょっとした違和感やいつもと違う行動にとても敏感です。
このような感性は動物の飼育を日々行っているからこそ身につくものだと思います。今回は阿佐先生が異変に気が付きましたが、マーラは年に多くて2回妊娠、出産をします。他の動物たちも同じように繁殖をする機会があるため、学生たちは座学だけでは身につかない経験を、実習を通して日々学んでいることを改めて実感しました。
動物のお母さんと学生が赤ちゃんを育て、学生も成長
大阪ECOでは、学生の間に色んな経験を積んでほしいということもあり、教育の一環として繁殖に力を入れています。毎年データを積み重ね、その結果から出産後の動物の赤ちゃんの飼育方法を工夫し、よりよい環境で赤ちゃんを育てることが出来るようにしています。
マーラの場合、生まれて数日間は何分くらい母乳を飲んでいるか、何分おきに母乳を飲みに来ているか、データを取ります。そして体重管理を行い、赤ちゃんの成長を確認します。また人がいない夜は赤ちゃんの安全確保のため、いつも生活している場所とは別のゲージにお母さんと赤ちゃんを一緒に入れ、管理を行っています。
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マーラの兄弟の世話をする学生
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飼育ケージの清掃も欠かせません
このように、動物のお母さんと学生が一緒に赤ちゃんを育て、動物たちのおかげで学生たちも成長することが出来ます。その成果もあり、現在の兄・アークと弟・レグは大人のマーラと変わらないくらい大きく成長し、兄弟仲良く過ごしています。当時出産に立ち会ったマーラトレーニング担当の2年生は笑顔で大阪ECOを卒業しました。
( 大阪ECO動物海洋専門学校 教務部 藤井 萌衣)