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関西経済同友会の経営塾 浮舟邦彦総長が「With/Afterコロナ時代が求める人材開発」をテーマに講演しました
2020.11.30
滋慶学園グループの浮舟邦彦総長が11月24日(火)、大阪国際会議場で行われた関西経済同友会の第1回経営塾で「With/Afterコロナ時代が求める人材開発」のテーマで講演。深野弘行代表幹事をはじめ、60名余りの関西経済同友会メンバーを前に、同会の文化の力委員会の委員長を務める浮舟総長は、「社会の変化に伴って求められる人材も変わっていきます。昔は協調性が重視されたが、自律協働を経て今は自立協働の人が求められています。その自立協働はコロナ禍によって自律協働に戻ったかも知れません」などと、滋慶学園グループが行っている人材養成に絡めて述べました。
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挨拶される経営塾の更家悠介塾頭
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密を避けて経営塾が開かれた大阪国際会議場
サラヤ株式会社の更家悠介社長が塾頭を務める「経営塾」での講演で、浮舟総長は40年以上に亘って滋慶学園グループの78校の専門学校などで展開してきた業界の専門人材養成を通して、業界や社会が求める人材の変化について述べるとともに、理念やミッションの大切さやマネジメントの重要性など約90分にわたって持論を展開しました。
浮舟総長は西郷隆盛のように大きく打てば大きく響く人
冒頭、浮舟総長は、更家塾頭から坂本龍馬が西郷隆盛を“小さく打てば小さく響き、大きく打てば大きく響く”と評したという話をもとに、「浮舟総長はまさにこの西郷隆盛で、大きく打てばいくらでも大きく動くし、小さく打てば、その専門、専門で表現される、これだけの経営者は世の中になかなかおられません」と紹介を受けました。
人は仕事を通して成長するもの
登壇した浮舟総長は、まずマネジメントの前提として「社会は変化し、人は仕事を通して成長するものです」と述べ、経営や人の成長にとってマネジメント力がいかに大切かを示しました。
社会の変化として、専門学校に進学する18歳人口の推移と、社会の出来事をまとめたグラフを見せながら、時代の変化と経営について話しました。最も苦労した話として、1976年に学校経営をスタートさせ、10校1万人になっていた1992年、バブルが崩壊し学校建設をお願いしていた建設会社が倒産し苦労した経験を紹介。銀行も倒産する厳しい環境の中、中長期の経営方針を立案することで危機を脱出した体験を述べました。
マネジメントの重要性
まず第1期5ヵ年計画を策定し、その第1重点方針に「財政基盤の安定」を掲げ、第4期5か年計画でようやく経営の安定を築くことが出来たこと、現在、第6期5か年計画の4年目で78校約3万5000人の学生が学ぶ専門学校グループになっている、2年後には第7期5か年計画がはじまると報告。計画的、継続的なマネジメントの重要性について述べました。
また、滋慶学園グループが創業以来、社内研修に力を注ぎ人材の育成に大きな比重を置いていることも紹介。研修体系表を示しながら、「面白いのは新入社員からずっと役員になってからも、マインド理念の研修が続くということです。またマネジメント/スキル・知識の研修も役員になっても続きます」と、滋慶学園グループにとってのマインド理念とマネジメント研修の重要性を紹介しました。
産学連携で常に最先端の教育に取り組む
学校教育については、産学連携や地域連携を重視し、社会の変化に合わせて新しい学科のイノベーションに取り組んできた経緯を紹介。人工心肺など医療機器の保守や操作で活躍しコロナ禍の中で注目されている臨床工学技士の前身としてメディカルエンジニアの養成に創業間もない時期にいち早く取り組んだのをはじめ、医療秘書やバイオテクニシャン、商業音楽、動物看護師、スポーツトレーナーなど、常に新しいジャンルの職業人養成に取り組んできたと述べ、現在もeスポーツやドローン、ホワイトハッカーなど最先端の教育に取り組んでいると動画を見せながら紹介しました。
またCanonやMizuno、ヤンマーホールディングなど各企業からいただいた課題に挑戦する様々なジャンルの企業プロジェクトや、リアルとテクノロジーが融合した水族館や動物園の変貌など事例紹介では、現場を預かる文化教養系の運営部長である太田彰先生に一時バトンタッチしました。
ミュージカル「明日への扉」やフェラーリープロジェクト
再度、講演席に戻った浮舟総長は、1994年以来毎年続けている骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」での舞台づくりを通した全人教育により、劇団「四季」などで活躍する多くの卒業生を輩出していることや、フェラーリーやフィアット、日本の各自動車メーカーとの企業プロジェクトによって多くのカーデザイナーを業界に送り出していることなどを紹介しました。
今求められるのは「自ら考え、行動できる人」
今の社会が求める人材像について、浮舟総長は「これまでの社会が求めていた人材像は、協調性をもって組織の枠組みの中で動けるような人だったが、今の社会が求めているのは、専門分野の知識や技術をもって自ら考え、行動できる人であり、多様な人と協力して仕事を進められる人です」と述べ、「協調性から自律協働、そして自立協働に変化してきましたが、コロナ禍によって、再び自律協働が求められているように思います」と解説しました。
さらに今の社会が求める人材は、専門性に加えてマネジメント、ITテクノロジーやITリテラシーを含む社会人基礎力とグローバルな視点などをもった人材であり、「滋慶学園グループとしては、それに加えてサービスマインドとベンチャースピリットをもった人材を求めています。そして我々の変わらぬ目標は、私たちの仕事は顧客の価値を創造すること、学生さんの価値を高めていくことです」と締めくくりました。
沢山の質問やご意見
講演後、「理念やミッションは日々の仕事の中でどのようにして浸透させているのか」「不登校の子が専門学校で立ち直ったと聞いているが、どうなのか」など、沢山の経営者の方々から質問や意見が寄せられ、浮舟総長は「理念、ミッションについては、あらゆる場面で何度も何度も話しています」「不登校だった子供たちの話は高等課程のことだと思います。髪の毛の色もバラバラで集中できなくて集合写真が撮れなかった子供たちが、6か月後に撮った写真で全員ピシッとしているのです。ダンスや音楽など好きなことで入ってきているので毎日学校に来ます。その変化にお母さんがうれし泣きされました」など、一つ一つに誠意をもって丁寧に答えました。
「必要とされる分野をどう目利き?」深野代表幹事から質問
深野代表幹事からは、「大変すばらしいお話で、断片的にはお話を聞いていましたが、これだけ体系的にお聞きしたのは初めてでした。車のデザインから水族館まで、ミュージカルもあっていろんな分野でやられていて、しかもポイントを得てトップクラスの人材を養成されている。どうやってそういう社会が必要とされる分野を選んでこられるのか、どういう眼力でこだわって育てられているのかお聞かせ願いたい」と質問があり、浮舟総長は「私の方からこういうのをやろうといったことがないですし、会議とかで決まったこともありません。すべて現場でやっており、現場の学校・企業から出てくることが多いですね。そこで面白いものを深堀りしています」と回答しました。