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滋慶学園グループの国家試験合格率90.3% 5年ぶりに90%台に復帰 国家試験対策センターまとめ
2020.05.28
滋慶学園グループ「国家試験対策センター」(稲岡隆輔センター長)はこのほど、平成31年・令和元年(2019年)度の国家試験結果をまとめました。グループ全体の国家試験の新卒受験者数は5,609人で合格者は5,066人、合格率は90.3%でした。合格率は昨年よりも0.6ポイント上回って5年ぶりに90%台に復活しました。
合格のあと、新たに国家資格を取得した5,400人を超える新卒業生や既卒合格者の皆さんは現在、病院や福祉施設など新しい職場で新型コロナウイルスと戦いながら、多くの先輩たちと共に、日本の医療・福祉等を懸命に支えてくれています。
全員マスクで受験 臨床現場での対応を問う問題へシフト
ほとんどの国家試験は、1月下旬から3月上旬にかけて行なわれました。新型コロナウイルスの感染拡大期にぶつかり、受験者は感染しないように細心の注意を図り、試験会場では、厚生労働省の指示もあって、全員がマスクを着用する息苦しい環境下での受験となりました。
国家試験対策センターでは、結果の集計を終え、現在、各専門部会の先生方の協力の下、次年度に備えるために試験問題の分析作業に取りかかっています。稲岡センター長はまだ詳しく分析はできていないとしながら、例年と比べて気になる点として、①出題基準が変わったことによる傾向の変化、②各資格とも、臨床現場での対応など実際に働く場面を想定した問題によりシフトしている、を挙げました。
作業療法士や社会福祉士が前回より大幅アップ
資格別では、作業療法士が前年の合格率に比べて19ポイントアップしたのをはじめ、社会福祉士4年制課程が17ポイント、精神保健福祉士4年制課程が37ポイントとそれぞれ大きくアップ。看護師(通信)、理学療法士、義肢装具士、歯科衛生士、はり師、きゅう師、介護福祉士、美容師、製菓衛生師で全国平均を上回り、全体の合格率を90%台に押し上げた要因となりました。
一方、わずかですが平均に達せず次年度への課題を残した学科もありました。
合格率100%達成は25校34学科 東洋医療の歯科技工29年連続
合格率100%を達成した学科は15資格で、25校34学科にのぼる健闘でした。例年圧倒的な強さを見せ、滋慶学園ブランドともいえる社会福祉士や精神保健福祉士分野では大阪保健福祉専門学校の社会福祉科(昼間4年制)や精神保健福祉科(夜間1年制)が全国平均70%台前半の中、合格率100%を達成したのをはじめ、東洋医療専門学校の歯科技工士学科(昼間3年制)が29年連続の100%合格を達成、神戸医療福祉専門学校三田校の救急救命士科(昼間2年制)が11年連続、新東京歯科技工士学校の歯科技工士科Ⅱ部(夜間3年制)が8年連続と、それぞれ100%合格を達成しています。
このほか、昨年秋の1SPO(国際義肢装具協会)世界大会開催に全面協力した神戸医療福祉専門学校三田校の義肢装具士科4年制(昼間4年制)や昨年秋に東京で開かれた「第4回アジア臨床工学フォーラム」でポスター発表した出雲医療看護専門学校の臨床工学技士学科(昼間3年制)をはじめ、日本医歯薬専門学校の歯科衛生士学科Ⅱ部(夜間3年制)や福岡ベルエポック美容専門学校の美容師実践科(通信3年制)など夜間や通信学科の頑張りが目立ちました。また製菓衛生師では、神戸製菓専門学校の製菓本科(昼間2年制)や東京ベルエポック製菓調理専門学校のパティシエ実践科(昼間2年制+通信1年制併設)などが100%合格を達成しました。
国家試験対策研修会は中止 100%学科表彰のみ実施
なお例年6月に開催している「国家試験対策研修会」は新型コロナウイルス感染の影響ですでに中止が決定しています。100%合格学科への表彰式は”3密”を避ける形で6月10日に大阪、17日に東京で行われ、浮舟邦彦総長から直接表彰されることになっています。
今年は模試も遠隔で実施へ
稲岡センター長は「受験判定を行う秋口から冬にかけて、新型コロナウイルスの第2波、第3波がくることを想定した対応が必要です。その時になってあわてても遅いので、今から遠隔での模擬テストの受験が行える準備にあたっていただければ」と話しており、各教育分科会に対してすでに遠隔での統一模擬試験の実施なども提案しています。
遠隔模試については大阪医療技術学園専門学校や新東京歯科技工士専門学校、新東京歯科衛生士専門学校、新大阪歯科衛生士専門学校等で、すでに対応に取り組んでいます。
もっと「J-WEB」システムの活用を!
国家試験対策センターでは、今回のコロナウイルス禍の経験から、滋慶学園グループ独自の自宅学習システムを搭載する遠隔学習システム「J-WEB」の活用範囲を広げていく方針です。