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「敬老会」イベントを企画・運営

ふるさと、みかんの花咲く丘、瀬戸の花嫁、北国の春などを一緒に歌いました

 京都市中京区にある高齢者施設「洛和ホームライフ」。施設長とかねてより地域貢献についてお話させていただいており、2019年9月15日(日)に開催される「敬老会」イベントの企画・運営を、京都医健専門学校の学生にお願いしたいと依頼を受けました。

 施設の入居者は、平均年齢が87歳、要介護度が平均3.3であり、認知症の方も多く、外出することがほとんどできずに、若い学生と接することがあまりありません。一方、学生も最近の家庭事情として核家族化が進んでおり、お年寄りと触れ合う機会が少なく、高齢者の方とのコミュニケ―ションについては不慣れなところがありました。

 地域の方々に喜んでいただけるよう地域貢献を行うことはもちろんですが、今後、学生が社会に出て仕事をしていく上でも、また、その前段階である「実習に出る」という場合においても、高齢者とコミュニケーションを取る機会を持つことは大変良い経験となります。また、先々の就職活動においても、「学外活動について」などの設問に対して経験を活かした回答ができるようになるとと考え、10学科を有する本校の全体のプロジェクトとして取り組みを開始しました。

 早速、リーダー会議等で趣旨説明を行ったところ、スポーツ科学科、言語聴覚科、理学療法科、トータルビューティー科など、複数の学科より参加の手が挙がりました。ただし、ほとんどの学生はボランティア経験がなかったので、当日のプログラム作成については手探り状態で行うこととなりましたが、それぞれの学科の特性を活かし以下のような内容を考案しました。

1. 歌唱・演奏
  言語聴覚科や理学療法科、音楽部の学生が中心となって演奏を行い、高齢者の方に寄り添い一緒に歌ったり手拍子をしたりして、音楽を楽しんでいただく。

2. アロママッサージ
  スポーツ科学科を中心に、アロマの手技だけでなく、足の悪い方の移動のケアなども行い、施設の方とコミュニケーションを取りながら運営の手伝いも行う。

3. メイク・ネイル
 日常的に外出されることがなく、女性の方はほとんどお化粧することもないので、トータルビューティー科を中心に、お洒落することを楽しんでいただく。 

 歌唱・演奏では、「ふるさと」や「みかんの花咲く丘」などの童謡、また「瀬戸の花嫁」など、ご年配の方がわかる歌謡曲を選曲。歌集を作成する際は、ご年配の方が読みやすいように大きな文字で分かりやすくし、ページめくりなどは学生が寄り添って手伝うようにしました。言語聴覚科の「音楽療法」を学ぶ学生たちには、高齢者の方に率先して、一緒に歌えるよう事前にリハーサルを行いました。

■結果
 昔の歌を知らない学生がいたり、初の試みで運営に何かと苦労がありましたが、敬老会に参加された高齢者の方々はみな笑顔で、大きな声で歌を歌われ、いきいきとした表情で学生と話をし、元気になっていただけたように見受けられました。なかには涙ぐんでいらっしゃる方もおり、帰り際にはたくさんの方から、学生に対して「ありがとう」のお声がけをいただきました。

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    楽しそうに学生と会話をされる高齢者の方々

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    感極まって涙ぐまれる方もいらっしゃいました(手前の後ろ姿は言語聴覚科の学生)

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    笑顔でコミュニケーションを取りながらアロママッサージを行いました

 施設長からは、毎年の敬老会やその他のイベントも含め、ぜひ京都医健専門学校の学生に今後もお願いしたいとリクエストをいただきました。

 また、学生からも、「人に喜んでいただけることを行う」事に対して、やりがいや達成感を一様に感じたようで、「参加してよかった」、「次回も参加したい」などの感想を聞くことができました。

 今後は、より多くの学科と連携し、本プロジェクトを洗練し、地域の方に喜んでいただけるイベントに成長させていきたい。また、できるだけ多くの学生に、ボランティアを通じ、社会貢献や人から感謝される経験を積んでもらえるようにしていきたいと思います。

(京都医健専門学校 板坂 年修/中野 誠)