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【学位記授与式】 多職種連携を強みに現場の医療安全に立ち向かう! 滋慶医療科学大学院大学7期生に修士号学位記を授与
医療・介護等の質向上と安全に関わる課題を解決する実践力及び研究力を修得する全国初の大学院として人材を輩出している滋慶医療科学大学院大学の「平成30年度 学位記授与式」が3月16日(土)、JR東おおさか線の全線開通で賑わう大阪・新大阪駅前にある同大学院学舎で行なわれました。
木内学長 多職種連携の強みで新たな道を切り拓いて
木内淳子学長(医学博士)は、「皆さんは、社会人大学院生として仕事と家庭と学業を同時に成し遂げられ、本日を迎えられました。ご努力に心から敬意を表します」とねぎらったあと、「少子高齢化社会の中で、医療、福祉、介護、保健等ヘルスケアの分野は、医療供給体制の見直しや地域包括ケアの充実など課題が山積みです。それらに対応するには多様な価値観を認め合い、柔軟な思考がカギとなりますが、本学のように多くの専門領域の教員による教育と、多職種の仲間と共に学ばれた2年間の経験は皆さんにとって大きな強みとなると確信します」と述べました。
そして、「患者さんや生活者の安全が強く求められる中、これまでに習得した医療安全管理学の知識と実践力に自信をもって、患者さんや施設、地域のチームに信頼される専門職として新たな道を切り拓き、大いに活躍されることを望みます」と、新たなスタートを切る修士の皆さんに、激励の言葉を贈りました。
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告辞を行なう木内淳子学長
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ひとり一人に木内学長から修士号学位記が手渡されました
このあと、木内学長から看護師や薬剤師、臨床工学技士、診療情報管理士、言語聴覚士、教員などの仕事を持ちながら学んできたひとり一人の修了生に、医療管理学研究科医療安全管理学専攻の修士号学位記が授与されました。
浮舟邦彦総長 医療安全をマネジメントしていく存在として重要
同大学院を運営する学校法人大阪滋慶学園理事長として滋慶学園グループの浮舟邦彦総長が祝辞を述べました。浮舟総長は、「少子高齢化が進んでいく中で、医療間連携だけではなく地域間連携やネットワーク連携がどんどん進んでまいります。連携がすすめば進むほど、そこにまたリスクが生じてきます。医療が高度化していけば、複雑化、多様化しリスクも潜んできます。医療の安全の面からきちんとキャッチアップしながらマネジメントしていく視点をもつ皆様方のような存在は重要です」と、医療安全を研究し学んできたスペシャリストとしての意義を称え、「これからは、ここで培った多職種間のネットワークを活かすと同時に、色んな学会に参加し、学び続けていただきたいと思います」と、お祝いと激励の言葉を述べました。
大阪大の大学院医学系研究科長と附属病院長、ミネソタ大学学部長から祝福のお言葉を頂きました
続いて、御来賓を代表して、大阪大学の大学院医学系研究科研究科長の金田安史様と大阪大学医学部附属病院病院長の木村正様、海外提携校のミネソタ大学ダルス校コミュニケーション科学・障害学部学部長のマーク・ミズコ様から、それぞれ学びと示唆に富むご祝辞を頂きました。
金田様は、「今大学も研究するだけではなく、研究成果を社会実装するよう求められています。大事なことですが、社会に出して初めてわかることが多々あります。人を対象としているからです。もう一度学内に戻して、また新たなイノベーションを起こしていく姿勢が必要です」と、研究開発のエコサイクル、エコシステムの重要性を伝えられました。さらに、「人を対象とした時に、なぜこんなことが起こるのかということが多々経験されると思います。ぜひそれを次の目標に掲げて解決していくという気持ちを持ち続けてください。そして、同じところで学んだ人の繋がりを大事にし、ポジティブシンキングを身に付けてください」と、はなむけの言葉を贈っていただきました。
木村様からは、「35年前に私が卒業した当時になくて、今ある医療界のインフラは医療安全です。高齢者の患者さんが増えて、合併症などもあり、医療の高度化とともに、昔よりも複雑な側面もあります。1990年代後半から医療安全のテーマが起こってきましたが、当時は若手の医者だったので、医療安全は邪魔だと思いました。さまざまな軋轢がありましたが、お互いに練れて来てニーズが合致してきたのが今の姿だと思います。医療安全を学ばれた皆さんがもう一度、我々の中に入ってきていただけるのは、私たちのパワーになります。修士論文のテーマを見せてもらいましたが、実地に起きる問題から押えた多様なテーマであり、その多様性が将来の力になると思っています」と将来を期待するお言葉を頂きました。
ミネソタ大学のミズコ様は、3つのポイントとして、「まず臨床現場で発揮する能力です。(皆さんのように)医療行為の安全性と質の向上を求めて発揮する能力は最上の医療医行為へとつながっていきます」と指摘。「次に職場での積極的関与が医療職者が成功するにあたっての強力な要因となります。なぜなら、積極的に関与することによって、より生産的で患者を中心に据えるからです。最後は情熱です。皆様が患者、同僚に対して積極的に関与していけば、職業に対する愛や情熱が増し、ひいては、仕事への喜びへとつながっていきます」と、修了生の前途を祝福していただきました。
医学、医療界、業界団体などからのご来賓の紹介があり、それぞれからお祝いと期待のお言葉を頂きました。また日本医師会横倉義武様や日本看護協会会長の福井トシ子様、海外提携校の廣東医科大学学長の卢景辉様など各方面からの祝電が披露されました。
医療安全管理学の新「修士」7期生を代表して訪問看護師の修了生が謝辞
最後に修了生を代表して、神戸市の訪問看護ステーションで訪問看護師として勤務しながら学んできた鷲尾さんが謝辞を述べました。
精一杯の昼間の仕事で身体は疲れていたが、夜間の授業にでると楽しくて仕方がなかったという鷲尾さんは、「知らなかったことを学ぶ楽しさや知っていると思っていたことの意味の深さ、根拠を知る尊さ、論理的に物事を考える重要性などを学びました。なによりも多職種の学生との交流はとても新鮮でかけがえのない時間でした。演習では受身では何事も進まないことを知りました。この大学院で学ぶ機会を得たことを誇りに思います」と述べ、指導教官や職員の皆さん、職場や家族にそれぞれ感謝を伝えました。
働きながら学んだ2年間の大学院生活を振り返りました
このあと、第二部では、木内学長自らが2年間の研究と学びの生活をスライドで振り返りました。大阪大学の医学部附属病院の高階雅紀教授を中心に医療機器安全管理研究会を昨年11月に立ち上げたのをはじめ、医薬品等製造実践教育研究会や医療マネージメントセミナーへの参加や「医療の質と安全学会」での論文発表、さらには、修了生の中から5人が認定看護管理者に合格した時の喜びなどが報告されました。
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木内学長が解説
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修了生と共に記念の集合写真