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明日への扉 Hospital Of Miracle名古屋公演 人の優しさと命の大切さ 1回公演に集中して問いかけました

お父さんの応援歌「ヒーロー」のダンス。病院内ディスクジョッキーにみんなが励まされます

 「わたしでも誰かのために役に立つことができるのかな…」。生きることに絶望した少女が、明るく精一杯生きる少年や、患者の心を癒す道化師らとの出会いを通し、希望を見出します。それが病院内ディスクジョッキーでした。寄せられるお便りやリクエストソングに、患者たちは勇気づけられていくのです…。骨髄移植推進キャンペーンミュージカル・明日への扉「Hospital Of Miracle(ホスピタル・オブ・ミラクル)」が9月5日(水)、名古屋市の市立芸術創造センターで開かれました。

 今回は台風の影響で4日の公演が中止になりました。1回だけの公演に学生たちが全精力を集中させ、人の優しさと命の大切さを問いかけた舞台に、500人以上の観客たちは感動に包まれていました。

 ホスピタル・オブ・ミラクルは、滋慶学園COMグループ、名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校(NSM)、名古屋医健スポーツ専門学校、名古屋コミュニケーションアート専門学校、名古屋デザイン&テクノロジー専門学校、名古屋ECO動物海洋専門学校が主催しました。滋慶学園グループでは、骨髄バンクへの理解を深めてもらおうと、1994年からミュージカル「明日への扉」を上演。今年で25年目になります。その趣旨を受け継ぐ作品として誕生したのが「ホスピタル・オブ・ミラクル」です。

 このミュージカルは、もともと大阪放送芸術専門学校で卒業公演として行っていました。2010年から名古屋コミュニケーションアート専門学校(現NSM)で、一般の人たちに鑑賞してもらうミュージカルとして公演を行うようになり、2015年以降は福岡や仙台でも開催。今年からは大阪放送芸術学院専門学校が9月14日(金)、15日(土)の両日、大阪国際交流センターで、再び公演を行いました。

少女は人の役に立つこと、生きる意味を考えます

 ストーリーは、学校でのいじめに苦しみ自殺未遂を図った少女が、入院した病院でさまざまな“物語”を抱えた患者たちと出会います。難病と闘いながらも、明るく思いやりの深い少年、音楽活動に行き詰まり胃潰瘍で入院しているロックンローラー、小児病棟の子どもたち、患者に笑いを届けるホスピタル・クラウン…。

  • 少女をいじめるダンス

  • 入院している子どもたち

  • 両親のお見舞いに少女は反発します

  • 人気グループ「ハクション5」が訪れて大騒ぎ

 少女は生きる意味を考えます。学校で放送部の経験がある自分にできるかもしれないと、病院内ディクスジョッキーを始めました。リクエスト曲はロックンローラーの男性が歌います。お便りや男性の歌に患者たちは励まされ、元気になっていきます。まさにホスピタル・オブ・ミラクル、「奇跡の病院」です。少女の父親からの手紙も届きました。仕事に明け暮れ、娘の苦しみを理解していなかったとの自戒の思いが綴られていました。

ステージからも骨髄移植の理解を訴えました

 そんな時、難病の少年が実は白血病だったとわかり、危険な状態だと知らされます。日本の骨髄移植のドナー登録者は約48万7000人で、骨髄移植を必要とする患者数は毎年約2000人。ドナー登録をしていても適合するとは限らず、適合してもドナー側から断られる場合もあります。ステージでは、病院の院長や医師、看護師たちが、そんな骨髄移植の現状を訴え、ドナー登録に理解をしてください、と呼びかける場面もありました。

  • ディスクジョッキーを始めた少女たち。だが…

  • 病院スタッフたちによる治療のダンス

 ラストシーンはドナーが見つかり、骨髄移植を受けるために心配かけないようにと黙って転院した少年からの手紙の朗読です。「元気になって、今度また会ったら、一緒に生きていこうね」と少女に語りかけます。そして「命について考えて作った」という詩「星空のベッド」を披露。これにメロディーをつけて歌うオリジナル曲をリクエストします。

  ♪たくさんの言葉を あなたについやし 伝えようとした
   僕がいなくなっても あなたが幸せでありますようにと…♪

  • 白血病の少年。「死ぬのはやっぱり怖いよ!」

  • 出演者もスタッフも「星空のベッド」を歌い上げました

 手話コーラスを交えながら出演者全員での合唱となり、やがてフィナーレを迎えます。感動と同時に温かい気持ちが会場全体に広がりました。人の役に立つことのすばらしさ、ひとりの善意で、骨髄移植によって救われる命があることを訴えて幕を閉じました。

公開リハーサルにも大勢おとずれました

 キャストだけでなく音響、照明、舞台制作、運営などを含め、総勢351人の学生たちが、このミュージカルをつくりあげました。耳の不自由な人のために台詞を字幕で表示。学生たちの5カ月間の練習成果がステージで発揮されました。しかし、前日4日の名古屋公演は、台風21号の直撃が予想されていたことから、お客様の安全を第一に考え、中止となりました。公演は1回のみで、NSMではチケットの払い戻しなどに対応すると同時に、公開リハーサルでの鑑賞をすすめ、本番前の5日午後のリハーサルには170人以上の観客が訪れました。

  • 学生がデザインしたクリアファイルの販売も

  • 人があふれるロビーで募金を呼びかけました

 今回は出演者やスタッフ全員の写真、練習中の写真などを刷り込んだ記念のクリアファイルの販売もありました。学生たちがロビーにズラリと並び、募金を呼びかけると多くの善意が寄せられました。集まったお金は来年春の卒業式で、「公益財団法人日本骨髄バンク」と、治療の副作用で脱毛に悩む人のため無償でカツラを貸し出している「財団法人夏目雅子ひまわり基金」に贈られます。

骨髄移植推進キャンペーンミュージカル 明日への扉
「Hospital 0f Miracle」

《主催》 滋慶学園COMグループ

  名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校
  名古屋医健スポーツ専門学校
  名古屋コミュニケーションアート専門学校
  名古屋デザイン&テクノロジー専門学校
  名古屋ECO動物海洋専門学校(2019年4月開校予定)

《後援》

  財団法人夏目雅子ひまわり基金
  公益財団法人日本骨髄バンク
  認定特定非営利活動法人あいち骨髄バンクを支援する会

《特別協賛》

  青山商事株式会社「洋服の青山」
  大塚製薬株式会社
  株式会社学生情報センター
  KCJ GROUP株式会社
  コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社
  サントリーホールディングス株式会社
  株式会社ミニミニ
  リゾートトラスト株式会社