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外務省担当官を迎えて「海外研修における安全対策」を議論 国際部ミーティングが開かれました
2018.08.17
滋慶学園グループのすべての国際関係部門が一堂に会する「平成30年度 滋慶学園グループ国際部ミーティング」が今年も7月27日、28日の両日、滋賀県大津市にあるグループの研修所「湖邸滋びわこクラブ」で開催されました。
会議は14年目を迎え、主催者の本部国際センターと国際教育委員会のメンバーをはじめ、各学校グループの国際部門、海外センター、企業のメンバーら約80人が出席しました。
今年は海外旅行客や海外在留邦人らの安全確保にあたる外務省領事局邦人安全課の弘中義紀氏にお越し頂き、「海外研修における安全対策」をテーマに約1時間、講演をして頂きました。安全対策をテーマにした専門学校での外務省による講演は初めてとのことです。
外務省の弘中氏「命の安全を最優先に」
講演では、「留学生の安全対策」が外務省の重要課題の一つになっていることや、日本では報道されていない留学生の事件・事故被害の実例や犯罪被害に遭いやすい状況についての説明に始まり、歩きスマホをしない、現地になじまないような目立つ服装をしない、など犯罪被害に遭わないための対策などについて細部に亘って解説していただきました。
歩きスマホ等,周りへの注意を怠っていたがために犯罪に巻き込まれるケースが多くあるそうです。また、強盗に遭ってしまった場合は,とにかく「命の安全を最優先に考えて行動を!」と強く訴えておられました。
事案発生時の現地対応や家族、プレスなどへの対応をはじめ、外務省の「海外安全ホームページ」の紹介や「安全の手引き」の活用、「たびレジ」への登録方法などについても細かく説明していただき、「自分を過信しない」、「危険な場所には近づかない」、「自分の居場所を明確にする」など学生に伝えて欲しい10項目を挙げていただきました。
最後に、「事件・事故に遭ったら、最寄りの日本大使館または領事館にまず相談して欲しい」と勧めていただくなど、数々の貴重なアドバイスをいただきました。
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質問に答えていただく弘中氏
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質問する学園本部の猪尾卓也理事
第1部 座談会「滋慶学園の海外研修白書から学ぶ」
次いで、滋慶学園グループの「海外研修白書」がまとまったことを受けて、第1部として浮舟邦彦総長を座長に座談会「滋慶学園の海外研修白書から学ぶ」が行なわれました。
キーノートスピーチで浮舟総長から、「これからのスペシャリストは国境を越えていろんな国の人たちと仕事をしていく。だから国際的な感性を身につけて出て行ってもらいたい、これが我々のディプロマポリシーです」と、国際教育への取り組みの重要性について発言があったあと、パネラーの株式会社滋慶インターナショナルトラベルの國政浩一次長が、昨年度は北朝鮮問題やテロ発生が渡航マインドに影響したために、グループ全体の海外研修参加者は5,397人だったことなどをまとめた「海外研修参加学生数の推移と渡航先状況」について発表したほか、各学校グループの代表らがそれぞれの研修活動内容をまとめた白書に沿って報告を行ないました。
また、国際部の渡辺英緒エグゼクティブディレクターが「国際交流活動における危機管理(海外渡航編)について」を報告。2015年1月のフランス・パリでのテロによる非常事態宣言に伴いフランス向け研修を中止したことをきっかけに安心・安全への指針や危機管理マニュアルを整備し、毎年見直している取り組みを報告、「本日の弘中先生の講演を受けて、個人情報保護の視点などから、あらためてマニュアルや指針を見直して、さらに進化させていきたい」と述べました。
最後に浮舟総長は、「社会はテロや災害も含めてリスキーな世界になっており、緊張感をもって海外研修を実施する必要があります。もし何かあったときにどうあるべきか、しっかりとしたマニュアル化を進めるとともに、我々教職員も研修をして態勢をしっかりと作っていく必要があります」と述べ、「一人ひとりの学生さんの安心・安全への取り組みと、同時にインバウンドで受け入れる留学生の皆さんの安心・安全をしっかりと確保しなければならないと思います」と結びました。
第2部 フランス研修の再開など各グループから報告
第2部では、各グループからの報告が行なわれ、疾病・事故について無制限の保険をかけて海外研修に出かける形に見直すようグループで検討していることや、パリ同時多発テロ事件など3年前からストップしていたフランス方面の研修を2018年秋から再開、世界中のセレブも手がける美容師のジャン・ミッシェル・ファレトラさんの指導を受けたり、1922創業のフランスのチョコレートメーカー・ヴァローナ社での研修、ヴェルサイユのイジプカ校でのパーフュマー研修などを行なう予定だと報告がありました。
2019年秋 ISPO世界大会の開催へ
このほか、2018年度の新規プログラムとして、最高レベルのミュージシャンを育成するニューヨークのコレクティブ・スクール・オブ・ミュージックへの1年間留学コース、および30カ国以上の国々から150人以上の留学生が学ぶニューヨーク屈指のダンススクールであるペリダンススクールでの半年・1年間の留学コースを実施するとの紹介や、来年秋には神戸滋慶学園が絡んで第17回国際義肢装具協会(ISPO)世界大会が神戸コンベンションセンターで開かれることなども報告されました。
第3部のJESC(滋慶教育科学研究所)国際教育部会の報告では、日本語教育委員会や英語教育委員会、海外職業教育調査研究委員会からの報告や、重点教育提携プロジェクトとして、甲陽音楽学院から、23年間にわたるバークリー音楽大学との教育提携について報告がありました。また第4部では、留学生問題、第5部では各海外センターからの報告が行なわれるなど、中味の濃いミーティングとなりました。
バークリー出身など甲陽音楽学院の卒業生によるジャズ演奏で交流
国際ミーティングの初日は、浮舟邦彦総長の締めのスピーチで終了しました。夜は、バーベキューパーティーと交流会が行なわれ、その後は、バークリー音楽大学への2年間の留学費用を贈る第3回浮舟奨学金に合格した赤岩秀美さん(ピアノ)をはじめ、サックス山内健史さん、ベース川口皓暉さん、ドラム岡野未来さんの編成で、甲陽音楽学院の卒業生のプロのミュージシャンによるジャズの演奏をたっぷり楽しみました。
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ジャズの演奏風景
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夜が更けるまで行なわれた甲陽音楽学院メンバーによるセッション