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第3回アジア臨床工学フォーラム開催! アジアの国々から400名が参加

中国・上海で開かれた「第3回アジア臨床工学フォーラム」。アジア各国から約400名が参加した

 「第3回アジア臨床工学フォーラム」(上海健康医学院主催、大阪滋慶学園・滋慶医療科学大学院大学共催)が5月17日に中国・上海で開催され、アジアの国々から約400名が参加しました。
 
 参加国は、今回の開催地国である中国をはじめ、台湾、香港、ネパール、マレーシア、そして日本で、会場の「博雅酒店(Parkyard Hotel)には、医療機関、学校、メーカーなどの関係者が集まりました。2年ぶりとなるフォーラムの今大会のテーマは「発展臨床工学・守護医療安全」で、アジア各国での最新の臨床工学技術と安全管理についての意見交換が行われました。

開始式

司会の銭教授

 大会は、上海健康医学院の銭鋒教授からの開会の言葉から始まりました。銭教授からは「参加者への感謝の気持ちと今回のテーマと各国の講演者の紹介」がありました。

浮舟総長による祝辞挨拶

日本からの参加者を代表して祝辞を述べる浮舟総長

 フォーラムが始まる前に主催側である上海健康医学院の代表者・書記長などのあいさつに続いて、日本側の来賓を代表して滋慶学園グループの浮舟邦彦総長が祝辞を述べました。総長からは、開催にあたっての関係者一同への労いの言葉と「日本では、臨床工学技士という国家資格をもった専門職人材の役割が、医療機器のめざましい進化とそれに伴う医療現場からのニーズの拡大によって、非常に大きくなってきています。今後、中国と日本の臨床工学技術がともに協力し合って益々発展していくことを強く願っています。そしてこのフォーラムがその技術発展の一助になることを祈念しています」と述べました。

フォーラム報告①

 午前のフォーラムでは、keynote reportとして、日本の臨床工学技士について大阪大学国際医工情報センター次世代内視鏡治療学共同研究部門の中島清一先生よりお話をいただきました。「日本の医療機器開発の現状と臨床工学技士への期待」と題して、昨今の医工連携をキーワードに医療機器開発での融合人材として、臨床工学技士が適任であるというお話をいただきました。

フォーラム報告②

 午後のフォーラムでは、本学園グループの滋慶医療科学大学院大学の椿原美冶教授から、keynote reportとして、血液浄化療法の最新の紹介があり、日本の透析技術の成績が欧米に比べて優れていることを発表しました。また採血における座位と仰臥位の違いについての報告がありました。

  • 中島特任教授

  • 滋慶医療科学大学院大学 椿原教授

フォーラム報告③

 最後のセッションでは同じく滋慶医療科学大学院大学の加納隆教授の司会でシンポジウムが行われ、各国の医療安全について議論が行われました。シンポジストの1人として、同大学院大学の客員准教授である秦亮先生が人工呼吸関連肺炎(VAP)について報告しました。

  • 加納教授の司会によるシンポジウム

  • 秦先生 / 加納教授

日本の臨床工学技士免許を取得した上海健康医学院卒業生の紹介

卒業生の紹介(左側の卒業生は日本の病院で勤務しています)

 上海健康医学院を卒業して大阪ハイテクノロジー専門学校日本語学科に入学、さらに、臨床工学技士科昼間部または専攻科に進学して、日本の臨床工学技士免許を取得してから卒業していった留学生が既に60名を超えています。それぞれ臨床工学技士として日々、頑張っていますが、今回は、臨床工学技士免許取得後に日本で病院・クリニック・企業で働いてから母国に戻り、中国で臨床工学技士として勤務している人たちが日本から参加した卒業生と共に「大阪ハイテクノロジー専門学校臨床工学技士科卒業生」として紹介されました。皆さん、母国で「臨床工学技士」として頑張っています。

ポスター発表並びに表彰式

 今回のフォーラムでも各国の学生によるポスター発表が開催されました。大阪滋慶学園からは出雲医療看護専門学校・臨床工学技士科3年の学生による演題「ローラポンプに取り付けた加速度センサによるキャビテーション検知手法の検討」と、大阪ハイテクノロジー専門学校・臨床工学技士科昼間部2年の学生による演題「ヒータパイプを用いた透析液熱交換システムの提案」の2演題が発表されました。各国の学生によるどのポスター発表も非常に高度な内容であり、各国の養成校学生や若い研究者の臨床工学領域の取組みへの意気込みや志が感じられました。そこで、フォーラムでは各国の学生に壇上へ上がってもらい、大阪滋慶学園の橋本勝信常務理事と于莹副書記長より表彰状が贈呈されました

  • ポスターセッション会場

  • ポスター発表学生への表彰状贈呈(右寄りスーツの2名が大阪滋慶学園の学生)

閉会宣言

 大阪滋慶学園の橋本常務理事より第3回の閉幕宣言と、2019年の東京開催についての開催予告が行われ、于莹副書記長よりこの「第3回アジア臨床工学フォーラム開催」への貢献に感謝の念を持って橋本常務理事に感謝状が送られました。そして、第3回アジア臨床工学フォーラムが盛会のうちに閉幕となりました。

  • 閉会宣言する橋本常務理事

  • 浮舟総長、橋本常務理事と各国代表者

  • 握手する橋本常務理事と于莹副書記長

【追記】

 今回のフォーラムに参加して感じたことは、臨床工学が確実にアジアの中で発展してきていることと、新しい臨床工学技術についての関心が特に中国で高く、今後AI、IoTを用いた新たな臨床工学技士業務への展開が大いに期待できる内容だったということでした。
来年は、大阪滋慶学園が主幹になって日本で開催されます。すでに、企画の準備は始まっており、ご期待下さい。

【主なプログラム】
1.歓迎の辞:鄭 瀋芳 上海健康医学院 書記長
2.祝辞:高 新強 国家衛生健康委医療行政管理局 処長
3.祝辞:趙 麗霞 上海市教育委員会 副処長
4.祝辞:陳 睦 上海申康病院発展センター副主任
5.来賓祝辞:浮舟 邦彦 大阪滋慶学園、滋慶医療科学大学院大学 理事長
6.治療技術と臨床安全:陳 亜珠 中国工程院 院士、上海交通大学 教授
7.医学映像と人工知能の考察:王 威琪 中国工程院 院士、復旦大学 教授
  鄔 小玫 復旦大学 教授
8.Key Report:黄 鋼 上海健康医学院 校長
9.中国臨床工学政策と発展:高 関心 中華医学会医学工程学分会
  主任委員、内モンゴル医科大学附属人民病院 副院長
10.日本の臨床工学技士:中島 清一 大阪大学国際医工情報センター 特任教授
   加藤 貴充 大阪ハイテクノロジー専門学校 専任教員
11.国際化臨床工学技術人材育成の実践:銭 鋒 上海健康医学院臨床工程技術専攻 主任
12.感染制御に関する臨床工学技術:Prof.Dr.Shamala. MAHSA University
13.「健康中国」背景の下、新型中医工程人材産学連携育成モデルの考察 :
   楊 華元 上海中医薬大学 教授
14.大型病院臨床工学人員の現状と発展:閻 作勤 復旦大学附属中山病院 副院長
15.臨床工学は機器の警報システムの応用価値 -台湾の彰基の経験- :
   頼 健文 台湾彰化キリスト教病院 副院長 
16.病院品質管理体系において臨床工程の重要性:
   李 斌 中華医学会医学工程学分会 主任委員
17.日本臨床工学技士教育体系:広濑 稔 北里大学 教授、
   日本臨床工学技士教育施設協議会 会長
18.IOT技術を利用する臨床工学管理;黄 進 四川大学華西病院 副院長
19.電気設備臨床安全管理:劉 鉄兵 
   中国人民解放軍南京軍区南京総病院 医学工程科 主任
20.日本の最新血液净化治療:椿原 美治 日本滋慶医療科学大学院大学 教授
21.臨床安全を保障するための医療機器メンテナンス対策 :
   Roshan Bajracharya Kanti Children`s Hospital
22.Subject Salon:総合司会:加納 隆 滋慶医療科学大学院大学 教授 
 シンポジスト
 胡 兆燕 上海健康医学院医疗器械学院 院長
 Dr.Rosa H.M.Chan:City University of Hong Kong
 姜忠岐:City University Malaysia
 秦 亮 滋慶医療科学大学院大学 客員准教授
 劉 学軍 北京中日友好病院 エンジニア
 劉 麒麟 華西病院 エンジニア
23.学生へポスター発表記念証書授与
24.閉幕式:于 莹 上海健康医学院 副書記長 
   橋本 勝信 大阪滋慶学園 常務理事

【主催・共催・協賛】
主催:上海健康医学院
共催:大阪滋慶学園・滋慶医療科学大学院大学
協賛:上海健康病院発展センター・中華医学会医学工程分会・上海市医学会臨床医学工程学分会・上海健康医学院学友会

  • 会場前の看板

  • 会場受付

大阪ハイテクノロジー専門学校 加藤 貴充、織田 豊)


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