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職業教育を通して社会貢献へ 自分たちを信じて「キープオンゴーイング!」 2018新年式で浮舟総長が力強くメッセージ 日野原重明さんを語るトークショーも

2018年(平成30年)新年式で所信を述べる浮舟総長。「キープオンゴーイング!」と締めくくりました

 2018年(平成30年)の滋慶学園グループ新年式が5日(金)、東京・西葛西の東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校で開かれ、浮舟邦彦総長らグループ幹部が新年のスピーチをしました。昨年105歳で亡くなった聖路加国際病院の名誉院長、日野原重明さんの生き方を語るトークショーもありました。新年式の模様は、北海道、仙台、東京、名古屋、京都、大阪、神戸、鳥取、出雲、美作、福岡の19地区の学校と、韓国、パリ、上海、オーストラリアの4拠点に映像配信。約2300人の全教職員が、グループの第6期5ヶ年計画の2期目にむけ新たなスタートをきりました。

浮舟総長 第6期5カ年計画の2年目へ「7つの重点施策」を示す

 浮舟総長は年頭の挨拶で、マネジメントを考える前提として「社会は急速に変化しています。それをどのように受け止め、組織や個人をイノベーションしていくのかが大切です。個人が成長しないと組織の成長もない。その組織が成長しないと学生さんを幸せにし、社会に貢献していくこともできません」と強調。最近の経済、社会や先端技術革命などについての情勢分析を加えた上で、「教育界だけでなく経済界も含めて『職業教育』が大きなテーマになっていることは間違いありません。だからこそ職業教育を通して社会に貢献していくのだという開校以来の理念、『実学教育』『人間教育』『国際教育』というわれわれのミッションをしっかりと認識することが必要です」と説き、第6期5カ年計画の2年目を迎えるにあたって、業界など各方面との連携を深めることによって「目的・目標を達成する」、「組織や商品のイノベーションを図る」など7項目の重要施策を示しました。
 最後に浮舟総長が医療秘書教育を通して20年以上の親交を深め、総長自身も親しみを込めて紹介されている日野原重明さんの最期の著書「生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉」(幻冬舎)の言葉を引用、「自分たちを信じ、歩き続けましょう。キープオンゴーイング!」と新年のメッセージを締めくくりました。

小達学校長 「学生の夢がかなう学校に」/村上常務理事「産学連携とクリエイティビティ」

小達校長は「学生の夢がかなうようにしてほしい」と呼びかけました

 浮舟総長の所信表明に先立ち、各グループ代表が新年のメッセージを述べました。学校を代表して挨拶に立った東京フィルムセンター映画・俳優専門学校、東京アニメ・声優専門学校の小達一雄学校長は、自分の夢を実現しようと専門学校を選択したある学生のエピソードを紹介し、「すべての学生たちの夢がかなうようにしてほしい。教職員の皆さんは、学生の夢をかなえてあげるんだという強い気持ちをもって、全力を尽くしていただきたい。そして本年も『教育』『就職・デビュー』『広報』の3大業務で三重丸がつくよう頑張っていきましょう」と呼びかけました。

 


村上常務理事(中央)と、COMグループの次世代リーダーたち

 また文化芸術系のCOMグループの村上誠悟常務理事は、18歳人口の減少など専門学校を取り巻く情勢の変化に言及し、「学問・研究をする大学と違って、専門学校は好きなことを仕事にするためにあります。職業教育と言う点において、大学とは異なる実績と卒業生の質の高さに誇りと憧れをもっていることを忘れないで下さい」と述べ、今年のキーワードとして、「産学連携」と「クリエイティビティ」をあげました。続いて、組織強化にむけ次代を担うリーダーとして任命したCOMグループの8人の運営部長を紹介しました。

田仲社長「私と私の会社は常に前進しています」と胸を張ろう

「常に前進している会社ですと、胸を張ってください」と話す田仲社長

 企業グループを代表して、挨拶に立った株式会社滋慶の田仲豊徳社長は「企業は全部で19社ありますが、すべてのステークホルダーの方々に喜んでもらえる存在でありたいと考えています」と述べ、①お客さま②働く社員と家族③地域や社会――のそれぞれに喜ばれなければならない、との持論を展開しました。
 そのうえで、「お客さまは変化していくということを知らねばなりません。また社員は心の豊さを求め、楽しくワクワク仕事をしたいと思っています。そして成長していきたいとも願っています。企業にはそういう意味で、魅力的な人・魅力的な社員をつくる役割があります。『あなたは何をしていますか?』と尋ねられたとき、『私も私の会社も常に前進しています』と胸を張って答えてください」と語りました。

スライドショーで重要な出来事や活躍する卒業生ら紹介

 滋慶学園グループの2017年を振り返るスライドショーも上演され、十日町市と株式会社当間高原リゾートホテルおよび滋慶学園グループとの産官学連携協定の締結、骨髄移植キャンペーンミュージカル「明日への扉」などの活動に加え、甲陽音楽学院の卒業生、小川慶太さん(ドラム・パーカッション)が参加するジャズバンドのアルバムの第59回グラミー賞の受賞、各業界で活躍する卒業生などのスライド紹介もありました。

105歳 日野原重明さんの生きかた・思い出を語るトークショー

生前の日野原重明さんを語る日野原眞紀さん(右)と、輪嶋東太郎さん

 日野原重明先生の生きかた・思い出を語るトークショーでは、日野原先生の次男の妻で義父の活動を支えてきた日野原眞紀さんと、日野原先生の最期の本ともいえる「生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉」(幻冬舎)の企画構成・インタビューに関わったヴォイス・ファクトリイ代表取締役で、音楽プロデューサーの輪嶋東太郎さんが登壇し、生前のエピソードを披露しました。
 甲状腺がんで声を失いながら声帯機能回復手術によって歌手活動を再開した韓国人テノール歌手、ペー・チェチョルさんのコンサートのプロデュースを通じて日野原先生と親交があった輪嶋さんは、自分がこれと思ったことには、決して諦めない人だったとエピソードを紹介。本のインタビューで「誰に一番ほめられたいですか」と聞くと、日野原先生は「若い人に『あなたが、こんなに頑張っているから私たちも頑張れる』といわれるときが一番うれしい」と応じたといいます。東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校や大阪スクールオブミュージック専門学校の学生らも出演したベーさんの舞台で、日野原先生が若い人たちと一緒に組むことができてとても喜んでおられた光景が忘れられない、と語りました。

 眞紀さんは日野原先生のことを「居るだけで、存在するだけで、みんなの気持ちが一つになって、全員が楽しくなれる雰囲気を持った人でした」と紹介。100歳になるまで、執筆などで10日に1回は徹夜をするほど精力的に仕事をしていたことを明かしました。インフルエンザで40℃の高熱を出しながら、会長を務める日本医療秘書学会の講演に行くと言い張った時のエピソードも紹介。「死んでしまうのではとさすがに思いとどまってもらいましたが、学会に行けないかわりに50分の講演を録音して事務局に送りました。そのとたん、バタンと倒れて…」とその猛烈な仕事ぶりや、「行動と実践」を大切にする生き方などを披露。人のため、社会のために一生懸命になっていた人柄が伺えました。会場では同学会の理事長だった浮舟総長や学会に参加した教職員らが頷いていたほか、全参加者がお二人の話に身を乗り出すようにして聴き入っていました。

 このあと、地域貢献大賞や総長賞の発表が行なわれました

各賞発表表彰 地域貢献大賞に神戸医療福祉専門学校三田校

 昨年1年間の地域貢献活動は45題に上り、地域貢献大賞に神戸医療福祉専門学校三田校が選ばれました。同校作業療法士科が三田市社会福祉協議会と連携し、デイサービスセンターにおける機能回復訓練事業、認知症予防講座などの活動を行い、授業としてカリキュラムに組み込んだ形で取り組んできたことが評価されました。地域貢献は45題あり、近く滋慶学園グループのホームページで公開されます。
 また優れた取り組みに贈られる今年の総長賞は、東京コミュニケーションアート専門学校 教職員一同をはじめ、東京スポーツ・レクリエーション専門学校 スポーツトレーナー科、VISTA ARTS システム・ネットワークチーム、札幌ベルエポック美容専門学校一同、大阪医療福祉専門学校 千葉一雄教務部長の5団体が選ばれ、盾と副賞が浮舟総長から贈られました。
 創意工夫によって優れた広報を展開した学校・グループに贈られる広報力大賞は、1位の東京ベルエポック製菓調理専門学校(天方結衣子さん)をはじめ、2位の大阪コミュニケーションアート専門学校(小野真人さん)、3位の大阪キャリナリー製菓調理専門学校(高橋麻由子さん)に決定し、それぞれ表彰状と副賞が贈られました。このほか、JESC締め切りコンテスト表彰なども行われました。