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「第8回クープ・ジケイ ドゥ ラ パティスリー」が行われました 大阪キャリナリー5回目の優勝!

 製菓の知識や技術を磨くとともにマネジメント力を身につけ、日本を代表するスペシャリストを目指す学生のお菓子のコンテスト「第8回クープ・ジケイ ドゥ ラ パティスリー」が11月11日(土)、神戸市の神戸製菓専門学校で行われました。今回の課題は「四季」をテーマに、ピエスモンテ(工芸菓子)とアントルメ(洋菓子)を組み合わせた作品づくりです。あめ細工を施したピエスモンテが途中で一部壊れるチームなど、ハラハラドキドキの連続。“真剣勝負”のすえ、大阪キャリナリー製菓調理専門学校が2年ぶり5回目の優勝を果たしました。準優勝は仙台コミュニケーションアート専門学校です。

 滋慶学園グループ食文化教育部会9校の製菓分野に在籍する2年生による大会で、東京ベルエポック製菓調理専門学校、大阪キャリナリー製菓調理専門学校、名古屋コミュニケーションアート専門学校、神戸製菓専門学校、札幌ベルエポック製菓調理専門学校、福岡キャリナリー製菓調理専門学校、赤堀製菓専門学校、埼玉ベルエポック製菓調理専門学校、仙台コミュニケーションアート専門学校が参加。各校の代表2人ずつ計18人が出場しました。そのうち2人は海外留学生で、グループの国際化を印象付けていました。

  • 優勝作品「夏 あの夏の日」

  • 準優勝の作品「夏 Soleil」

 競技時間は前日の2時間と、11日本番の作品製作で3時間の計5時間です。開会式のあと午前9時半からお菓子づくりがスタート。あめなどでお菓子の造形作品のピエスモンテをつくりながら、チョコレートやハチミツのムース、フルーツなどを巧みにあしらいながらアントルメをつくっていきます。1人がピエスモンテ中心、もう1人がアントルメ中心の作業ですが、協力し合うシーンが多く、抜群のコンビネーションです。

審査員特別賞の「春 春色の虹」

 9校の校長先生や教務スタッフ、事務局スタッフ、保護者らが見守る中、各チームともかなり形が出来上がってきました。と、その時「ああーっ」という叫び声が…。なんと、ピエスモンテが壊れたのです。周囲の動揺に比べ学生は意外に冷静に対応していました。制限時間内で可能な限りの修復をほどこし、イメージするお菓子をつくっていきました。

お菓子の製作に取り組む学生たち。みんな真剣な表情です

 作品が出揃うと各チームのプレゼンテーション、そして表彰式です。優勝した大阪キャリナリー製菓調理専門学校の西川萌香(もか)さんと竹内杏実(あみ)さんが選んだテーマは「夏」。作品名は「あの夏の日」です。初夏のさわやかな味わいをアントルメで、誰もが懐かしさを覚える夏の風景をピエスモンテで表現したそうです。実は、ひまわりの形が出来上がりつつあるとき、花びらなどが壊れて飛び散るアクシデントがあったのです。完成したのはタイムアウト寸前の午後12時半でした

 それを乗り越えての優勝だけに喜びもひとしお。西川さんは「優勝の実感はありません。壊れたとき頭は真っ白。まずはお掃除しよう!と2人で話し合いました。竹内さんがいろいろアドバイスしてくれ、落ち着きました」。竹内さんは「クープ・ジケイを目指して頑張ってきましたが、最初はつくりたいと思うものができなくて辛いことも。もう(出場を)やめたい、と思ったこともありました。それだけに嬉しい」と話していました。

参加した学生たち全員に励ましの言葉を贈る浮舟邦彦総長

 浮舟邦彦総長は「各学校で選抜された学生の皆さんは、基本の技術を何度も繰り返して自分のものにし、創造力・実践力を身につけてきたことと思います。5時間のコンテストはアスリートと同じ。アクシデントが起きたところもありました。どう対処していくか、そのときの神経、人間力もためされているのです。人生も同じで、思い描いた通りにいかないときどうするかが大事。それを学ぶいい機会だと思いました。今回の経験を糧にして、人生を歩んでいってください」と学生たちを励ましました。

真剣勝負のあとは参加者全員でなごやかに交流会です

 コンテストの結果は以下の通りです。
【結果】
▽優勝:大阪キャリナリー製菓調理専門学校「夏 あの夏の日」(西川萌香さん、竹内杏実さん)
▽準優勝:仙台コミュニケーションアート専門学校「夏 Soleil」(黄苹苹さん、佐竹麻美さん)
▽アントルメ賞:大阪キャリナリー製菓調理専門学校
▽ピエスモンテ賞:仙台コミュニケーションアート専門学校
▽審査員特別賞:東京ベルエポック製菓調理専門学校「春 春色の虹」(後藤信子さん、牧野翔太さん)