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1人のドナーによって救える命がある!ミュージカル「明日への扉」大阪公演 骨髄移植への理解を訴え 24年間で155公演
「愛とは与えるもの。奪い取るものではなく、通い合わせるもの」。そんなメッセージが心に残ります。滋慶学園グループの学生たちによる骨髄移植推進を訴えるミュージカル「明日への扉」。9月29日(金)と30日(土)、大阪市中央区のNHK大阪ホールで行われた大阪公演で、1994年の初演から155回を数えました。「白血病の人の力になりたい」と24年間受け継がれてきた、生きることの素晴らしさを伝える物語。トップスターへの道を走り続けるか、骨髄を提供するか…。激しく揺れる主人公の葛藤の場面、友情を確かめ合うラストシーンに、超満員の観客はくぎづけになり、目を潤ませていました。
大阪スクールオブミュージック専門学校、大阪ダンス&アクターズ専門学校、大阪スクールオブミュージック高等専修学校など滋慶学園COMグループの主催。出演者と制作スタッフ、舞台進行、音響、照明、映像・マッピング、ヘアメイク、ビッグバンド、ゴスペルアンサンブルも含め総勢589人の学生の手からなるオリジナルミュージカルです。出演者には今年入学したばかりの1年生も大勢含まれており、夏休みにも厳しい練習を積み重ね、本番に臨みました。
スポーツ・医療・福祉・トータルビューティーを学ぶ京都医健専門学校の学生たちは、出演者らのトレーナーチームのスタッフとして参加。ビッグバンドには、動物飼育や動物看護師の勉強をしている大阪ECO動物海洋専門学校の学生たちが、トランペットのパートで加わっていました。滋慶学園グループの社会貢献活動、産学連携教育の一環として総力をあげて作り上げています。
公演にはエンターテインメント関連企業のトップ、協賛企業の関係者も大勢訪れ、学生たちのダンスや演技に注目をしていました。高校生の招待客は大阪の3公演で計約700人にのぼっています。
ストーリーを紹介すると―。ミュージカルスターをめざす主人公ゆかりは、ライバルの遥(はるか)らとともに最終審査にむけて練習を積む日々だったが、ある日、遥が倒れて病院に運ばれます。病名は慢性骨髄性白血病。主役の座をめぐって争ってきたゆかりの心も揺れ動きます。ゆかりは骨髄を提供することに同意しますが、なんと、最終審査の日と重なってしまうのです…。舞台を通じて、1人のドナーによって、救える命があるということを訴えました。フィナーレでは何度もカーテンコールが繰り返され、会場はスタンディングオベーションと拍手喝采に包まれました。
初演のころの骨髄バンクのドナー登録者数は約3000人。年々増えて2017年8月末現在で、47万6746人となっています。これに対し骨髄移植を必要とする患者数は3694人。移植には白血球の型であるHLA型が適合することが要件ですが、血縁者で4分の1、非血縁者で数百から数万分の1の確率と大変低いだけに、一人でも多くのドナー登録者が必要だといわれます。ミュージカルの中では、学生が扮する医師が登場し、こうした登録の現状や骨髄移植について説明する場面もありました。
また、白血病に苦しむ遥が、友人たちに32年前に同じ白血病で倒れた女優、夏目雅子さんのことを語り「生前、抗がん剤の副作用で髪の毛がなくなるのを気にしていたそうなの。それが社会復帰の障害になる人が多いらしいの」と、無償でカツラの貸し出しを続けている「財団法人夏目雅子ひまわり基金」を紹介するシーンもありました。そして「病気で苦しんでいるのは私だけじゃないんだと、わかったの!」と、ストーリーは展開していきます。
30日の公演には、夏目雅子さんの兄で「財団法人夏目雅子ひまわり基金」の理事長、小達一雄氏も大阪に駆けつけ、学生たちと一緒にステージに立ち、白血病への理解と骨髄バンクへの登録、募金の呼びかけをしました。ロビーでは、Q&Aなどで骨髄移植について解説するパネルが展示され、出演者やスタッフらは涙で頬を濡らしながら「募金にご協力をお願いします」と叫んでいました。集まった募金は、来春の卒業式で、「公益財団法人日本骨髄バンク」と「財団法人夏目雅子ひまわり基金」に寄贈されます。
骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」
《主催》 滋慶学園COMグループ
《推薦》 厚生労働省
《後援》 財団法人夏目雅子ひまわり基金
公益財団法人日本骨髄バンク
大阪府教育委員会
大阪市教育委員会
《特別協賛》
青山商事株式会社「洋服の青山」
大塚製薬株式会社
公益財団法人オリックス宮内財団
株式会社学生情報センター
KCJ GROUP 株式会社
コカ・コーラウエスト株式会社
サントリーホールディングス株式会社
株式会社まさご電機
リゾートトラスト株式会社