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滋慶リハ塾、初めて近畿を離れて東北の被災地で研修会を開催

「震災復興の足掛かりとして~地域を変えるリハ医療・福祉の専門性~」をテーマに仙台市で開かれた第12回滋慶リハビリテーション学術研修会。澤村塾長 が開会のあいさつ。

 平成20年5月に発足以来活発な研修活動を続けている滋慶リハビリテーション塾主催の第12回滋慶リハビリテーション学術研修会「震災復興の足掛かりとして~地域を変えるリハ医療・福祉の専門性~」が5月12日(日)午後、仙台市のホテルレオパレス仙台で開かれました。

 この学術研修会は、リハビリテーションチームの一員として活躍する理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護師、義肢装具士、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士らの研修の場として、兵庫県立総合リハビリテーションセンター名誉院長で神戸医療福祉専門学校三田校学校長の澤村誠志医学博士が滋慶学園グループ校の卒業生や教員はもとより、広く関係者に呼びかけて発足。これまで毎年2回、兵庫、大阪、京都など近畿各地で開催されてきましたが、今回、被災地でのリハビリテーションについて考えようと初めて近畿を離れて東北・仙台で開催されました。

  • 震災復興に向けて講演でリハビリ施設の重要性を力説する竹下真大氏

    震災復興に向けて講演でリハビリ施設の重要性を力説する竹下真大氏

  • パワーポイントを使って解説

    パワーポイントを使って解説

 澤村塾長の「震災復興に取り組む東北の地でリハビリテーションに従事する医療者の専門性をさらに高めようと、この研修会を開催することが出来たことは被災地の医療にとって意義深いことと考えます」という挨拶のあと、福岡県田川市でリハビリ訪問看護ステーション「すばる」、デイサービスセンター「すばる」などリハビリに専門特化した3施設を経営する理学療法士、竹下真大氏が「リハビリテーションの起業、地域と心を動かす経営戦略」のタイトルで講演。自ら病院を飛び出して地域社会に直接貢献できるリハビリ施設を運営してきた経験談と経営ノウハウを語り、「皆さんもこの被災地で何ができるかを考えて欲しい」と積極的に起業することを呼びかけました。

 また、最近、リハビリテーションの新しい形態として注目を浴びている認知神経リハビリテーションの専門家である千葉県市川市の「おおさか循環器内科・生活習慣病クリニック」の理学療法士、鶴埜益巳氏が「認知神経リハビリテーション、手の回復の可能性」のテーマで実際の症例の知見を交えながら詳しく解説しました。

  • 注目が高まっている認知神経リハビリテーションについて講演する理学療法士、鶴埜益巳氏

    注目が高まっている認知神経リハビリテーションについて講演する理学療法士、鶴埜益巳氏

  • 運営スタッフを紹介する滋慶リハ塾の千葉次長

    運営スタッフを紹介する滋慶リハ塾の千葉次長

  • 開催地を代表して閉会の挨拶を行う仙台医健専門学校の田﨑学校長

    開催地を代表して閉会の挨拶を行う仙台医健専門学校の田﨑学校長

 研修会には宮城県をはじめ東北各県で働く卒業生や一般の理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)らと仙台医健専門学校の在校生合わせて約150名が参加。興奮冷めやらぬ中、東北大学名誉教授で仙台医健専門学校学校長、田﨑京二医学博士の挨拶で閉会しましたが、終了後、参加者たちは「宮城県内でリハビリテーションを行なっていく上で、とても参考になった」「熱い思いの講演を聞いて、地域リハに興味を持った」「認知神経リハの話は現在の患者さんに使えるのではと興味深かった」といった感想をもらしていました。

次回研修会は「地域リハビリテーションの可能性~中堅セラピストの求められること、できること~」と題して11月に京都で開催される予定です。