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滋慶医療科学大学院大学 グループ最初の入学式 「医療の質と安全」のリーダー目指して研究スタート
国内で唯一、大学院として「医療の質と安全」を探究する滋慶医療科学大学院大学の「平成29年度 入学式」が好天に恵まれた4月2日(日)、大阪・新大阪駅前の同大学院校舎にある9階大教室で行なわれました。
滋慶医療科学大学院大学は2011年に設立され、「医療の質と安全」というこれからの医療にとって最も重要な課題を研究テーマにし、社会人が学べる最先端の高等研究・教育機関として、この日第7期生を迎えました。
午前10時から行なわれた入学式には、看護師9名をはじめ、病院勤務の薬剤師や臨床工学技士、診療情報管理士などいずれも仕事や家庭を持ちながら向学心に燃える18名が出席、錚々たる教授陣や来賓の方々に見守られながら、医療安全の視点からそれぞれの専門領域の課題研究に取り組もうと、決意を新たにしていました。
武田学長 「新設の『地域包括ケア管理学』での挑戦に期待する」
学長訓辞で、武田裕学長は、病院での医療安全確保に加えて、地域包括ケアの導入など、医療安全にとって未知の研究分野があるとした上で、「ぜひチャレンジ精神で新しい分野にも挑戦して欲しい」と要請しました。
また同学長は、昨年、日本高等教育機構による外部評価を受けて同大学院が研究教育機関としてすべて「適合」の評価を受けたと報告。「新たな大学院大学構築に向けて、その第一歩として、この4月から『地域包括ケア管理学』を設けるなど、進化する大学院としてチャレンジします。社会人、家庭人として学業を成し遂げるのは並大抵ではありませんが、ぜひ皆さんも教職員と共に頑張っていただきたい」と、日本の医療安全を切り拓く新入生の皆さんに期待を寄せました。
浮舟総長 「学びの中で“職種間連携”を身につけて」
同大学院の理事長でもある浮舟邦彦総長は、「これからの医療は、医療と福祉の垣根を越えた連携や医療機関同士の垣根を越えた連携が求められます。また職種間の連携も重要になります。そして医療の安全、つまりリスクマネジメントは経営の問題、経営の課題となっています。ここには看護師や薬剤師、臨床工学技士、言語聴覚士、診療情報管理士、鍼灸師、柔道整復師、介護福祉士といった社会人経験をもった様々な職種の方が医療安全というテーマの下に学び続けようと、集まっておられます。職種間連携はこの学びの中から生まれると思いますので、ぜひこの機会を生かし、それぞれの研究を深めてください」とエールを贈りました。
国内の病院やアメリカ、中国の提携大学のご来賓からもご祝辞
来賓を代表して、今春名称を変更した「大阪国際がんセンター」など5つの病院を運営する地方独立行政法人「大阪府立病院機構」理事長、遠山正彌様から祝辞を頂きました。遠山様からは、「この10年、医療安全の重要性が叫ばれる時代となりました。うちの病院には安全危機管理を行なうための常勤の医師とスタッフの配置が義務付けられています。ここは医療安全を司る日本での唯一の大学だと思いますので、そこに入学された誇りを持って頑張ってください」と、研究者の先輩としてのユーモア溢れる貴重なアドバイスとともに、祝辞を頂きました。
次いで、海外提携校の米ロマリンダ大学の心肺科学学部学部長のアラン・アリブーン様から、「皆さんの仕事はしっかりとした医療安全のための環境を提供することです。常に新しい学び、挑戦、役割に対してオープンでいてください」と、祝福の言葉を頂きました。また、急遽、来日出来なくなった20年来の交流のある広東医科大学副学長の劉新光様の祝辞を、同大学情報工学学院書記の鄭江敏様に代読して頂きました。
大阪府看護協会会長の高橋弘枝様や京都府理学療法士会会長、並河茂様をはじめ、一部ご来賓の紹介のあと、日本医師会会長、横倉義武様や日本看護協会会長、坂本すが様ら各方面からの新入生を祝福する祝電の一部が読み上げられました。
入学生を代表して曽和さんが決意表明
最後に、入学生を代表して、伊丹市内の病院に薬剤師として勤務する医療管理学研究科医療安全管理学専攻修士課程の曽和鮎美さんが「これからの2年間、専門性豊かな先生方のご指導を受け、それぞれの課題を追求すると共に、多職種の経験豊かな学友と刺激しあって、新たな体験を積み重ね、リーダーとして実践者として成長していけるよう日々、努力します。入学後は健康に留意し、仕事と学業、子育てなど家庭生活を並立させながら、課題に向き合い研究に真摯に取り組みます」と、薬剤師として初の医療安全管理学修士をめざして、一言一言に力を込めて宣誓しました。
3期生の先輩が働きながら学ぶノウハウを伝授
式が終了したあと、同大学院3期生として学んだ、京都市内の急性期病院で看護師長として働く山田利恵さんが、いかに働きながら大学院で学ぶかについてのノウハウを講演。家庭では二人の子供を育てながら勤務が終わった午後5時に病院を飛び出し、京都の自宅への帰宅は11時を回るというハードな大学院生活を振り返りながら、「自分の生活環境にあった学び方を選択し、しっかりと学びの計画を立てることが大事」、と後輩たちに伝えました。山田さんが、公益法人の研究助成金を受けながら行なった自らの研究への取り組みを紹介しながら、テーマの絞り方やカリキュラムの取り方、文献整理や論文作成時期など、細やかなアドバイスを行うと、新入生たちは、真剣な表情で聞き入っていました。