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“国際教育”の向上めざして「第12回滋慶学園グループ国際部ミーティング」開かれる

滋賀県大津市にある滋慶学園グループ研修所で開かれた「第12回滋慶学園グループ国際部ミーティング」。活発な意見交換が行なわれました

 グループの国際関係部門が一堂に会し、様々な情報を共有することによって、安心安全でより質の高い海外研修を含む国際教育に取り組もうと、「第12回滋慶学園グループ国際部ミーティング」が7月29日(金)~7月30日(土)、滋賀県にある滋慶学園グループ研修所・湖邸滋びわこクラブで開催されました。

「実学教育」、「人間教育」とともに滋慶学園が建学の理念として掲げる「国際教育」について協議し、グローバルに活躍する職業人の育成について中国、韓国、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの各海外センターの所長をはじめ、学校グループやサポート企業の代表、外部の旅行会社役員ら69名が参加、活発に意見を交換しました。

 会議では、今年4月にジャズなど現代音楽の最高峰といわれる米バークリー音楽大学と滋慶学園グループがパートナーシップ契約を締結したことを受けて、滋慶学園グループの音楽系各校を代表して甲陽音楽学院(神戸市)から、同音楽学院で2年間学んだ後、バークリーの3年次に編入できる「2+2」プログラムの紹介が行なわれるなど、各セクションから海外関連事業などについての報告が行なわれました。また、昨年の会議でのテロなど発生時の対応策についての検討を受けて、海外研修訪問地での感染症やテロ等不測の危機発生時の対応指針案を作成し、採択しました。
海外での危機発生時における学生及び教職員の渡航等に関する指針

浮舟総長が基調講演-「第6期5カ年計画」、策定へ「アジアの職業人教育」など3つのキーワード

002ホワイトボードを使いながら基調講演を行なう浮舟総長

 会議は、国際センターの渡辺英緒エグゼクティブディレクターの司会で進められ、冒頭、浮舟邦彦総長は「第6期5ヶ年計画 皆さんに考えていただきたいこと」と題して基調講演し、来年度から始まる第6期の中期経営計画の策定に際し、国際業務についての基本的な考えを示しました。

 浮舟総長は、新5ヶ年計画を考えるにあたって、社会など「環境の変化を観る」事の重要性を説くとともに、世界はイギリスのEU離脱や米大統領選の行方に見られるように、グローバルからナショナル視点への変化が見られると述べました。また浮舟総長は、我々が取り組む職業教育は、アジアの国々が求めている人材教育であり、これから益々、アジアの職業人教育が注目されるだろうと述べました。

 その上で、浮舟総長は、「アジアの職業人教育」と「産官学連携」、教職員のさらなる能力アップを図る「FD(ファカルティ・ディベロップメント)」の3つがこれからの職業教育におけるキーワードであり、第6期は滋慶学園グループの強味をより充実し、イノベーションを起こしていくことが求められる、と結びました。

甲陽からバークリー音大へ 「2+2」編入プログラムなど海外との提携を紹介

003バークリーとの「2+2」編入プログラムの説明を行なう甲陽音楽学院の清水局長(右端)と、バークリーで学んだ細川副校長、岡居海外部担当

 各校からの報告では、バークリー音楽大学との「2+2」編入プログラムは、まず日本で2年間学ぶことによって、学費面で大きなメリットがあるほか、バークリー音楽大学への編入の際に、音楽的な才能によっては、バークリー音楽大学の留学奨学金がその才能に応じて給付されることや、甲陽音楽学院の奨学金やフルスカラシップの滋慶奨学金の給付が受けられるなど説明がありました。

 海外の高等教育機関等との新規提携では、世界でTOP5に入るスポーツ整形外科病院として知られるスイス・チューリッヒのシュルテスクリニックやFIFA(国際サッカー連盟)との提携やフィンランド・ヘルシンキ大学と歯科衛生士部門の連携、ハワイ大学との看護系の連携、オーストラリア・クイーンズランド大学でのホテルインターン、タイ・マヒドン大学での義肢装具士の臨床実習、中国・上海中医薬大学での解剖実習などが、次々と紹介されました。

 また中国・上海市の上海中医薬大学の創立60周年記念として大阪滋慶学園の共催で「第2回アジア臨床工学フォーラム」を9月18日~19日に上海市で開催することも報告されました。インバウンドについてもフランスの美容学校の受け入れなど多くのケースが紹介されました。

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    学校グループからは様々な海外高等教育機関

  • 011との新規提携などが報告されました

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テロのグローバル化への対応も話し合う

 また、海外研修にあたっての危機局面での対応について、浮舟総長は、フランスの非常事態宣言の半年間延長を受けて、今年度のフランス地区への海外研修はすべて中止した決断について触れ、保護者の立場に立つことの重要性と、責任をもって受け入れてくれる大学や機関を選定し「安全と思える研修を緊張感をもって作っていく」ことを要請しました。あわせて、同行するスタッフや国内に残るスタッフの危機対応研修を怠らないように求めると共に、特別参加の旅行会社にも危機に対応できる添乗員の同行を要請しました。

 これに対して、旅行会社からは、「海外におけるテロ行為に備えて~海外旅行保健の重要性」について説明があり、海外研修を取りやめた場合、受け入れ先などからのキャンセル料の請求に対して「旅行変更費用担保特約」付き保険への加入の勧めなどがありました。

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    発表する滋慶オーストラリアセンターのチュー・マシューマネージャー(右)と滋慶アメリカセンターロサンゼルスの福間クリス代表

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    滋慶アメリカセンターUWFのダグラス・トレルファディレクター

滋慶英語スピーチコンテスト準優勝の理学療法士、松下さんがアメリカ5週間留学の報告

006留学の報告を行なう松下さん

 滋慶学園グループの日本語学校「東洋言語学院」からは、卒業後の進路として、東京大学大学院や東京芸大など大学・大学院へ28.3%進学するが、専門学校へは滋慶学園グループ校をはじめとして43.4%が進学するとの興味深い報告もありました。

 また滋慶学園グループの英語スピーチコンテストで準優勝しウエストフロリダ大学へ5週間の語学研修プログラムに参加した大阪医療福祉専門学校理学療法士学科の松下愛さんが、「アメリカの学生の積極さに驚き、学ぶことが多かった」と日米の教育の違いや留学を通して成長できたことなどをプレゼンテーション。見事な英語で感想と謝辞を述べる一幕もありました。

 最後に、インバウンドについて浮舟総長は、日本語教育の重要性とともに、日本にきた目的について留学生に意識してもらい、めざす仕事でもって日本で働けるようにすることが大事だと述べました。その上で母国に戻り、その国のために貢献してもらうことがアジア、世界の職業人教育につながっていくと述べました。

 

バークリー音大で学んだ甲陽音楽学院の卒業生ら ジャズセッションを披露

 国際会議とあって、この日、会議が終了後には、甲陽音楽学院からバークリー音楽大学に留学したサックスの相澤伸介さんと女性ドラムの岡野未来さん、甲陽を卒業したバスの北出裕一さんの編成による若手トリオが息の合ったジャズセッションを披露、「Over the rainbow」や「Girl from Ipanema」、「Marcy Marcy Marcy」などを演奏し、大きな拍手を浴びました。

 また、会議の休憩時間には、茶席が設けられ、神戸製菓専門学校特性の和菓子と瀬川先生一門による抹茶のお点前を体験しました。

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    甲陽音楽学院~バークリー音大で学んだジャズを披露するサックスの相澤さん、バスの北出さん、ドラムの岡野さん(左から)

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    国際ミーティング会場の一角に設けられたお茶席。海外センターからの参加者らに振舞われました