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大阪医療福祉専門学校メディカルトレーナー部 「Wings for Life World Run 2016 Japan」に参加しました
5月8日(日)に滋賀県高島市で開催された世界6大陸33ヵ国35ヵ所の会場にて同時にスタートするランニング・イベント「Wings for Life World Run 2016 Japan」に、我がメディカルトレーナー部の部員達が救護スタッフとして参加しました。
「走れない人のために走る!!」
脊髄損傷の治療研究を支援する非営利団体「WINGS FOR LIFE財団」を支援するための国境を越えたランニングイベントで、この想いに基づいて大会は運営されています。そのため、ランナーの参加費は全額が研究費として同財団に寄付されます。メディカルトレーナー部の学生も大阪医療福祉専門学校を卒業すれば、一人の医療従事者として働きます。当然、彼らも「医療の未来に貢献したい!」という想いで大会の運営に携わりました。
大会のルールはゴールテープを目指して走る通常のランニングイベントとはかなり違います。ランナーがスタート(日本大会は5/8、20:00号砲)してから30分後に“キャッチャーカー”と呼ばれる自動車が時速15kmでランナーを追いかけ始めます。このキャッチャーカーは少しずつ速度を上げていき、追い抜かれた時点で終了(ゴール)となります。つまり、ゴールテープが後ろから迫ってくる。そして、ランナー達はどれだけ長く逃げ切れるか?という、世界中で実施されているランニングイベントの中でもかなり変わったルールなのです。
今大会にはメディカルトレーナー部の部員達以外にも、本校事務局広報のスタッフ2名がランナーとして参戦! 1人は入職2年目の広報スタッフの海田さん。過去にはホノルルマラソンを完走(フィニッシュタイム:約6時間)した経歴の持ち主で、今大会は10km以上逃げるのが目標でした。もう1人は本校広報リーダーの諸岡さん。こちらは日本陸連登録会員で、フルマラソンを3時間前後で走るシリアスランナー。2016−2017年シーズンは11月にさいたま国際、12月に防府読売、そして来年2月には別府大分毎日マラソンへの出場を予定。今回はフルマラソンの距離(42.195km)以上を逃げて上位進出を狙うのが目標でした!
また、会場では露店も多く出店していました。あるお店の方に話を伺うと、露店を出しているのは、全員が地元滋賀県高島市出身の方々だそうです。世界規模のイベントということで地元をあげて大会を盛り上げているようです。
メディカルトレーナー部の今回の主な業務は、ランナーの皆さんの怪我の応急処置やコンディショニング等のケア、収容されたランナーの誘導、そして給水所の運営です。
救護テントの設営が終わるや否や、レース前のケアを受けるために、続々とランナーの皆さんがテントに集まってきました。ランニング膝やジャンパー膝など、ランナー特有の症状を訴える方が多く訪れました。そして冒頭で紹介しましたが、今大会は脊髄損傷された方も車いすランナーとして参加、腕の事前ケアのためにテントを訪れて下さいました。
ケアにあたる部員達の表情を見てください!
数々のスポーツ大会に携わってきた彼らの表情は自信で満ち溢れています。メディカルトレーナー部顧問の菊地先生が部員達に細かくアドバイスしているシーンも殆ど見られなくなりました。
ランナー全員が「脊髄損傷の治療法の研究への貢献」という大きな目標に向かって走りました
いよいよ、スタート目前。
ランナーがどんどんとスタート地点に集まります。ここ高島会場(日本大会)では1,760名(全世界で約12万人)のランナーが集結! 世界33ヵ国同時にスタートするため、日本大会は20:00スタートです。ルールは独特、ゴール地点は決められていません。下の写真のキャッチャーカーに追い越されればそこでレースは終了!
そして、レーススタート!!
ランナーは暗闇の中でのランニングとなるため、反射板のついたタスキと蛍光バンド、そしてLEDヘッドランプを着用してのレースです。
しかし、この暗闇が非常に危険なのです。日中のレースとは違い、暗闇の中でのランニングのため転倒による出血、寒さによる低体温症など、これまでのランニングイベントでは見られなかった症状のランナーが次々とテントに運ばれてきました。そして、この暗さの中での応急処置は、メディカルトレーナー部の部員にとってはこれまで経験したことのない状況での活動となりました。
今回の大会では合計69名のランナーに処置を行いました。どのランナーもテントを後にする時には笑顔で「ありがとう」、「勉強、頑張ってや!」と部員に声をかけて下さいました。レース後、暗闇のテントを訪れた一人の男性がいました。レース前にテーピングを受けた方でした。「どうしてもお礼が言いたい」と、わざわざテントを訪れて下さったのです。我がメディカルトレーナー部が本当に誇らしい!と思える瞬間です。その声がメディカルトレーナー部の部員それぞれの自信にも繋がり、さらに彼らを成長させてくれることでしょう。
ところで、レースに参加した本校のスタッフの結果ですが、海田さんは15kmまで逃げ切り、自身の目標をクリア、そして諸岡さんもフルマラソンの距離42.29km地点まで逃げて、日本大会の総合順位58位に食い込む大健闘でした!
今後もメディカルトレーナー部の活動は続きます。今回の活動でさらに成長した部員たちの活躍を今後も報告させていただきます。そしてこれからも地域社会のみならず「世界?!」にも貢献する活動に努めて参ります。
(大阪医療福祉専門学校 広報 菊野 晃史)