産学連携教育プロジェクト
EDUCATION PROJECT
大都会に蘇った酒蔵 東京港醸造×東京バイオのコラボから生まれた「純米吟醸原酒 江戸開城~All Tokyo~」
東京バイオテクノロジー専門学校と東京港醸造(株式会社若松)は、2018年より産学連携による商品開発プロジェクトを組織し、江戸にゆかりのある清酒酵母の酒造適正(醸造のしやすさ)と実用化に関する研究に取り組んできました。
その研究はついに商品化に成功し、2021 年2 月15 日より「純米吟醸原酒 江戸開城 ~All Tokyo~」として発売されました。東京のお米と東京の水、そして東京都内の豊かな自然から採取した酵母を用い、開発研究そして製造までの全工程すべてを東京で完結させた、“オール東京”の日本酒です。
醸造発酵コースの学生研究班が、江戸にゆかりのある場所での酵母の探索を始めてから3年。総数300近い試料の中から日本酒造りに適した酵母を選抜し、小仕込み、試験醸造まで一貫して行いました。最終的に日比谷公園の花壇に訪花したコマルハナバチから分離した酵母を“ぶんぶん酵母”と命名、これを用いて商品化されました。
“ぶんぶん酵母”は、本校で研究開発され、初めて清酒醸造に実用された酵母です。草花や樹皮などから有用な酵母が採取できないかと、都内各地で調査を行っていたところ、2018年5月に日比谷公園の花壇に訪花したハナバチから分離されました。この時期、ハナバチの一種コマルハナバチの働き蜂である雌は花の蜜を集めるために飛びまわります。その一匹のハチが「ここにいい酵母があるよ…」とでも言いたげに、試料を採取していた学生の周りを離れませんでした。このハチが運んできてくれた酵母が“ぶんぶん酵母”です。研究を重ねた結果、素晴らしいお酒に仕上がることが確認されました。
本品は東京港醸造直営店(東京都港区芝4-7-10)等で販売されています。長引く新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に、四合瓶、一升瓶に、おひとり様でもお楽しみいただけるよう“290ml”の小サイズも加えました。オンラインショップでの販売にも力を入れ、新しい生活様式への対応も行っています。若き醸造家達とハナバチの贈り物で醸したお酒をご堪能いただければ幸いです。
今回の新商品開発については、ケーブルテレビ・J:COMの地元を応援する東京つながるニュースでも取り上げられ、「東京バイオテクノロジー専門学校との産学連携で誕生した」と紹介されました。
● 連携企業:株式会社若松(東京港醸造)
● 学科・専攻・コース・学年:バイオテクノロジー科3年制 醸造発酵コース
● 取り組み期間:2018年4月1日(日)~2021年3月31日(水)