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飛翔~2025 新しい時代へ~ 大阪医療福祉専門学校と大阪医療技術専門学校、大阪医療看護専門学校の卒業式が行われ618名が巣立っていきました

 学校法人大阪滋慶学園の大阪医療福祉専門学校と大阪医療技術学園専門学校、大阪医療看護専門学校の卒業証書授与式が3月10日(月)、大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪で行われました。卒業生は3校あわせて618名。大阪医療福祉専門学校の足立勝哉さんら代表3人が、これまで支えてくれた家族や先生、友人たちに感謝の言葉を述べました。卒業生たちは大勢の保護者や来賓、先生たちが見守る中、社会に向けて新たな一歩を踏み出しました。

 卒業式を迎えたのは、午前は大阪医療福祉専門学校の医療総合学科、理学療法士学科、作業療法士学科、言語聴覚士学科、視能訓練士学科の278名。午後は大阪医療技術学園専門学校 臨床検査技師科、言語聴覚士学科、薬業科、医療心理科、鍼灸美容学科、医療秘書・情報学科、専攻科医療秘書専攻と、大阪医療看護専門学校看護学科の計340名。いずれも医療や福祉のプロフェッショナルとしての活躍が期待されています。

「生涯学び続けることが重要 第二の専門職を若いうちに」 橋本学校長が告辞

 国家斉唱に続き、学校長を代表して橋本勝信学校長が告辞を述べました。橋本学校長は「2024年度は新型コロナウイルス禍も一段落し、授業は対面が中心となって学内に活気が戻りました」と語り、卒業生たちが対面とオンラインの併用で苦労しながらも実学教育・人間教育・国際教育の学園の理念に基づいて学び、この日を迎えたことを「努力のたまもの」と称賛。さらに、これから就く医療、福祉介護、ヘルステックの分野では科学技術の発展が加速し、業態も変化していることを指摘した上で、そのような中でも変わらないものとして「EQ(心の知能指数)を高めることの大切さ」を説きました。「患者、高齢者に気配りをし、共に寄り添い、多くの人々から感謝の言葉をもらい、そこから得られるものを自分のエネルギーに変換し前進してほしい」と期待を寄せました。

 また、スペシャリストとして大切なこととして「生涯、学び続ける」ことの重要性を説き、人生100年時代を迎え、DX化のさらなる進行を踏まえた上で、これまで身につけたこと以外に「第二の専門職」を若いうちに学ぶことが必要になってくると強調。最後にお祝いの言葉として、3つの言葉を卒業生に贈りました。1つは、「好奇心があればいつだって新たな道に導かれる」というウォルト・ディズニーの名言。次に、長野県の中小企業経営者が述べた「人として生きるために『モラル』(道徳意識)と『モラール』(やる気)が大事だ」という言葉。そして「継続することの偉大さ」の言葉。「新しい種をまいて、花を咲かせていただきたいと思います。学校は一生懸命皆さんを応援していきます」と激励しました。

 卒業証書と専門士称号の授与は、大阪医療福祉専門学校は理学療法士学科(夜間部)の足立勝哉さんが、大阪医療技術学園専門学校は医療秘書・情報学科の加藤舞楽さんが、大阪医療看護専門学校は看護学科の佐川心さんが総代としてステージに立ち、それぞれの学校長から証書を受け取りました。

「コミュニケーションの原点は『笑顔で挨拶』 新しい職場にも持っていって」 浮舟邦彦総長

 大阪滋慶学園の理事長をつとめる、滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は、祝辞の中で「皆さんはプロとして仕事をするためのスキル、社会人としての知識、身構え、気構え、心構えを養ってこられ、プロとして仕事をしていく基礎はできました。しかし、卒業はゴールではなく、むしろスタート。これから皆さんはキャリアを作っていかなければなりません」と述べ、「プロは仕事を通して成長していく」というプロとしての成長の原則に言及しました。「仕事、そして明日から働く職場を大切にしてください。職場はみなさんの新しい教室であり道場です」。難しい仕事もあれば、楽しい仕事、やさしい仕事、おもしろくない仕事…とさまざまな仕事がありますが、それらを通しての経験がキャリアをつくっていくとして、繰り返し「仕事を大切にしてください」と強調しました。

 さらに、多くのことに関心を持ち、向上心を持ち、学び続けるという「学びの習慣」を持ち続けるよう求めたほか、教えを受けた先生方との人間関係、新しい職場での人間関係を大切にしてください、とも。人間関係の原点はコミュニケーションにあり、そのコミュニケーションの原点は「笑顔での挨拶」であるとして、各学校のいたるところに掲げられている「今日も笑顔であいさつを」の標語をあげ、「どうか、皆さんの新しい職場にもっていっていただきたいと思います」。最後に、学校は卒業生にとってのふるさとであり、キャリアセンター、国家試験対策センターは「いつまでも皆さんのセンターであり続けます」として、「滋慶学園グループは北海道から九州まで専門学校がありますので、そのネットワークも活用してください」とアドバイス。「私たちは誇りを持って皆さんをそれぞれの業界、社会に送り出します。そして皆さんの成長を見守ります。明日からの新しいステージ。どうか強い気持ちで一歩を踏み出してください」と卒業生へのエールで祝辞を締めくくりました。

学園生活の向上に尽力した学生や、すぐれた卒業研究などを表彰

 各賞の表彰では、学園生活を通じて知識・技能の習得に努力した学生を称える大阪府知事賞が、大阪医療福祉専門学校言語聴覚士学科の渡邊咲柚実さん、大阪医療技術学園専門学校医療秘書・情報学科の加藤舞楽さん、同医療心理科の中井竜太さん、大阪医療看護専門学校看護学科の長田真歩さんに贈られました。学校行事などで積極的に活動し学園生活の向上に尽くした学生を表彰する理事長賞は、大阪医療福祉 医療総合学科の北口真那さん、大阪医療技術学園 言語聴覚士学科の西野暖花さん、大阪医療看護 看護学科の堂本直輝さんに贈呈。また、成績と出席率がよく他の学生の模範となった学生を称える校長賞が大阪医療福祉 視能訓練士学科の清水郁美さんらに贈られたほか、さまざまな業界団体から多くの学生が表彰されました。すべての授業に出席した皆勤賞は大阪医療福祉31名、大阪医療技術学園47名、大阪医療看護13名に、また精勤賞は大阪医療福祉60名、大阪医療技術学園46名、大阪医療看護18名に贈られました。

 滋慶教育学研究所(JESC)の奨励賞は、発想がユニークで創造性に富む卒業研究に対して贈られる賞で、大阪医療福祉 視能訓練士学科の宮前美凪さんらのグループの研究「シミュレーション複視による階段昇降への影響」と、大阪医療技術学園 鍼灸美容学科の植木奏音さんらのグループの「鍼通電によるバスとアップ効果」、大阪医療看護 看護学科の藤村悠日さんらのグループの「看護学生のMBTIによる性格タイプと実習中のストレス要因との関連」に、それぞれ贈られました。

 卒業研究で評価され、在学中精励努力した卒業研究グループに贈られる日刊工業社賞は、大阪医療福祉 理学療法士学科(夜間部)の足立勝哉さんらの「地域総合型スポーツクラブにおける医科学サポートの事例紹介―中学校部活動に理学療法士が介入する意義についてー」と、大阪医療技術学園 医療秘書・情報学科の河原迅さんらの「生成AIを用いた医療文書作成への学習効果について」、大阪医療看護 看護学科の松井陽音さんらの「身だしなみによる印象の変化 ―髪色が与える印象に焦点を当てて―」に対して贈られました。

作業療法士の仕事の本質に気づかされた経験 一生の宝物

 式典の終わりには、各校の代表者が謝辞を述べました。大阪医療福祉専門学校作業療法士学科(昼間部)の小原栞さんは高校時代、人の役に立ちたいと思い、作業療法士の国家資格をとるため大阪医療福祉専門学校に入学したといいます。当初はクラスに打ち解けるのに苦労したそうですが、1人のクラスメートが明るく話しかけてくれ、学校生活が一変。「毎日が楽しくなり、ともに過ごす時間がかけがえのないものなりました」。実習では患者とうまく接することができず苦労しましたが、何とかコミュケーションをとって「野菜が好き」という情報を引き出し、一緒に園芸をした際に「俺、幸せ」と言ってもらい、涙が出たそうです。これが作業療法士の仕事の本質だと気づき、「こうした経験をさせていただいたことは私の一生の宝になりました」。小原さんはクラスメートのほか、精神面で支えてくれた父、熱心に指導してくれた先生方、実習先で指導してくれた医療従事者の人たちの「すべての方に感謝申し上げます」と語りました。

 大阪医療技術学園専門学校臨床検査技師科の木村瑞稀さんは「日々増えていく専門知識に戸惑い、覚えることの多さに押しつぶされそうになったこともありました」と卒業までの3年間を振り返り、卒業の日を迎えられたのは、ともに時間を過ごした友人の存在が大きかったとして、「ありがとう」と感謝の言葉をささげました。また、学内や病院での実習では、日を重ねるごとに医療従事者としての責任を感じたといい、「初めて白衣に袖を通した瞬間、患者さんを目の前にした瞬間、その緊張と使命感を忘れず、社会人として努力を重ねていきます」。最後に、3年間支えてくれた先生方や、お世話になった実習先の関係者、どんなときも見守ってくれた家族に「卒業生代表として深く感謝申し上げます」と述べ、「4月から私たちはそれぞれの道を歩み始めます。感謝の心と学び続ける姿勢を忘れず尽力していきます」と誓いました。

 また大阪医療看護専門学校看護学科の鈴木瑠華さんは「今日を迎えられたのは、友人や先生方との出会い、そして家族の絶え間ない支援と愛情のおかげです」と卒業生を代表して家族への感謝の言葉を述べました。自身のお母さんを前に、「実習や国家試験などの勉強で、何度も投げ出したくなって、その思いを母にぶつけることもありました。そんなときでも、私の好きなオムライスを作って私の帰りを待ってくれました」と涙ながらに振り返り、「そんな母が一番近くにいて支えてくれたから3年間を乗り越えられたと思います」と直接、感謝の気持ちを伝えました。そして、「今日私たちは新たなスタートラインに立ちます。これから先も皆さんの期待に応えるよう精一杯努力してまいります」と決意を述べ、花束を贈りました。

 式終了後、卒業生たちはスクリーンに映し出された学園生活の思い出の映像を見ながら、仲間たちと過ごした日々を振り返っていました。諸先生方が壇上に上がってお祝いのメッセージが伝えられると涙ぐむ学生も。先生2人が掛け合いの漫才スタイルでメッセージを伝え、笑いが起きるなど場が和む場面もありました。また、学校では卒後教育のさまざまなプログラムを紹介。2011年に開校した滋慶医療科学大学・大学院には、病院などの医療安全管理者を養成する日本初の医療安全管理学修士課程があることなどの説明がありました。