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いのちの尊さ伝えるミュージカル「明日への扉」 大阪・関西万博で世界に発信へ! ザ・シンフォニーホールの大阪公演は超満員でした!

 「私たちは助け合って生きている。生きているからこそ手を差しのべることができる」。そんなメッセージが印象に残ります。骨髄移植への理解を訴える滋慶学園グループの学生たちのミュージカル「明日への扉」。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした来年の大阪・関西万博での公演が内定しました!

 1994年の初演から今年で31年目を迎えました。ザ・シンフォニーホール(大阪市北区)で、9月12日(木)と13日(金)に行われた大阪公演は、両日とも超満員。知らない誰かの命が救えるかもしれないと、骨髄を提供するのか、ミュージカルスターへの道をまっすぐ走り続けるか…。激しく揺れる主人公の葛藤の場面や友情を確かめ合うシーンに、観客はくぎづけになり、目を潤ませていました

 「明日への扉」は、滋慶学園グループの大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)、大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(DA)、大阪スクールオブミュージック高等専修学校(OSM高等専修)が主催。骨髄バンクの窮状を知った先輩たちの「自分たちにできることはないか」という思いからスタートし、30年間にわたって受け継がれてきた社会貢献ミュージカルで、生きることの素晴らしさを伝えています。

 大阪公演はキャスト、舞台進行、音響、照明、プロジェクションマッピング、ヘアメイク、COMエレクトリックオーケストラバンド、ゴスペルアンサンブルなども含め総勢490人の学生たちがつくりあげました。最初に、挨拶に立った制作総指揮の嘉多静一郎・OSM高等専修学校長は「明日への扉」の歴史や、学生たちが患者・家族の方の話などを聞いて白血病、骨髄移植について学んできたこと、夏休みも返上してこの日まで厳しい練習と準備に励んできたことを紹介しました。

 そして大阪・関西万博の会場のEXPOホール「シャインハット」で、来年6月16日(月)に公演が予定されていることにふれ、「来年は万博で世界に向けてこのミュージカルを発信します。どうか応援していただけたら、と思います。ダンスや歌のシーンでは、たくさん拍手をする場面があります。大きな拍手で盛り上げていただければ幸いです」と締めくくりました。オープニングはOSMゴスペルアンサンブルの「明日への君に」のコーラスです。

骨髄移植でしか治せない病気と闘うライバルに、揺れ動く…

 ミュージカルの主役をめざす主人公ゆかりは、遥や俊江たちとともにオーディションにむけて練習に励む日々。ところがある日、最大のライバル遥が倒れて病院に運ばれます。病名は骨髄移植でしか治すことができない慢性骨髄性白血病。苦しむ遥は「なぜ自分だけが不幸なの」と荒れ、ゆかりの心も揺れ動きます。命の尊さを思い、ドナー登録したゆかりは、移植を必要とする患者のため骨髄の提供にも同意します。しかし、最終オーディションの日が伝えられたとき、突然ゆかりがいなくなり…。

 日本で骨髄移植を必要とする患者数は約1700人で、骨髄バンクのドナー登録者数は55万人以上といわれています(2024年8月末)。ミュージカルの中で、、学生が扮する医師が登場し「移植には白血球の型であるHLA型が適合することが必要ですが、適合する確率は血縁者で4分の1、非血縁者で数百から数万分と大変低く、一人でも多くのドナー登録者が必要なのです」と、ドナー登録の現状や骨髄移植について説明する場面もありました。

助け合って生きているからこそ、手を差し伸べることができる!

 病床の遥が夢の中で不思議な森に迷い込むシーン。「地球はかつて輝くばかりの美しい星でした。生き物たちは自然と大地の恵みをえて、日々を懸命に暮らしていたのです…」というナレーションが流れます。命の重さに気付かず、自然の一部であることも忘れた人間のせいで「大地は痩せ衰え水と大気は汚染され、このままではこの星そのものが滅びるかもしれません」と続きます。

 登場した森の女王は遥に「人間を倒せ」と剣を渡します。しかし遥は人間を助けてほしいと頼み、「教えてあげましょう。自分の命を愛するように、すべての命を愛することを。誰も一人で生きているんじゃない、私たちは助け合って生きている。生きてからこそ、手を差し伸べることができる。愛とは与えるもの…通い合わせるもの…」と語ります。

 遥が、かつて白血病で倒れた女優、夏目雅子さんのことを仲間たちに語る場面がありました。「生前、抗がん剤の副作用で髪の毛がなくなるのを気にしていたそうなの」と、無償でカツラの貸し出しをしている「財団法人夏目雅子ひまわり基金」を紹介し、「自分だけが不幸だと思っていたけど、苦しんでいるのは私だけじゃないんだと、わかったの!」と仲間たちに話していました。

 このミュージカルを通じて、1人のドナーによって、救えるかもしれない命があるということを全員で訴え、フィナーレでは会場はスタンディングオベーションと拍手喝采に包まれました。

「日本骨髄バンク」「夏目雅子ひまわり基金」への募金を呼びかけ

 大阪公演の各舞台が終わった後、学生の代表がこのミュージカルへの思いや骨髄移植に対する理解、募金の呼びかけをしました。12日の第180回公演では、OSM商業音楽科の寺下サクラさんが「骨髄移植で救える命があるということを多くの方に伝えたいという先輩方の想いから、このミュージカルはスタートしました」と改めて説明しました。

 さらに「現在55万人以上の方がドナー登録をしていますが、せっかくドナーが見つかっても断られるケースや、検査や治療に多大な費用がかかるため本人やご家族を苦しめているのが現実です。皆さんの救いの手で助かる命があります。お気持ちで結構です。ご協力よろしくお願いします」と呼びかけました。

 この後、出演者やスタッフらはホールのロビーに出て「募金にご協力をお願いします」と声を張り上げていました。集まった募金は、来年3月の卒業式で、「公益財団法人日本骨髄バンク」と「財団法人夏目雅子ひまわり基金」に寄贈されます。

 大阪公演がすべて終わったホールでは、滋慶学園グループの浮舟邦彦総長が490人の学生たちをねぎらいました。「本当に素晴らしい舞台でした。多くの企業の方々も感動しておられました。ありがとうございます。皆さんは先輩たち作りあげ積み上げてきた実績のうえに、素晴らしい舞台をつくってくれたわけです。それを今度は後輩が引き継いでいくわけです。来年の大阪・関西万博では世界からのお客さまを相手に感動をしてもらいましょう。宜しくお願いします」と語りました。
 
 そして「命の尊さ、仲間の素晴らしさ、仲間がいるから強く生きることができるというミュージカルのメッセージを、皆さん自身が受け止め、そのマインドを観客の皆さまに伝えていただいたと思います。ご覧になった方々は感動され、心に残るものをも持って帰っていただいたと思うんです。皆さんはこの舞台を作りあげたことで自分の1ページをつくった。そのうえで次のページに向かって歩み出していただきたいと思います」と激励されました。

※「明日への扉」大阪公演の記事が産経新聞に掲載されました。
【骨髄移植が患者の命つなぐ 30年伝えてきた学生ミュージカル、大阪・関西万博で公演へ】

 https://www.sankei.com/article/20240916-XOWGPA7T5VLULLFCZ3L7GVLJI4/

「明日への扉」東京公演
 2024年12月13日(金)
 ・第183回 開場 12:30/開演 13:00
 ・第184回 開場 17:30/開演 18:00
 2024年12月14日(土)
 ・第185回 開場 13:30/開演 14:00
 会場:江戸川区総合文化センター 大ホール

 推 薦
 厚生労働省

 後 援
 一般財団法人夏目雅子ひまわり基金 公益財団法人日本骨髄バンク 大阪府教育委員会(大阪公演) 大阪市教育委員会(大阪公演) 株式会社エフエム大阪(大阪公演) 江戸川区(東京公演)

 特別協賛
 ・コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
 ・大塚製薬株式会社
 ・サントリーホールディングス株式会社
 ・株式会社ジェイ・エス・ビー
 ・株式会社学生情報センター
 ・キヤノンITソリューションズ株式会社
 ・株式会社長谷工システムズ
 ・青山商事株式会社「洋服の青山」
 ・株式会社ケン・ホテル&リゾートホールディングス
 ・株式会社ライオン事務器