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「国際部ミーティング」開催から今年で10年 海外含めて各部門から80名参加
2014.08.04
中国の滋慶上海事務所が扱った滋慶学園グループの専門学校や日本語学校への留学生数は、昨年に比べて増加――。
滋慶学園グループの国際教育や国際業務の担当者が一堂に会する本部国際センターによる「平成26年度国際部ミーティング」が7月30日(水)、31日(木)の2日間、滋賀県の琵琶湖クラブで開催され、日中関係が心配される中、こんな結果が報告されました。
滋慶学園では「国際教育」を「実学教育」「人間教育」とともに建学の理念として掲げ、30年余りにわたって英米出身の教師による英語教育などに取り組んでいます。2004年からは、「国際教育」や国際業務に取り組む各部門の担当者や中国、韓国、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアにある滋慶海外センターのメンバーが一堂に会して国際ミーティングを開催しており、10年目を迎えた今年は、総勢約80名が参加、留学生の動向やグローバル人材を育成する「国際教育」への取り組みなどについて報告や情報交換、討議が行なわれました。
浮舟総長「多くの卒業生がグローバル人材として世界で活躍」
まず浮舟総長が「これからの専門学校のあり方と国際教育」のテーマで約40分にわたって基調講演を行いました。総長は「本日も事例報告があると思うが、専門学校での学びを活かして多くの卒業生がグローバル人材として世界各地で活躍してくれています。産業界や国は技術・知識をしっかりと持ってエリア、人種、世代や立場を超えて他者と連携していける人材をグローバル人材として求めているが、彼らはまさにそれに当てはまると思います。この会議も今回で10回目を迎えました。私達はマンネリに陥ることなくイノベーションの嵐を呼び起こし、世界の、とりわけアジアの職業人材育成に貢献していかなければなりません」と呼びかけました。
会議は第1部国際教育プログラムの報告、第2部進化する国際教育プログラムの紹介、第3部海外センターからの報告に分けて行なわれ、グループ全体で海外の提携大学などへの研修旅行に参加した昨年度の学生数は為替や原油価格の高騰による旅費のアップもあって一昨年より20名少ない5794名となりました。
海外センター報告 中国からの留学生、日本語を学ぶ中国人は増加!?
一方、グループ各校で学ぶ留学生数は中国、台湾、香港、韓国、ロシア、ルーマニア、フランス、ドイツ、アメリカ、イギリスなど世界44カ国から1174名に上りました。
最も多かったのは全体の半分を占める中国で、滋慶上海センター経由の入学者についても、一時減少傾向を見せていたものの、今年は7月現在、昨年と比べてすでに126%になったことが同センターの謝代表から報告されました。日本語学校「東洋言語学院」の篠原局長からは3年前の東日本大震災後に大半の留学生が帰国したが、この3年で中国を中心に学生数が震災前を超え、この7月入学生は昨年比118.8%に伸びたとの報告が行われました。
また上海をはじめ、蘇州、南京など9都市で展開する日本語学校「朝日日語」も、上海の学校を中心に今年に入って学生数が好調に伸びていることが報告されました。韓国については、今なお今年も厳しい状況が続いているとの報告が滋慶韓国センターから寄せられました。
歯科技工士にスポーツトレーナー、CGクリエイターら多士済々のグルーバル人材
今回の国際ミーティングでは、これまでになく海外で活躍する大勢の日本人や留学生の卒業生が各校から報告されました。インプラント発祥のスウェーデンに留学しニューヨークで活躍する歯科衛生士(新大阪歯科衛生士専門学校)やドイツやイギリス、スイスなど世界26カ国で活躍する歯科技工士科の卒業生たち(新大阪歯科技工士専門学校、新東京歯科技工士学校、東洋医療専門学校)、ドイツのサッカーチームのトレーナー(TSR)に、米国のコロラドホスピタル大学に勤務する臨床工学技士(大阪ハイテクノロジー専門学校)、「レ・ミゼラブル」やCM作品を手がけイギリスで活躍するCGクリエーター(OCA)等々。
また留学生では、台北にパティシエとしてケーキの店を開く女子台湾留学生(東京ベルエポック製菓調理専門学校)、日本のロボット関連最大手企業でメカトロエンジニアとして働くインドネシア出身者(TECH.C.)、少女時代や東方神起が所属する事務所の韓国出身マネージャー(TSM)、TVタレントとして活躍するスウェーデン出身者(DA)、日産自動車のカーデザイナーとなった韓国からの留学生(TCA)、プレイステーション4のゲームを開発中の中国出身CGクリエーター(OCA)、スタジオジブリ作品の制作に携わる台湾出身のアニメーター(OCA)、日本の病院の理学療法士や臨床工学技師になった中国の女子卒業生(福岡医健、大阪ハイテクノロジー専門学校)等々、“グローバル人材”のモデルになるような約60名が紹介されました。
海外視察や海外提携校プログラム受け入れの報告、国際教育会議の開催など
第2部では、学生のドロップアウトゼロをめざす東京本部教育改革センターの志田センター長がアメリカの中退防止施策に取り組むミネソタ大学やサンディエゴ統合学区などへ視察を行った報告や、埼玉・西日本エリアの飯塚エリア長による海外提携校の米州立ウェストフロリダ大学が学部学科をまたいで産業界が求める人材育成に取り組む「Emergeプログラム」の紹介、さらに同プログラムに参加した学生を埼玉福祉専門学校などで受け入れた際の報告が行われました。
また義肢装具士の育成にあたる世界41カ国の教員124名が集まって神戸医療福祉専門学校三田校で開かれたISPO(国際義肢装具協会)「第1回世界義肢装具教育者会議」の開催報告がISPO本部にも勤務した経験があり、同会議の開催準備にあたってきた同校の佐々木先生によって行われたほか、本部国際センターの山下ゼネラルマネージャーらから海外へ滋慶学園の情報を発信するために、グローバルサイトや英文パンフ、英文ニュースレターなどインフラ整備に取り組んでいることが報告されました。
31日にはまた、JESC(滋慶教育科学研究所)の「英語教育部会」と「日本語教育部会」が開かれ、それぞれ英語のアメリカ人教師やイギリス教師、日本語を教える日本人教師や中国人教師らが出席して教育手法や教科内容などの発表と教育にあたっての問題点などについての活発なミーティングが行われました。