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石川雄章先生の論文が日本醸造協会誌に掲載されました!! 東京バイオテクノロジー専門学校
東京バイオテクノロジー専門学校(東京都大田区)お酒醸造・発酵食品コースの講師、石川雄章先生が公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会が発行する日本醸造協会誌(第118巻 第7号 令和5年7月15日発行)に『ハナバチから分離した酵母の性質と清酒醸造への利用』と題する研究論文を発表しました。
この協会誌は、誌名こそ何度か変更していますが、1906年以来発行され続けている醸造分野で権威のある月刊の専門誌です。その中の「研究報文」(一番高いレベルの論文)の部は、厳しい審査・校閲を経て原著論文を掲載する日本醸造学会の学術誌です。
ここに発表した論文は、2018年5月に東京・日比谷公園の花壇で捕虫したハナバチから分離した酵母の性質をくわしく調べ、その酵母を使って醸した清酒を製品化した一連の経緯をまとめたものです。本校の教員らも共同執筆者として名前を連ねています。
⚫︎論文はこちら(PDF)
純米吟醸原酒 「江戸開城-ALL Tokyo」 誕生を導いた論文
本研究は、東京都区内唯一の造り酒屋で「江戸開城」の醸造元、株式会社若松(東京港醸造)との産学連携によるもので、本校では2018年度からお酒醸造・発酵食品コースの学生の卒業研究として、継続的に取り組んできました。
学生たちは担当講師の指導のもとで、自ら酵母の分離源である試料を採取し、酵母を分離。分離した酵母の性質、特に酒造適性の解明を経て、清酒の小仕込み試験までの実験計画を立てて実験を繰り返し、結果を出すことによって進めてきました。そして、製品化する醸造元に醸造方法を提案した成果です。
この方法をもとに、醸造元では製品化に相当する規模の酒造を行い、2021年2月に純米吟醸原酒 「江戸開城-ALL Tokyo」として発売されました。通算4年(2018年~2021年)にわたり、卒業研究に携わって貴重な実験データを提出してくれた学生19名の氏名は論文の謝辞に掲載し、感謝と敬意を表しています。
この酵母を私たちは「ぶんぶん酵母」と呼んでいます。分離源となったのがハナバチの一種であるコマルハナバチ(Bombus ardens)であり、Bombusがラテン語の羽音の擬音「ぶんぶん」を意味することから、これも学生が命名した愛称です。
是非ハナバチの贈り物で醸したお酒をご堪能いただければ幸いです。
(東京バイオテクノロジー専門学校 キャリアセンター・産学連携推進センター 杉田 佑輔)