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滋慶学園グループの文化・教養系の関西11校の合同卒業式 卒業証書を胸に1901人が巣立っていきました!
2023.03.27
滋慶学園グループの関西の文化・教養系11校の合同卒業式が3月7日(火)、大阪市北区中之島の大阪国際会議場で行われました。2020年春に始まった新型コロナウイルス拡大の影響で、授業がオンラインになったり対面の交流が制限されたりするなど、苦労しながら学生生活を送ってきた卒業生たち。この日、保護者が会場やオンラインで見守る中、1901人に卒業証書が授与され、ダンサーや作曲家、パティシエ、ホテルスタッフ、CGクリエーター、ドッグトレーナー…など、多様な世界に向かって羽ばたいていきました。
コロナ禍によって2020年、21年の春の卒業式は学校ごとに分散して実施。昨年は合同で実施したものの、出席者は卒業生と教職員のみに限定して行われました。卒業生の晴れ姿を会場で直接、保護者の方々にご覧いただくのは、4年ぶりとなります。
合同卒業式を行ったのは、滋慶学園グループの学校法人コミュニケーションアートが運営する以下の11校です。
・大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)
・OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校(OCA)
・大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(DA)
・放送芸術学院専門学校(BAC)
・大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校(OAS)
・大阪ECO動物海洋専門学校(ECO)
・大阪キャリナリー製菓調理専門学校
・大阪ウェディング&ホテル・IR専門学校(JSH)
・神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校(koyo)
・大阪スクールオブミュージック高等専修学校(OSM高等専修)
・神戸・甲陽音楽ダンス&アート高等専修学校(koyo高等専修)
冒頭の国歌斉唱は、OSMのゴスペルアンサンブルの先導で、全員が心の中で口ずさみました。卒業証書と専門士称号・高度専門士称号の授与は、学校長が交代で登壇し、各校の代表者に手渡しました。この後、高等課程を修了した卒業生への卒業証書の授与。続いて研究科を卒業した研究生への修了証書の授与が行われました。
「進む勇気と耐える勇気を大切にしてください」 吉村節子学校長
この後、DAの吉川節子学校長が式辞を述べ、「皆さんが入学されたとき、新型コロナウイルス感染症という見えない敵との戦いが始まりました。身体の健康と共に心の健康も気遣わなければならないという、苦労の多い日々を乗り越えてこられました。先の見えない中で、夢に向かって進んできた勇気をこれからも大切にしてください」とねぎらいました。
さらに第2次世界大戦後の1947年、メジャーリーグでアフリカ系アメリカ人選手としてデビューし、輝かしい功績を残したジャッキー・ロビンソンについて言及。彼の存在がアフリカ系アメリカ人のみならず、ラテン系やアジア系の選手にメジャーリーグへの道を開いたことを紹介しました。
「メジャーリーグでデビューするにあたって彼に求められたのは、差別や偏見に耐えうる勇気でした。後のインタビューで『人々は私のことを進む勇気のある人だというが、私の人生は耐える勇気によってもたらされたものだ』と語っています。皆さんは新型コロナのパンデミックの中で、耐える勇気を少なからず経験されました。この経験を活かし、社会に旅立つことを祈念してやみません」と語りかけました。
「今日も笑顔であいさつを 標語を持って職場へ」 浮舟邦彦総長
浮舟総長はグループの全教職員を代表して祝辞を述べました。「職業人教育を通して社会に貢献するという本学のミッション、実学教育・人間教育・国際教育という建学の理念の下で、皆さんはプロとしての基礎を学び、知識とスキルを身に付けてきました。また高等課程の皆さんは、高等教育を受けるための準備をしてきました」と語り、卒業式は次へのスタートであると強調。社会に出る人はプロとして成長することの大切さを、また高等教育に挑戦する人は専門学校や大学等でさらに高度な内容を学ぶことの重要性を説きました。
また、プロとしての成長について「プロは仕事を通して成長していくという原則があります。どうか明日からの職場を大切にしてください。そこでは多くの経験が待っています。楽しい経験も苦しい経験もあるでしょう。その経験がキャリアをつくっていきます。学び続けることの大切さに気付いて、向上心をなくさないでください」と求めました。
さらに、学生時代に培った仲間たちとの人間関係、先生や業界の方々との人間関係、新しい職場でできる人間関係は大きな財産になるとして、「そのためにはコミュニケーションが大切。その原点は笑顔での挨拶です。『今日も笑顔であいさつを』の標語を、新しい仕事の場に持っていって頂きたいと思います」とアドバイス。最後に「明日からの新しいステージで、よし、やるぞ!という気持ちでその一歩を踏み出してください」と述べ、スピーチを締めくくりました。
JESC奨励賞、俳優賞、総長賞などの表彰と募金の贈呈
この後、一度も休まずに100%受講した学生に贈る皆勤賞(41名)、総授業時間数の98%を受講した学生に贈る精勤賞(256名)の表彰がありました。また卒業・進級制作展から選考される滋慶教育科学研究所(JESC)奨励賞(11題)と、すぐれた学生の活動に贈る学校長賞(11名)、骨髄移植推進キャンペーンミュージカルの演技が感動を呼んだ学生に贈る俳優賞(4名)、社会貢献活動を称える総長賞(9題)の表彰も行われ、それぞれの代表が登壇しました。
また、骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」と「明日への扉Hospital Of Miracle」の全国の公演で寄せられた募金は、公益財団法人 日本骨髄バンクと一般財団法人 夏目雅子ひまわり基金に贈呈され、目録が読み上げられました。
「奇跡は奇跡の顔をしていない」 名誉学校長 湯川れい子先生
卒業式の最後は名誉学校長、湯川れい子先生の祝辞です。その中で、昨年7月に公開されたアメリカ映画「エルヴィス」で日本語訳の監修をしたことに触れ、アメリカの伝説的なロック歌手エルヴィス・プレスリーとの関わりについて語りました。1970年代、湯川先生はエルヴィスと3回面会したそうです。映画「エルヴィス」の監督と主役の俳優が来日したとき、湯川先生は「なぜ、あなたはエルヴィスに3回も会えたんですか?」「どうしてエルヴィスがあなたの結婚の証人になったんですか?奇跡ですよ」と尋ねられ、返答に困ったそうです。
「ただひたすら、世界の音楽シーンを変えたエルヴィス・プレスリーという人に会いたい、会いたい、という思いがあっただけです。さまざまな形で会える方法を考え、努力をしたけれどなかなか叶わなかった。会えるまで15年かかりました」と湯川先生。来日を促すと、エルヴィスは空手が好きだったこともあり、何度も日本に行きたいと言ってくれたそうです。
結局、来日はできなかったものの、エルヴィスは1973年に日本のゴールデンタイムに合わせハワイでライブを行い、衛星放送で生中継をしてくれました。「ハワイは夜中の12時です。アメリカのロサンゼルスは午前2時。ほとんど見ていません。でも日本はゴールデンタイム。それも奇跡です。なぜ、そんな奇跡が起きたんだろう。私は単純に一生懸命お願いしたからだと思っています。日本に来てください、日本に来てください、と」。先生はこう振り返りました。
「だから奇跡が起きたのは、なぜ?って言われても答えがないんです。本当に自分がそうしたかったから、本当にそうなったらいいなあと夢を見て、できることをしただけなんです。そう望んだから、そう夢見たからなんです」と強調しました。そして「皆さんも自分を信じて、皆さんの人生の軌跡を自分の力でつくってください。それが日本の、世界の軌跡になりますよう心から願っています」と締めくくられました。
「最高の思い出が、心の中で輝き続けています」 卒業生謝辞
ミュージカル「明日への扉」で慢性骨髄性白血病におかされる遥役を演じた大福真穂さんが、卒業生を代表して謝辞を述べました。大福さんは卒業後、テーマパークダンサーの道に進みます。
「終わりの見えないコロナウイルスで、やりたいことが出来なかった2年間ですが、この時間は自分と向き合う時間、将来をじっくり考える時間、周りの人のことを想う時間だったのかもしれません。そう思うことができたのは、明日への扉に出会ったからでした。どんな時も寄り添ってくれる仲間がいて、ともに喜び、泣き、悩み、たくさんの感情を分かち合ってきた最高の思い出が私の心の中で輝き続けています」
両親への感謝を語るときは思わず涙ぐみ、声を詰まらせた大福さん。最後は「明日への扉で出会った『自分の明日を信じて、力の限り、生きていこうよ』のセリフのとおり、新しい人生を、今ここからスタートします。出会えた仲間、先生方、多くの方々への感謝を胸に、もっと成長した姿をお見せできるよう精進します」と力強く誓いました。
OSMゴスペルアンサンブルが「翼をください」で祝福
式典のフィナーレは、OSMゴスペルアンサンブルによる「翼をください」です。演奏はベースが東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校の学校長、渡辺敦子先生、キーボードが名誉教育顧問のミッキー吉野先生、ギターが教育顧問の引田寿徳先生、ドラムが海外教育顧問のトミー・スナイダー先生。指揮は副校長の池末信先生です。
「この大空に翼を広げ 飛んでいきたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい…」。会場いっぱいに響き渡る迫力ある演奏と歌声で卒業生たちを祝福しました。
【JESC奨励賞】
JESC奨励賞は各専門分野で独創性が高く、将来の活躍が期待される研究・制作を称えるものです。奨励賞の11題を紹介します。
■「企業課題の取り組みから得た職業作家に求められるスキルと今後の活動について」 OSMカレッジ音楽科 松﨑涼介さん
ソニーコンピュータサイエンス研究所の企業課題「AIとの共存音楽制作」で、楽曲が採用されました。その後人気ゲームシリーズの作詞・作曲など創造力を活かして多数採用され、在学中に作曲家としてデビュー。
■「インテル株式会社『若者にEVOの魅力が伝わるプロモーション提案』」OCA チーム一同
高性能ノートPCインテルEVOプラットフォームに対して、学生らしい独創的なアイデアを盛り込んだプロモーション制作提案が、高評価をいただき採用されました。
■「MPLUSPLUS(エムプラスプラス)」の企業課題「水と光のワンダーナイト in 中之島 ダンスとテクノロジーの融合」 DA チーム一同
MPLUSPLUSはダンスパフォーマンスシステムの開発や演出を行うクリエイティブ集団。企業課題として、大阪への観光客誘致「水と光のワンダーナイト in 中之島」(昨年12月開催)においてテクノロジー技術を用いた革新的なダンスパフォーマンスを披露。12日間合計50回のステージはNHKの全国放送など多数メディアに取り上げられ、観光客誘致に大きく貢献しました。
■「関西テレビ放送株式会社・短編映画制作プロジェクト~映画制作から学ぶチームマネジメント~」 BAC チーム一同
映像業界を目指す若い人材の育成と、関西で活躍する俳優の発掘を目的として、関西テレビ放送より企画・脚本を提供して頂き映像化。作品制作を通してチームマネジメントを学びました。
■「ピエールエルメジャポン パッケージデザイン制作プロジェクト 」OASクリエーティブデザイン科 武田茉奈さん
全国48作品の中から最優秀作品に選出され、羽田・中部国際・福岡・那覇の各空港で商品化。企業から高い評価と感謝状をいただきました。
■「人と動物の関わり方についての教育普及プログラム ボクたちのつたえたいこと」 大阪ECO チーム一同
環境問題やペット問題に関心が薄いアニマルカフェの来店客に、楽しく学べる教育普及プログラムを導入。来店客には楽しみながら社会問題に関心を持っていただくなど成果を出すことができました。
■「30~40代に人気の商品を20代にターゲティングした商品プロモーションの企画提案」 JSH IR・ホテル&リゾート科 織岡咲羽さん
30代に人気の健康グッズ「フットグルーマー」のターゲットを20代まで広げる斬新な販促提案をしました。実体験・アンケートを基にした提案内容やステージ全体を使ったプレゼンテーションが高く評価されました
■「マイショッププランニング プレゼンテーション」 大阪キャリナリー カフェ総合科 高橋和佳さん
小麦粉を扱わない焼き菓子のお店を持ちたいと、米粉を使った焼き菓子店の開業を計画。顧客に対するアレルギー対応のメニューの考案、小麦粉アレルギーがあるパティシエに対する再雇用計画が高く評価されました。
■「神戸市消防局 災害現象啓発動画ナレーションにおける多くの人へ訴えかける声の力」 KOYO チーム一同
命を救うための119番通報について、見えない電話の先で何が起きているのか学生が自ら考えナレーションを作り、YouTube動画を通して安心な地域づくりに貢献しました。
■「SO.ON project『応援で人をつなげる』 日本を元気にする社会貢献活動について」 OSM高等専修 チーム一同
「応援で人をつなげる」ことをコンセプトに、地域イベントへの参加や京セラドームにて実施されたプロ野球公式戦でのパフォーマンス等、企業課題に取り組み、活動で出会った方々招いて、大阪・ミナミのZepp Nambaにて集大成のコンサートを実施しました。
■「生徒が作る、参加率100%の学校行事」 koyo高等専修 チーム一同
全校生徒100人が全員参加する「参加率100%」を目標にし、生徒が自らクリスマス会、体育祭、ライブイベントを主体的に企画。学年やコース、先生などの枠を越えて、満足できる学校づくりを行いました。
【総長賞】
総長賞は、災害やハンディキャップ、病気などで苦しむ人々に授業を通して社会貢献をした卒業生を称え、贈られます。
■「GREENJAM’22 企画制作プロジェクト 」 OSM チーム一同
関西最大の無料ローカルフェス「GREENJAM」が3年ぶりに開催されました。チームは「笑顔になれる場所」を合言葉に、子供たちが楽しめるアトラクションを企画・制作。300名以上の子供たちが参加するなど、地域貢献を果たしました。
■「地域社会貢献活動『吹田フェスタ2022』プロジェクト」 DA チーム一同
「水のまち」といわれる大阪府吹田市からの企業課題で、「吹田フェスタ」の
水かけ祭り「スプラッシュパーティー」の振付・演出・PR動画を作成。
老若男女が参加できるパフォーマンスを通して社会貢献に取り組みました。
■「SDGsエシカル音楽劇プロジェクト『パパへの子守歌~幸せのカケラ~』 」 BACタレント科 西田陽翔さん
SDGsの目標1『貧困をなくそう』をテーマに、産業界と日本の社会問題をドラマ化した舞台公演を実施。リアルと配信を融合した公演は多くの方の反響をいただきました。
■「大阪市北区 eスポ-ツイベント企画制作プロジェクト」 OAS チーム一同
大阪市北区の小中学生を対象にeスポーツの職業認知を目的とし、eスポーツイベントを企画。約200名の動員を達成し、大阪市北区から地域貢献をたたえて感謝状をいただきました。
■「地域貢献プロジェクト『子供だけが入れるパン屋さん』」 大阪キャリナリー チーム一同
2021年度に“子供が楽しめるパン屋さん”をテーマに始まった「子供だけが入れるパン屋さん」を、近隣の方々からのお声がけもあって2022年度もオープン。多くの子供たちにパンと笑顔を提供しました。
■「リアルウェディングプロジェクト」 JSH チーム一同
ホテルでのブライダルフェアをはじめ一般応募で挙式希望者を募り、打ち合わせから準備・運営まで、すべて学生達の手で作り上げるプロジェクトを実施尾。全8日程が成約となり、沢山の幸せと笑顔を作りあげました。
■「Autumn Festival IN KOBE プロジェクト」 koyo チーム一同
持続可能な未来を創出し、芸術を通した文化発信をおこなおうと昨年9月に開催されたフェスティバルで、音と光とダンスのミュージカルレビューショーを担当しました。
■「音楽を通して自分の生き方を自由に決められる社会を目指してベーシスト“アヤコノ”」 OSM高等専修学校 総合音楽科 番匠彩音さん
東京2020パラリンピックで、布袋寅泰氏が率いるバンドのベーシストとして開会式に出演。彼女の元には不登校で悩む子どもたちからのメッセージが届き、夢中で生きてきたベーシスト“アヤコノ”が人々の希望になっています。
■「英虞湾アップサイクルプロジェクト」 大阪ECO チーム一同
かつて真珠の養殖で栄えた間崎島を含む三重県志摩市の英虞湾で、海洋プラスチックごみや古い漁具、廃屋など不用なものを利用し、新しく価値のあるものにするアップサイクルプロジェクトに取り組みました。