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明日への扉「Hospital Of Miracle(ホスピタル・オブ・ミラクル)」名古屋公演 3年ぶりに上演! 救えるかもしれない誰かの命のため、学生たちが作り上げました
2023.01.26
一人ひとりの善意で救えるかもしれない命がある―。骨髄移植推進を訴えるキャンペーンミュージカル 明日への扉「Hospital Of Miracle(ホスピタル オブ ミラクル)」名古屋公演が1月15日(日)、16日(月)の2日間、名古屋市青少年文化センター・アートピアホールで3年ぶりに開催されました。生きることに絶望した少女が、難病をかかえても明るく生きる少年や、患者の心を癒すホスピタルクラウンらとの出会いを通し、希望を見出すというストーリーです。コロナ禍で昨年は直前に公演中止となり、悔しい思いをしただけに学生たちの感激もひとしお。フィナーレで沸き起こる拍手とスタンディングオベーションに涙ぐむ姿も見られました。
明日への扉「Hospital Of Miracle」は、滋慶学園グループの名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校(NSM)、名古屋医健スポーツ専門学校、名古屋デザイン&テクノロジー専門学校、名古屋ECO動物海洋専門学校、名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校、NSM高等課程が主催。学生が総勢300人以上でつくりあげた舞台です。映像撮影は大阪の姉妹校、放送芸術学院専門学校の学生が担当しました。今回の名古屋公演で寄せられた善意の募金は、「公益財団法人 日本骨髄バンク」と「一般財団法人 夏目雅子ひまわり基金」などに寄付されます。
滋慶学園グループでは、骨髄バンクへの理解を深めてもらおうと、1994年度からミュージカル「明日への扉」を上演しており、今年度で29年目になります。その趣旨を受け継ぐ新しい作品として誕生したのが明日への扉「Hospital Of Miracle」で、2002年に開校した名古屋コミュニケーションアート専門学校(現NSM)で初演が行われました。2015年度には仙台と福岡、2018年度は大阪、2019年度には札幌、2022年度は神戸でもスタートしています。
万全の感染対策のもとで公演はスタート。開演に先立ち、NSM教務部長の挨拶と趣旨説明、NSMゴスペルアンサンブルによる「明日への扉」のテーマソングのコーラスがありました。1994年から歌い継がれてきた歌詞とメロディーです。
生きる意味を考え、誰かの役に立つことを考える少女
「誰か、誰か一緒に生きてくれませんかー!」。物語は少女の叫び、そしていじめの苦しみを表現するダンスから始まりました。
少女は入院した病院で色んな過去を抱えた人たちと出会います。難病と闘いながら明るく振る舞う少年、音楽活動に行き詰まったロックミュージシャンの男性、失恋の悲しみに明け暮れる女性、小児病棟の子どもたち、患者に笑顔を届けるホスピタルクラウン…。
「わたしでも何かのために役に立つことができるのかな…」。少女は生きる意味を考えます。病院内ディスクジョッキーを始めました。リクエスト曲は歌謡曲からポップなどバラエティーに富み、歌はロックミュージシャンらが担当。お便りや歌に患者や家族は励まされます。まさにホスピタル・オブ・ミラクル、「奇跡の病院」です。あるとき少女の父親から手紙が届きました。仕事に明け暮れ、娘の悩みを理解できていなかったことへの後悔が綴られ、少女は家族のために頑張っている父の想いに触れて涙ぐみます。
ステージで骨髄移植のドナー登録への理解を訴えました
少女と親しくなった少年は実は白血病とわかり、危険な状態だと知らされます。病院の院長や医師、看護師たちがステージに立ち、骨髄移植の現状を訴えるシーンもありました。日本の骨髄移植のドナー登録者は約54万7000人で、骨髄移植を必要とする患者は毎年約2000人。ドナー登録をしていても白血球の型が適合する確率はとても低く、適合してもドナー側から断られる場合もあります。
「ドナー登録者が増えれば、そこには確かに救える命があるのです。(患者さんの)命を救えるのは、あなたなのかもしれません!」と、ドナー登録への理解を呼びかけました。
ラストシーンはドナーが見つかり、骨髄移植を受けるために転院した少年からの手紙の朗読です。少年は一人で病気と闘うことを決め、少女に一人で強く生きていく勇気を見せるため黙って病院を去りました。「元気になって、今度また会ったら一緒に生きていこうね」と少女に語りかける優しい内容です。そして命の大切さについて考えたという『星空のベッド』の歌が流れます。
♪すべてを持っていく 君の言葉も笑顔も優しさも
人生最後の一日を生きるように 限りある日々を生きたい…♪
手話コーラスを交えながら出演者全員での合唱となり、やがてフィナーレを迎えます。感動と同時に温かい気持ちが会場全体に広がりました。
「救えるかもしれない命のために頑張ってくれた学生に拍手を」
ミュージカル終演後、舞台を裏方で支えてきた学生が全員を代表してステージに立ち、1994年から始まっているミュージカル「明日への扉」の社会貢献の意義と歴史について語りました。さらに、「せっかくドナーが見つかっても断られてしまうケースや、検査や治療に多額の費用がかかるため、経済的にも本人や家族を苦しめているのが実情です」と訴え、出演者たちによるロビーでの募金活動への協力を呼びかけました。
続いて、1985年に急性骨髄性白血病で27歳の若さで亡くなった女優・夏目雅子さんの実兄で「一般財団法人 夏目雅子ひまわり基金」の理事長、小達一雄さんがゲストとして登壇。「医療系の学生は、自分たちにもできることがあるはずだと万一に備えて後ろでスタンバイしていました。照明、音響、音楽を担当してくれたのもすべて学生さんです。みんなコロナ禍で公演が出来なくなった3年分の思いを込め、なんとしても公演を成功させたいと、一生懸命に頑張ってくれました」と、名古屋の姉妹校の学生全員でステージを作り上げたことを紹介し学生たちを称えました。
さらに「ミュージカルの激しいダンスは、もしミスがあると大きな事故につながりかねないそうです。彼らの練習は想像を絶するものだったと思います。キャストの学生の半分は2年生。彼らは2021年度、1年生のときにコロナで公演が中止になり悔しい思いをしました。年があけ、彼らはまた全身全霊をかけて練習に取り組んできました。青春最後の夏休みも犠牲にしてきました。しかし、それは自分のためではありません。もしかしたら救えるかもしれない、まだ見ぬ誰かの命のためにです。どうか3年分の拍手を送ってあげてください」と感無量の様子で語りました。
3年ぶりのミュージカルの成功に向け準備も万全に
この日は愛知県内の4つの高等学校の生徒たちが観劇に訪れ、開演前にはバックヤードツアーが行われていました。学生たちが企画、デザインしたグッズの販売コーナーも人気で、観客や高校生らが買い求めていました。
今回の公演のための練習や準備は昨年6月からスタートしました。1年生も2年生も本番の経験はありません。この舞台を観劇したこともない学生ばかりです。それだけに、何度も動画をチェックしながら練習に励んできました。コロナウイルスに感染したら、みんなに迷惑がかかると、一人ひとりが徹底した感染対策を心がけてきたそうです。
3年ぶりの公演の成功に向け、PR活動にも一生懸命でした。地元FM局、エフエム愛知のラジオ番組に少年役の学生ら4人が出演し、今回のHospital Of Miracleの公演にかける想いや準備のエピソードについて語っていました。またフリーペーパーの告知記事の掲載や協賛の依頼などのために企業回りもしたそうです。ロビーでは、こうしたフリーペーパーやラジオ番組出演の様子を収めた動画、リハーサルの時の数々の写真を展示。学生たちの熱い思いが伝わってきました。
骨髄移植推進キャンペーンミュージカル 明日への扉「Hospital Of Miracle」名古屋公演
《主催》 滋慶学園COMグループ
名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校
名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校 高等課程
名古屋医健スポーツ専門学校
名古屋デザイン&テクノロジー専門学校
名古屋ECO動物海洋専門学校
名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校
《後援》 一般財団法人 夏目雅子ひまわり基金
公益財団法人 日本骨髄バンク
認定特定非営利活動法人 あいち骨髄バンクを支援する会
愛知県高等学校文化連盟
《特別協賛》
青山商事株式会社「洋服の青山」
大塚製薬株式会社
株式会社学生情報センター
キヤノンITソリューションズ株式会社
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
サントリーホールディングス株式会社
株式会社ジェイ・エス・ビー
株式会社長谷工システムズ
株式会社ライオン事務器
明日への扉「Hospital Of Miracle」の各地の公演は下記の通りです
札幌公演 かでるホール
2022年11月17日(木)、18日(金) 562人動員
仙台公演 若林区文化センター
2022年12月8日(木)、9日(金) 485人動員
神戸公演 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2022年12月15日(木)、16日(金) 769人動員
大阪公演 森ノ宮ピロティ―ホール
2022年12月21日(水)、22日(木) 1007人動員
福岡公演 キャナルシティ劇場
2023年1月28日(土)、29日(日)