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大阪・京都・神戸13校の入学式 “第1回目の授業”としてグラミー賞受賞など業界で活躍する先輩たちがプレゼンテーションをしました!
2022.05.07
大阪・京都・神戸の滋慶学園グループの文化教養系13校の入学式が4月21日(木)、小雨模様の中、大阪市中央区の大阪城ホールで行われました。新入生は10カ国46名の留学生を含む2737人です。コロナ禍がおさまりつつある現状とはいえ、まだまだ油断はできないため、新入生と教職員のみの参加。マスク着用を義務付けるなど万全の感染症対策の下で実施されました。
入学式はブライダルファッションデザイナーの桂由美先生、音楽評論家・作詞家の湯川れい子先生をはじめ名誉学校長らの祝辞・挨拶の後、第二部では、“第一回目の授業”として、グラミー賞を受賞しているパーカッションの小川慶太さんや、劇団四季の町真理子さん、ロックバンド「SOPHIA」の松岡充さんら各界で活躍する先輩たちが登場。フィナーレはゴスペルアンサンブルによる「You Raise Me Up」のコーラスで新入生を祝福しました。
この日、入学式を行ったのは下記の13校で、学校法人コミュニケーションアートと学校法人滋慶コミュニケーションアートの運営です。
・大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)
・OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校(OCA)
・大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
・大阪スクールオブミュージック高等専修学校
・放送芸術学院専門学校
・大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校
・大阪ECO動物海洋専門学校
・大阪キャリナリー製菓調理専門学校
・大阪ウェディング&ホテル・IR専門学校
・神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校
・神戸・甲陽音楽ダンス&アート高等専修学校
・京都医健専門学校
・京都デザイン&テクノロジー専門学校
「夢を目標・目的に変え、学びのスタートを」 浮舟邦彦総長
式典は国歌斉唱で始まり、OSMゴスペルアンサンブルの先導で全員、心の中で歌いました。滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は祝辞で「皆さんは自分の夢、将来やりたい仕事を見つけられました。それを自己発見と言っています。本日はその夢を、しっかりとした目的・目標に変え、卒業時のゴールを目標に学びをスタートさせてください」と呼びかけました。
そして、実学教育・人間教育・国際教育という建学の理念の下、プロのスペシャリストとして必要な専門教育をしっかりと受け、即戦力のあるスペシャリストとして社会に巣立っていって欲しいと語り、「身構え・気構え・心構えを学ぶことも大切です。学校のいたるところに『今日も笑顔であいさつを』という標語がかかっています。笑顔の挨拶はコミュニケーションの原点です。良い生活習慣、主体的に学ぶ習慣を身に付けるようにしてください」と諭しました。
「自分の夢に向かって突き進むだけ」 篠塚正典学校長
長野オリンピックのシンボルマークをデザインするなど、グラフィックデザイナーとして活躍しているOCAの篠塚正典学校長は最初に式辞を述べ、「皆さんは自分の好きなことを仕事にするのだと決めてこの学校に入学されました。それってすごいことなんです。あとは自分の夢に向かって突き進むだけです」と語りました。
さらに第2部の卒業生によるプレゼンテーションにふれ、「是非、自分が数年後にこのステージの真ん中に立って、プレゼンテーションをしている姿を想像して下さい。自分は絶対この舞台の真ん中に立つのだという決意を今日、自分にしてください」と呼びかけました。
この後、名誉教育顧問や名誉学校長が紹介されました。日本各地の水族館の開業・リニューアルなどを手掛ける水族館プロデューサーの名誉教育顧問、中村元先生、株式会社健康デザイン研究所の代表取締役社長で一般社団法人夢洲新産業・都市創造機構代表理事などを務める名誉学校長、井垣貴子先生、 東京大学で情報学研究に従事し、日本デジタルゲーム学会会長などを歴任した名誉学校長、馬場章先生らが紹介されました。
「自分の仕事に誇りと愛情を注いで」 名誉学校長・桂由美先生
続いて、日本初のブライダルファッションデザイナーであり、社団法人全日本ブライダル協会会長、アジアブライダル協会連合会会長を務める名誉学校長の桂由美先生が挨拶に立ちました。57年間、ブライダル一筋に賭けてきた桂先生は、その集大成として4月21日に福井県若狭町に日本初のブライダルファッション・ミュージアム「YUMI KATSURA MUSEUM」がオープンしたことを紹介。「ぜひ訪れて頂きたいと思います」と呼びかけました。
さらに「ブライダルの道を進まれた方は自分の仕事に誇りと愛情を注いでもらいたいと願っています。そして自分だけの利益ではなくて、世のため人のために尽くしてください。その気持ちがいつもあると、強くなれます」と情熱を込めて話して頂きました。
「大切なのは質問力、設問力」 名誉学校長・別所哲也先生
数多くの映画・ドラマ・舞台に出演、国際的にも活躍している俳優で名誉学校長の別所哲也先生は、「今日から新しい出会いが待っています」と述べ、最初の出会いでいかに相手に自分を印象付けるか、「自己紹介の大切さ」について話されました。また名誉学校長だった故・津川雅彦先生が、「学問は学ぶだけではなく、問うことである」と語っていたことを紹介し、「ぜひ沢山問いかけてください。回答力も大切ですが、それ以上に大切なのは質問力、設問力です」と強調しました。
最後に、アメリカの俳優学校で教わったという言葉を紹介しました。「哲也、君は俳優なのだから、自分が好きだと思う映画を100回見なさい。そして自分とは関係ないと思う映画を100本見なさい。なぜ好きかは、100回見ることで見えてくる。なぜ苦手で嫌いなのかは、100本の映画を見れば、分かってくる」。こう語って締めくくりました。
「笑って過ごすこと、あなたが輝くことです」 名誉学校長・湯川れい子先生
最後に音楽評論家・作詞家の名誉学校長、湯川れい子先生が挨拶に立ちました。たまたま見た朝のテレビ番組にシャンソン歌手のクミコさんが出演し、ウクライナに行った時に通訳をしてくれた人と毎日メールをやり取りしながら、「こんな時に歌を歌って何の役に立つんだろう」と無力感を感じ、涙をこぼしていたことを紹介しました。番組で対面した菅原洋一さん、加藤登紀子さんが「確かにその時は空しいと思うかも知れないけど、まず自分が歌って自分が元気になって、その人たちのことを考えていてくれると分かるだけで、その元気が伝わるのよ。それが生きる力になる。それがアート、芸術なのよ」と励ましていたそうです。
「私もまさにそうだと思います。皆さんは少なくとも、お金や言葉では伝わらないものが作れる、伝えられる、見つけられる。そのために今日ここに座っている人たちです」と話し、そして「笑って過ごすことです。あなたが輝くことです。そのためには、素敵なお友達を作ること。自分が本当に好きなもの、夢中になれるもの、心から愛せるものを見つけることです」と、祝福の言葉を贈りました。
卒業生らによる音楽やプロジェクト発表 目に焼き付けました
新入生にとって“第1回目の授業”となる入学式の第2部。冒頭で1992年にマイケル・ジャクソンが姉妹校の東京コミュケーションアート専門学校を訪問したエピソードが披露されました。この時に学生たちがコーラスグループを結成し音楽で歓迎したのが、ゴスペルアンサンブルの始まりです。
最初の授業はこのグループのコーラスで始まり、各校の卒業生・在校生らが、プロならではのパフォーマンスやプロジェクトの成果を発表。新入生たちは、輝いている先輩たちの姿を目に焼き付けていました。
■グラミー賞への道。世界を目指すミュージシャンの飽くなき研鑽
神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校/神戸・甲陽音楽ダンス&アート高等専修学校
パーカッショニストとしてニューヨークなど世界で活躍している卒業生の小川慶太さん(ドラム専攻)が登壇。小川さんはグラミー賞を2度受賞しており、「音楽を通じて世界中の色んな人とつながった経験は、人生の大きな宝。せいいっぱい楽しんで成長し、世界へ羽ばたいてください」と激励しました。同じ卒業生の纐纈(こうけつ)歩美さん(ジャズサックス専攻)、小玉勇気さん(ベース)、枡田咲子さん(ジャズピアノ)とのセッションで、ジャズの名曲を演奏しました。
■株式会社デナリパム VRを使用した仮想空間メタバースの提案
OCA大阪デザイン&ITテクノロジー専門学校
ゲーム・CGクリエーター科卒業生の坂本月人さんが、AI・ロボット・IoTなどでビジネスサポートを行う株式会社デナリパムとのプロジェクトをプレゼンテーション。SDGsの目標を踏まえながら、先端技術のメタバースを使用して、コロナに打ち勝つVRイベントを制作するというものです。VR空間で人と人、モノとの関わりをつなぐイベントは、学園祭や「JIKEI COM Game&e−Sports SHOW 若きクリエーター展」で展開しました。
■フォーシーズンズホテル京都 日本人ゲストの満足度向上
大阪ウェディング&ホテル・IR専門学校
IR・ホテル&リゾート科の在校生、中治千雛さんが紹介。最高級ランクのフォーシーズンズホテル京都は、コロナ禍でターゲットを外国人から日本人への変更を余儀なくされ、新たなホスピタリティの提供が課題です。日本人の満足度を上げるため「見る癒し」「味わう癒し」「感じる癒し」を叶える“極上の癒し旅プラン”を提案。有名な庭園を散策し、着物の貸し出しやカメラマンによる撮影をしたり、京都ならではのお菓子を楽しんでもらったりする豪華な内容です。
■カルビー株式会社「かっぱえびせん」パッケージデザイン制作
大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校
カルビーと大阪府の提供課題で、「かっぱえびせん 紅しょうが天味」のパッケージを制作。クリエーティブデザイン科の卒業生、高石彩さんは採用された作品のコンセプトについて「めっちゃ可愛いやん!思わず買ってしまうデザイン」と紹介。キャッチコピーは「楽しさ満点、美味しさ満点、紅しょうが天味」で、リズミカルで印象に残りやすくし、背景には大阪府の鳥であるモズを描いています。商品は近畿二府四県で販売され、大好評だったそうです。
■英虞湾アップサイクルプロジェクト
大阪ECO動物海洋専門学校
動物&海洋科 野生動物&環境保護専攻の卒業生、野中優さんがチームで取り組んだ三重県間崎島での活動を紹介。海洋廃棄物を価値あるものに再生するアップサイクルプロジェクトです。かつて真珠の養殖で栄えた間崎島は衰退、島民の7割以上が高齢者の限界集落です。後継者がいなくて漁や養殖を続けられない、養殖イカダ・壊れた船・漁具が放置されている、空き家が増加している…などの課題があり、少しでも解決しようというSDGsにつながる取り組みです。
■阪急阪神不動産株式会社 SDGsチャリウッド2021出演
大阪スクールオブミュージック専門学校
プロミュージシャン科の卒業生、山中美穂さんは在学中の昨年秋、大阪・梅田の茶屋町の街ぐるみイベント「SDGsチャリウッド」で、ゴスペルフェスティバルに参加。「梅田の街おこしにゴスペルが起用されるのは、人や国の不平等をなくすということ。梅田をそんな街にしたいという思い、それを伝えるツールが、“私たちは愛されている”ということを歌うゴスペルであると知りました」と音楽の意義を語り、ゴスペルを披露しました。
■卒業生プレゼンテーション 吉本興業所属/吉本新喜劇座長、すっちーさん
放送芸術学院専門学校
タレント科の卒業生、すっちーさんが同じ吉本新喜劇の松浦真也さんと登場。“大阪城ホールの入学式”をネタにしたお笑いで会場を沸かせた後、「皆さんと将来、お目にかかることがあれば、気軽に声をかけてください。軽く会釈させてもらいます。あの時の入学式の君だね。立派になったね、と言います…」などと笑いを交えて締めました。「皆さん、入学おめでとうございます!夢をつかめ、友達をつくれ」と言いながら、ステージを後にしました。
■滋賀レイクスターズ 産学連携プロジェクト
京都医健専門学校
スポーツ科学科の卒業生、上野拓海さんがプロバスケットボールBリーグ「滋賀レイクスターズ」での実習を通した学びや成果について発表しました。上野さんは在学中の取り組みが評価され、チームから「卒業後も来てほしい」と直接オファーがあり、育成組織U15、18のアスレティックトレーナーとして契約を結ぶことができました。現在、仕事をしながら京都医健の鍼灸科で学んでおり、トレーナーと鍼灸師の両方の資格を持つ強みについても説明していました。
■音楽を通して自分の生き方を自由に決められる社会を目指して~ベーシスト「アヤコノ」の2年間の取り組みについて~ 大阪スクールオブミュージック高等専修学校
総合音楽科の在校生で、ベーシストの番匠彩音さんは「アヤコノ」として活動。東京パラリンピック開会式でギタリストの布袋寅泰さんらと共演したほか、NHK・Eテレの音楽番組にもレギュラー出演しました。「不登校になったときベースに出会いました。私を救ってくれた音楽で、自分の生き方を自由に決められる社会をつくること、これが私のテーマ。不登校でも誰かに否定されても、自分の生き方は自分で決めていいと、発信し続けます」と語り、在校生や卒業生のミュージシャンらとの演奏を披露しました。
■インテル株式会社「クラウドAIを用いた社会課題のためのソリューション開発」
京都デザイン&テクノロジー専門学校(京都TECH)
東京デザインテクノロジーセンター専門学校(TECH.C.)の直系の姉妹校として今年4月に誕生しました。プレゼンテーションでは、TECH.C.のスーパーIT科在校生、内田北斗さんがインテルなどとのプロジェクトを紹介。大学の出席確認が低コストで気軽に行えるサービスの開発で、顔認証の機能や出席簿に入力する機能なども搭載できました。このサービスはインテルAIグローバルインパクトフェスティバルで特別賞を受賞しました。
■自然体験施設 くつろぎたいのも山々。廃棄果物「桃」と「柿」を使用した無添加シャーベットの商品提案
大阪キャリナリー製菓調理専門学校
製菓・製パン科の卒業生、杉原優奈さんが和歌山県かつらぎ町の自然体験施設「くつろぎたいのも山々」からの課題で、廃棄される桃や柿を使用した無添加のジェラート作りについて発表しました。子供にも安心してあげられるように食品添加物や乳製品などを使わないという条件。様々な問題を解決し2種類のシャーベットが完成。6月から販売される予定です。かつらぎ町では廃棄される果物が年間2トンあり、SDGsの意識も高まりました。
■劇団四季エンターテインメントの道
大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(DA)
ダンス&アクターズ科の卒業生で、劇団四季の町真理子さんがプレゼンテーション。「ライオンキングで初舞台を踏み、ヒロインのナラ役も演じています。キャッツ、マンマミーアなどにも出演し、入団10年目を迎えました。DAはさまざまなきっかけを与えてくれる場。いま出来ることを見つけ、自分の可能性を信じ、突き進んでください」と激励しました。ミュージカル「コーラスライン」から「愛した日々に悔いはない」というナンバーを披露しました。
骨髄移植キャンペーン「明日への扉」など数々の社会貢献を!
骨髄移植キャンペーンミュージカル「明日への扉」は、白血病の患者と骨髄バンクの現状を知ったOSMの学生が、「骨髄移植で救える命がある」ということを多くの人に伝えたいとスタート。以来28年間続くロングラン公演ですが、2020年度はコロナ禍で中止になり、再起をかけてスタートした2021年度の公演も、本番3日前に中止を余儀なくされました。しかし「一人でも多くの白血病の人々を救いたい」との思いは、映像作品として結実しました。
総合司会のDA、高橋聖子先生は、各校の様々な社会貢献活動を紹介した後、「これからも社会問題やSDGsに取り組み、一人ひとりが成長できるよう願っています」と締めくくりました。
この後、OSM卒業生で副校長のギタリストの引田寿徳先生をはじめ、姉妹校の卒業生であり、講師も務めている先輩たちによる音楽と映像による記念演奏。活躍中の卒業生が多忙なスケジュールを調整し、会場に駆けつけてくれました。
「追い続けた者のみ夢は叶う」 卒業生代表、松岡充先輩スピーチ
名誉教育顧問の松岡先生は1992年、OSMを卒業後、ロックバンドSOPHIAを結成し、メジャーデビュー。今年10月には日本武道館でのSOPHIA復活ライブも決定しました。スピーチでは「待たないで!」という言葉を何度も繰り返しました。「これまで学んできた学校のように、先生から課題を与えられ、ここをもっと勉強しなさい、テストはここが出ます…。そんなことはこの学校は言わない。学びたいものをとことん学ぶ場所です。だから待たないでください。自分で踏み込んでいくんです。あっという間の2年、3年です。風が吹くように過ぎていきます。1日1日を無駄にしないでください」
さらに「カリキュラムは待つのではなく探すんです。わからなかったら手をあげてください。わかりません、教えてください、と。そう願う学生には、どこまででも教えてくれる先生や先輩たちがいます。今の世界は僕らの時代よりも生きにくく、夢をつかみにくい時代です。だけど、その向こうに光輝く皆さんの夢があります。夢は追い続けた者のみ、叶います。夢を見失わなければ、絶対に叶います」とエールを贈りました。そして「夢」という曲を入学祝いとしてプレゼントしました。
最後のプログラムはゴスペルアンサンブルのコーラスで祝福
プログラムの最後は、OSMゴスペルアンサンブルがコーラスによる歓迎のメッセージです。指揮は副校長の池末信先生、キーボードはロックバンド「ゴダイゴ」のリーダーで名誉教育顧問のミッキー吉野先生、ドラムスは海外教育顧問のトミー・スナイダー先生、ベースは「プリンセス・プリンセス」のリーダーで東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校(TSM)学校長の渡辺敦子先生、ギターは副校長のクリス・ジャーガンセン先生です。
ボーカルはマライア・キャリーと共演し、ミュージカル「RENT」の正式キャストでもあるTSM卒業生の高城奈月子さん。曲はトリノ冬季五輪のフィギュアスケートで金メダルに輝いた荒川静香さんが、エキシビションで踊った「You Raise Me Up」です。♪困難に見舞われ 心に重荷を抱えた時 あなたが励ましてくれるから 山の頂にも立てる 私は強くなれる…。夢が叶うように一緒に前を向いて進もうという思いを歌いあげました。