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医療の質・安全の向上を探求する専門家に! 滋慶医療科学大学大学院で入学式
医療の質・安全の向上を探求する滋慶医療科学大学大学院の「2021年度 入学式」が4月4日(日)、大阪ガーデンパレスで行われました。本学は日本で唯一の医療安全管理学の修士課程をもつ大学院大学として、2011年4月に大阪市淀川区に設立。今年4月に滋慶医療科学大学が開学したのに伴い、同大学大学院と名称を改めました。千原國宏学長は、仕事や家庭を持ちながら大学院の門をくぐった19人に「幅広く深い学識と研究能力、高度な専門的職業を担う卓越した能力の涵養に心がけ、日々研鑽されることを願います」と激励しました。
この大学院は、医療の現場や関連企業などで医療安全を実践するリーダーの養成が教育の目的です。医療管理学研究科 医療安全管理学専攻が設けられ、大学院生たちは医療安全管理学、医療経営管理学の分野を研究。仕事を持つ人ばかりなので、平日の夜と土曜日に開講しています。設立以来10年間で、計177人の修士を送り出してきました。
今年の第11期生は看護師11人を中心に、臨床工学技士、助産師、薬剤師、歯科医師、介護福祉士、診療放射線技師と、多様な職種の専門家たち。女性15人、男性4人という内訳です。関西で仕事をしている人ばかりで、年齢は30代半ばから50代後半。医療安全部門や管理職の人も多いといいます。
「オープンな横断型の研究環境で自己研鑽を!」 千原國宏学長
千原國宏学長は訓辞で「本学は医学、看護学、心理学、人間工学、経営学…などの多様な研究分野の専門家が一堂に会する横断型の研究集団を構成しております。院生と教員、あるいは教員同士がタテ割りではなく、横のつながりを軸としたオープンな横断型の研究教育環境は、日本でも数多くはありません」と、大学院の特徴について説明しました。
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開式では国家を静かに聴きます
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訓辞を述べる千原國宏学長
医療安全管理学の意義について「新型コロナウイルスによる感染症は未曾有の事態となりました。世界各地で同時に感染拡大が進行するという事態の深刻さを認識し、合理的データを大量に蓄積して有用な知見を引き出すことが必要です。科学的な知識が活用できるよう情報技術の支援のもと、医療安全の道を極めることは、医療科学の重要な課題であると考えます」と強調しました。
また千原学長は、福沢諭吉の『学問のすすめ』にある「賢人と愚人の別は、学ぶと学ばざるとによりて出来る」という一節を紹介し、「常に学び続けることが重要で、広い視野を醸成するためにも学会や海外研修にも参加し、自己研鑽につとめてください。混沌として、ますます複雑化する現代社会において、活躍し続けられる知識や論理性、課題解決力、グローバル性などを確実に習得した修士となられるよう、期待しております」と語りました。
「ジャンル超え、リーダーシップを発揮できる人材が必要」 浮舟邦彦総長
大学の運営母体である学校法人 大阪滋慶学園理事長でもある滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は、「新型コロナウイルス感染症の拡大は、病院内のリスクマネジメントという問題を、あらわにしてきたように思います。本学は医療の質と安全を研究する大学院大学、高等研究機関として2011年開設し、11期生として皆さんを迎えます」と歓迎の言葉を述べました。
さらに「日本は超高齢社会を迎えています。医療機関の役割も地域包括ケアという形に変化し、職種を超えた多職種連携ということが、非常に重要な要素になってきました。しかし、現場・現実を見ると、医療事故や福祉施設における事故はなくなることはありません。リスクマネジメントとしてのこの問題は、医療機関の経営問題と言っても過言ではありません」と医療安全管理学の必要性を強調しました。
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多職種連携の重要性を語る浮舟総長
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薬剤師の日比さん。様々な専門職からなる1期生を代表して宣誓
「いま、ジャンルや病院を超えてリーダーシップを発揮できる人材が求められています。本学の特徴は色々な職種の方々がおられることです。皆さんは医療の質と安全という1つの目的に向かって学び、研究をしていくわけですが、ここで出会った多くの方々とのネットワークを大切にして頂きたい。医療の質と安全の専門家として活躍していく素地をつくり、皆さんの目標目的がしっかりと達成できることを祈念いたします」とお祝いの言葉を述べました。
「多職種協働で専門性を活かし合うことが求められます」 入学生代表の宣誓
入学生代表として宣誓をしたのは、薬剤師として活躍している日比麻有さん。医療・介護の現場では新型コロナウイルスの影響で、日々迅速な対応が求められる状況にあると語り、「ダイナミックな環境変化の中で、医療安全を主体としたマネジメントの重要性を実感する毎日です。今こそ多職種が協働することで、互いの専門性・実践能力を活かし合うことが求められています。私たちはこの使命感を追い風に、医療安全管理学を体系的に学び、医療・介護の現場で実践的なリーダーシップを発揮できる人材を目指します」と誓いました。
これまでの入学式では、関西の大学医学部や主要な病院、福祉施設などの代表をはじめ、大勢の来賓が出席して実施してきましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、大学の教職員と入学生だけによる式典となりました。