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滋慶学園グループの2021年新年式 浮舟邦彦総長が年頭所感 最重要課題は「安心・安全」全国にオンライン配信
2021.01.20
滋慶学園グループの「2021年(令和3年) 新年式」が1月5日(土)、ザ・シンフォニーホールを発信会場として開催されました。密を避けるために定員1700人の会場に、在阪の教職員や企業・福祉グループ社員のうち約600人が出席、式の模様はYou Tubeライブで全国各地の拠点会場や自宅の教職員らに配信されました。
10分に1回の換気 ザ・シンフォニーホールのコロナ対策
なお、新年式の開催に先立ち、同ホールの喜多弘悦ゼネラルマネージャーが、座席の間隔をとって密を避けていることや、10分に1回の換気と業務用空気清浄機4台を設置し、除菌など感染症対策を行っていると説明。マスクの着用や手洗いなど細心の注意を払ってほしいと注意を呼びかけました。
そのあと、第20回バッハ国際コンクールオルガン部門で日本人初の優勝に輝いたオルガニスト冨田一樹さんによるヘンデル作曲「オンブラ・マイ・フ」とクラーク作曲「トランペット・ヴォランタリー」の2曲の演奏が行われ、参加者はザ・シンフォニーホールが誇るパイプオルガンの音を楽しみ、新年式にあたっての気持ちを落ち着けました
「安心・安全」「マネジメント」「DX」が今年の重点項目 浮舟邦彦総長が年頭の挨拶
年頭の挨拶に立った浮舟総長は、「去年はコロナで振り回される1年だったような気がします」と述べ、昨年の1月27日にグループとしての対策本部を立ち上げ、アルコールやマスクの調達や感染対策など強い危機感を持って細心の注意で対応してきたと報告。「コロナウイルスを舐めることなく、正しい知識を得て正しく恐れることが大切です。そして最悪を想定しながら対策してどうしていくか考え、実行することが重要です」と学生や教職員らの感染防止を強く訴えました。
今年はグループの経営計画にあたる第6期5か年計画が最終年を迎えます。グループ初の大学となる滋慶医療科学大学(大阪市)や札幌看護医療専門学校(札幌市)が4月に開学・開校する運びとなっており、「滋慶学園グループとしては、専門学校に加えて、大学院、大学を持つことになります。専門職業大学の設置準備も進めています。高等教育機関として社会に貢献していくためにも2022年度から始まる第7期5か年計画をしっかりと構築していくことが今年度の重要な課題となってきます」と力を込めました。
また浮舟総長は、「今年は安心・安全ということが一番重要なキーワードではないかと思っています。特に学生さんの安心・安全です。コロナの怖さ、恐ろしさをしっかりと認識しながら、密にならない、クラスターを生まない、そのことをそれぞれの現場で真剣に考えて行動していくことが大切です」と述べ、柔道実技など授業中の怪我も含め「ヒヤリハット」に注目して欲しいと注意を促しました。
さらに「運営面、教育面でのマネジメントの重要性」と、教育とAIなど「DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組み」を加えた3点を今年度の重要項目として示しました。
最後に顧客の価値を創造し、学生さんの満足度を高め、業界の方々の満足度を高め、そして我々教職員が仕事をする価値を自ら認め、スタッフ満足度を高めていくことが大切だと述べました。
千原新学長 「企業のエンジニアとしても活躍できる臨床工学技士を育成したい」
各代表が新年の挨拶を行い、まず今年4月に新大阪駅前に開学する滋慶医療科学大学の初代学長に就任予定の千原國宏先生が登壇。データサイエンスとAIを使った学問の場を提供し、医療現場で役立つ課題解決力や技術進化への変化対応力、専門分野の知識や技術の向上を図る生涯学習力を備えた臨床工学技士を育成したいと述べました。
さらに、千原先生は「ロボット手術やAIによる医療診断システムなど、現代医療の進化に対応した他大学にない先進的なカリキュラムを整備し、高度化、複雑化が進む医療機器の取り扱いに必要な知識とスキルを持った臨床工学技士を育成することはもちろん、病院だけではなく企業をはじめ広く社会の中で活躍できる臨床工学技士の資格をもったエンジニアも育てていきたい」と抱負を語りました。
橋本勝信常務理事「大学開学に期待」
また学校法人大阪滋慶学園の橋本勝信常務理事は、滋慶医療科学大学の開学認可に触れ「4月に念願の大学を開学できることになり、学校法人大阪滋慶学園は高等学校、専門学校、大学、大学院の教育制度を持つことになりました」と報告。同大学が行う臨床工学技士教育はアジア各国からも期待されており、「コロナで先は見えにくい状況ですが、前を向いてこの1年、アジアの職業人材育成、産学連携、地域連携を推進し頑張っていきましょう」と呼びかけました。
サポート企業、関連会社を代表して、株式会社滋慶の田仲豊徳社長
グループのサポート企業、関連会社を代表して株式会社滋慶の田仲豊徳社長は、「昨年はコロナウイルスに翻弄され、企業も打撃を受けた1年でした。いろんな活動が奪われ、今も奪われる日常を過ごしています」と厳しい状況を説明したうえで、「コロナ禍は必ず収束する時が来ます。事業目的を見失わず、お客様と取引先を大切に、社会と地域に貢献することを忘れず、新しいことにチャレンジし、イノベーションしていきます」と新年の抱負を述べました。
大阪大学医学部教授の澤芳樹先生が特別講演「未来医療を担う人材育成で滋慶学園グループに期待しています!」
また、世界初の心筋細胞シートの手術を行うなど心臓血管外科医として活躍されている大阪大学医学部の澤芳樹教授が滋慶学園グループの教職員のために、特別講演を行って下さいました。
最初に澤先生は大阪大学病院の〝Futurability 待ち遠しくなる未来〟というコンセプトを披露し、「我々は10年先をゆく心臓血管外科を目指そうと研究に取り組んできました。今日は〝待ち遠しくなる未来〟〝ワクワクする未来〟ということで、これからの医療がどうなるかについてお話します」と始められました。
医師だけでなく、医療の進化に適応する人材育成が必要
大阪大学が1956年に日本初の人工心肺装置を用いた心臓病の手術に成功したのをはじめ、初の脳死による心臓移植手術など数々の先端医療をけん引してきた事例を示し、現在、「心臓疾患、脳卒中、がんの三大疾病は治るようになってきました。人生100年時代が来ているのです。治せると言い難いのは認知症ですね」と指摘されました。
さらに2030年までに予想される世界のヘルスケアの進化について、「5G、6G時代の到来」、「ゲノム医療」、「人工知能」、「ロボティクス」、「iPS細胞実用化による本格的再生医療」―の5つのポイントを指摘。超高速通信による遠隔手術やゲノムによる遺伝子診断、ロボットによる医療スタッフの労働力軽減…等々、さまざまな新しい医療の形が現実化しつつあり、「iPSによる脳神経細胞の再生医療も見えてきている」といいます。
「こうした新しい医療を理解し、それを駆使することができる人材、医療の進化に適応する医者以外の人材の育成がこれからの課題です。その意味でも滋慶学園グループには大きな期待がかかるわけです」と、多様なスペシャリスト育成の必要性を強調して頂きました。
さらに「未来医療」とその産業化推進をコンセプトとする大阪・中之島の「未来医療国際拠点基本計画」や2025年の〝いのち輝く未来社会のデザイン〟をテーマにした大阪・関西万博に触れ、澤先生は「新型コロナの時代にぴったりの博覧会であり、中之島プロジェクトはその万博のレガシーとして、大きな意義があると考えています。未来医療に適した人材の育成、まさに教育の場として期待されるわけです。皆さんと連携してそれを成し遂げていきたいと思います」と語られました。
スライドショー 滋慶医療科学大学の認可や札幌看護医療専門学校の開設などグループのトピックスを紹介
式典では、注目のスライドショーが行われ、緊急事態宣言などコロナ禍に振り回され対応にあたった昨年1年間のグループや国内外の動きをはじめ、滋慶医療科学大学の設置認可や札幌看護医療専門学校の開校など、新年式実行委員会が選んだ様々なトピックスが紹介されました。また、コロナ下の病院ICUで活躍する看護師など、各業界で活躍する卒業生が次々と紹介されました。
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”命のエンジニア”臨床工学技士を育成する滋慶医療科学大学(スライドショーより)
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開校を待つ札幌看護医療専門学校
「滋慶教育科学学会奨励賞」や「総長賞」など各賞の表彰式が行われました
また、昨年活躍した教職員や社員に贈られる各賞の表彰式が、簡素化して行われました。
昨年12月8日に開催された滋慶教育科学学会の優秀な研究発表(7題)と事例発表(17題)への表彰が行われました。
もっとも優秀な研究に贈られる学会奨励賞は、北海道エコ・動物自然専門学校 動物飼育学科 学科長の佐々木拓司先生が発表した「公立系動物園及び公務員合格に導く指導法の研究」に贈られました。
また学会努力賞が東京医薬専門学校 教務部長の西田 茂男先生の「能動的授業の実践における学生の変化について」に、審査員特別賞が新大阪歯科技工士専門学校の森口尚紀先生の「動画を用いた実習指導と学生満足度向上への取り組み」に、それぞれ贈られました。
事例発表の部では、優秀賞が新東京歯科技工士学校 歯科技工学部Ⅰ部学科長の馬場知子先生の「スマホキャンパスを活用したICT教育の推進について」に贈られました。
それぞれの優秀発表がスライドで紹介された後、受賞者を代表して新大阪歯科技工士専門学校の森口尚紀先生に浮舟総長から賞状と副賞が贈られました。祝福の大きな拍手がホールに響きました。
今年の総長賞は7組に
続いて総長賞が、コロナの緊急事態宣言で臨時休校中の学校施設を使って教職員が手製のマスクを作成し地域のデイサービスセンターの利用者らにプレゼントした神戸医療福祉専門学校三田校をはじめ、JR西日本と連携し新大阪駅構内での「エマージェンシーコール」の仕組みを作り、救急救命活動にあたった東洋医療専門学校救急救命士学科など7組に贈られました。
このほかの受賞者は、新東京歯科技工士学校の教務部学科長の冨野浩子先生(広報活動での活躍)、▽東京ウェディング・ホテル専門学校の広報センター(広報活動での活躍)、▽東京コミュニケーションアート専門学校・東京デザインテクノロジーセンター専門学校など12校(各校合同による「JIKEI COM Game&e-Sports SHOW」の成功)、▽株式会社ブレーン・スタッフ・コンサルタンツ(BSC)ネットワークチーム(オンライン教育支援)、▽大阪医療福祉専門学校言語聴覚士学科学科長の高柿有里先生(「若い失語症者のつどいイン関西TOMO」でのボランティア活動)です。
縮小して行われた表彰式では、会場参加したBSC副部長の長田希彦さん、大阪医療福祉専門学校の高柿先生、東洋医療専門学校の奥元隆昭先生の3組の代表に浮舟総長から記念の盾が贈られました。3人は受賞の喜びを述べ、奥元先生は「この賞は卒業生が在校生のために作った励ましだと思っています。今後磨きをかけて救急救命システムを有効活用し、日本各地に広げていけたらと願っています」と受賞の言葉を述べました。
このほか、昨年秋に行われた広報力大会でプレゼンの第1位に輝いたベルエポック美容専門学校広報センターの藤井美江先生と第2位の東京バイオテクノロジー専門学校広報センターの松田翔子先生、第3位の東京ウェディング・ホテル専門学校広報センターの毛利晨材先生にそれぞれ賞が贈られました。
浮舟総長の締めの挨拶でお開き
最後に浮舟総長が「コロナの災いは重く降りかかってきていますが、我々だけではなくて日本全体、世界全体が被っていることだということです。舐めることなくコロナウイルスの怖さをサイエンスティックに認識しながら、やるべきことをしっかりとやり、それぞれの現場で、お一人お一人の利用者をもう一度考えながら、Withコロナの時代,そしてアフターコロナの時代に向けて元気よく頑張っていこうではありませんか」と閉式の言葉を述べました。