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保育園の子どもに科学実験の“出張授業” 「サイエンス倶楽部」逆瀬川教室
2019.07.25
科学実験を通じて体験型総合教育を展開している滋慶学園グループの関連企業、「サイエンス倶楽部」逆瀬川教室(兵庫県宝塚市逆瀬川)では、多くの子どもたちに科学の面白さを体感してもらおうと、保育園などに出かけて実験をする“出張授業”を行っています。毎回テーマを決めて深堀りし、子どもたち自ら実験道具をつくったりもしています。逆瀬川教室の石塚隆幸室長の分かりやすい話に子どもたちは興味津々で、毎回の授業を楽しみにしているようです。
「あ、ロープウエーみたいに動いた!」「見て、見て!こんなふうになったよ」「先生、(実験道具が)壊れた!」…。3歳~5歳の子どもたちの歓声があちらこちらから上がり、園内はいっぺんに賑やかになります。
西宮市門戸岡田町の保育園「チャイルドケアハウス トット」。この日は逆瀬川教室から石塚先生がやってくる実験の日。「サイエンス」の時間です。先生は11人の子どもたち1人ひとりに発泡スチロールの四角い枠をつくってもらい、針金を螺旋状に巻いたコイルを水平にセット。コイルをぐるぐる回すことで、ぶら下げたモノをロープウエーのように移動させる実験道具の完成です。
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コイルを回してモノが動く様子を説明
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実験道具をつくる子どもたち
今回は子どもの自由研究や工作で活用される「アルキメデスの螺旋」がテーマ。石塚先生はコンクリートミキサー車の絵を見せながら、「この前まで保育園の近くで工事をしていたミキサー車を覚えているかな?この中はコイルと同じような螺旋状になっていて、回りながら生のコンクリートを外に排出しようとする働きがあるんだよ。大雪を外に吹き飛ばす除雪車の仕組みも同じです」と説明しました。
「遠心力」「光の屈折」…身近な生活の中から科学の原理を学ぶ
石塚先生はこれまで県内の大小の幼稚園や保育園で“出張授業”を行っており、「チャイルドケアハウス トット」では、月1回のペースで実施。6月は「遠心力」をテーマにした実験をしました。くるくる回すことで遠心力が働き、キラキラ光りながら、提灯のように丸く膨らむ「レインボースティック」といわれる道具を製作。子どもたちは遊びながら、遠心力を体験しました。これまで「光の屈折」「磁力」などを学んでいます。
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並んで先生に手伝ってもらいます
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コイルで持ち上げる様子も実演
「チャイルドケアハウス トット」の宮本華子園長は、「子どもたちの教育に本当に役に立っています。科学を勉強するというより、ミキサー車のように子どもたちが知っていること、生活の中の身近なもの、身近に起こることを取り上げ、そこに科学の原理・自然の力が働いていることを教えてくれます。今はわからなくても、もう少し年齢を重ねたときに、『あのとき習ったのはこのことか!』と、時間をおいて結びつくこともあるのです」と話しています。“出張授業”がきっかけで逆瀬川教室に通うようになり、その後、中学受験のためにも科学実験を学んでいる、という小学6年生もいるそうです。
放課後だけのコースや野外観察をするコースも
サイエンス倶楽部は科学実験の豊かな教育効果に着目し、1992年に誕生しました。「自然科学教育を通して、子どもたちの創造性・社会性をはぐくみ、社会的価値を発揮できる人材を輩出する」という理念のもと、東京、神奈川、埼玉、千葉、そして兵庫県宝塚市で合計16教室を開設しています。
逆瀬川教室は関西第1号の教室として2010年にスタートし、幼児コース、小学生コース、中学生コースなどの教室を土曜と日曜に開いています。このほか水曜・木曜・金曜の3日間の放課後コースや、夏休みなどを利用して自然観察などを行うスペシャルコースがあり、人気を集めています。石塚先生は「身近にある事象・現象に興味関心をもってもらい、それを子どもたちが解き明かそうとするプロセスを大切にしていきたいと思います。そういうことを心がけて指導方法などを考えています」と話しています。