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【入学式】 令和時代の新しい医療者めざす決意を! ザ・シンフォニーホールで学校法人新歯会東洋医療学園の「平成31年度 入学式」
新しい元号「令和」発表の余韻が覚めやらない平成31年(2019)4月6日(土)、滋慶学園グループ発祥の学校となる新大阪歯科技工士専門学校をはじめ、新大阪歯科衛生士専門学校、東洋医療専門学校の3校を運営する学校法人新歯会東洋医療学園の「平成31年度 入学式」が大阪市福島区のザ・シンフォニーホールでコンサートの公演スケジュールの合間を縫って行なわれました。
国歌斉唱のあと、新大阪歯科技工士専門学校と新大阪歯科衛生士専門学校の作田守学校長から新入生代表の新大阪歯科衛生士専門学校 歯科衛生士学科の林志保さんに入学許可証が授与されました。続いて、留学生1名と11名の専攻科生を含む544人の入学生と大勢の保護者、御来賓、講師の先生方が見つめる中、元大阪府立千里救急救命センター名誉所長で日本救急医学会会長を務める東洋医療専門学校の太田宗夫学校長(医学博士)が学校長訓辞として“最初の授業”を行いました。
太田宗夫学校長 「医療の道は厳しいが、これほど素晴しい世界はありません」
太田学校長は、「桜満開のこの時期に、ザ・シンフォニーホールでの入学式は皆さんのいい思い出になると思います。そして諸君が医療の道に進むことを選ばれたことに大いなるエールを贈ります」と切り出しました。長年、外科医、大阪府立千里救急救命センター所長として医療の最前線で仕事をしてきた太田学校長は、「医療の道は極めて厳しく、病気も多岐にわたります。しかしこれほど素晴らしい世界はありません。すべての人が大切に思うことは、金でもなく名誉でも地位でもない、健康と生命であると仕事を通じて痛切に知りました。この誰にとってもかけがえのないものへの援助を託されるのが医療者です。時に重いものを感じるわけですが、誠意を尽くした結果、その方の苦悩が去った時、一度失った命さえ復活した場面に遭遇したとき、私たちはかけがえのないやりがいという報酬を受けます。医療に生涯をかける価値があると実感する瞬間です。そこで得た満足感、達成感、誇りというものは、私が固く約束できることであります」と述べ、ヒポクラテスや杉田玄白、緒方洪庵、ナイチンゲール、花岡青洲ら医学界の偉人の業績を紹介し、医療をめざすものは、これらの偉人が打ち立ててきた輝かしい歴史を受け継ぐ役割があると、訴えました。
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入学生代表に入学許可証を授与する作田守学校長
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最初の授業”の訓辞を行なう太田宗夫学校長
さらに、医療は自然科学分野と手を組んだ学際性、interdisciplinaryと呼ぶ独特の研究スタイルの世界だと紹介しながら、太田学校長は、「良い医療者になるカギとして、3つのHを頭文字とする言葉があります。第一のHがHead(知能)、第2がHand(磨かれた腕)、第3がHeart(人間愛)です。この3つのHがバランスよく整っている医療者を目指して欲しいと思います」と要望。最後に、「努力する姿が生き様であり、それを全うするのが医療者の人生であると私は考えてまいりました。自立を重ね、教員、先輩に対する敬意を忘れない、同僚との絆を強くしていくことが大切だと思います。諸君が『令和』という時代の新しい医療者を目指して懸命に努力する決意、心意気を示してくれることを願ってやみません」と、医療人としての心得を真剣な表情で見つめる新入生に気持ちを込めて伝えました。
宮川藤一郎理事長 「職業実践専門課程で学べる誇りを持って欲しい」
滋慶学園グループ副理事長で学校法人新歯会東洋医療学園の宮川藤一郎理事長は、学園が大切にしている「4つの信頼」に触れたあと、「競争優位性というべき専門的な技術・知識を身につけることが大切な時代です。めざす医療系の国家資格は皆さんの将来の保証となるでしょう」と述べ、職業実践専門課程に選ばれた3校6課程で学べる誇りを持って欲しいと伝えました。さらに、①国家試験に向けて今から悔いのない準備を行って欲しい、②先生の話をよく聞く習慣を身につけて欲しい、③自己管理をしっかりと行って欲しいと求めました。
式には、大阪府歯科技工士会会長の清水潤一様や京都府歯科技工士会会長の髙橋祥高様、大阪府歯科衛生士会会長の橋場佳子様をはじめ、大阪鍼灸マッサージ協同組合理事長の勝浦政夫様、新大阪歯科技工士専門学校同窓会会長の時見高志様ら各団体のトップの方々に臨席いただきました。また滋慶学園グループからは、浮舟邦彦総長をはじめ、滋慶教育科学研究所の近藤雅臣所長や株式会社滋慶の田仲豊徳社長、一般社団滋慶学園グループの猪尾卓也理事らが出席しました。
浮舟邦彦総長 「学生時代の失敗が大切です。そこからタフな精神を養ってください」
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3校の新入生と2階席の保護者の皆さん
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滋慶学園グループを代表して祝辞を述べる浮舟邦彦総長
滋慶学園グループの礎となった学校の入学式とあって、浮舟邦彦総長の新入生に贈るメッセージは、ひときわ力が入っていました。
浮舟邦彦総長は、夢をしっかりとした目的・目標に変えていくことの大切さにふれたあと、「なぜこの学校に入学してきたのか、自分の目的は何だったのか、そういうことをもう一度、しっかりと頭の中に描いていただきたい」と強調。プロのスペシャリストをめざして産学連携による企業課題への挑戦やインターンシップを体験するにあたって、「多くの失敗をするかもしれません。その失敗が大切なのです。学生時代に大いに失敗してください。そしてタフな精神もまた養っていかなくてはなりません」と述べ、学びの習慣や業界人としての身構え、気構え、心構えの大切さを訴えました。さらに、学校の標語である「今日も笑顔で挨拶を」を自分の習慣にすることや、コミュニケーションの大切さ、リーダーシップやチームマネジメントの大切さを述べ、「皆さんの学ぶ知識や技術は世界に通用する知識、技術です。グローバルな人材として活躍できるようになっていただきたい」と、力強く説きました。
荘厳なパイプオルガン演奏と光の芸術のコラボレーション
ザ・シンフォニーホールでの入学式とあって、第一部式典の終了後、ホールが誇る3732本のパイプから成るスイス・クーン社製のパイプオルガンの演奏が行なわれました。プロジェクションマッピングによる光の芸術とのコラボレーションは、素晴しい芸術に親しむひと時を提供し、新入生や保護者の皆さんは、会場と音楽、光の芸術の素晴しさの余韻にしばしひたっていました。
第二部 世界に通用する日本の歯科技工士 デジタル化で活躍の場が広がる最新情報を卒業生がプレゼン
“最初の授業”として行なわれた第二部では、各校の在校生や卒業生らが先輩として学校での生活や学び、実習や将来の仕事などについて新入生にプレゼンテーションを行いました。歯科技工士分野では、新大阪歯科技工士専門学校の在校生と東洋医療専門学校の卒業生の2人が登壇。在校生の槇田彰人さんは、ヨーロッパ研修旅行での経験を発表し、歯科技工士を取り巻く環境がIT化、デジタル化に向けて大きく変化しているとレポート。また、歯科技工士として総合病院の口腔外科で医療チームスタッフとして働く東洋医療専門学校卒業生の船木侑さんは、CAD/CAMシステムを習得した歯科技工士が口腔外科手術の分野で重要な仕事を任されるようになっていることや、日本で学んだ歯科技工士がアメリカの最新ラボでテクニシャンとして活躍、職域が世界に広がっていることを報告。新入生たちは未来に夢を馳せ、目を輝かせていました。
■海外研修2019 in ドイツ(新大阪歯科技工士専門学校)
新大阪歯科技工士専門学校 歯科技工科の2年生、槇田彰人さんは海外研修として訪れた、世界の最新技術が集まるドイツでの国際デンタルショーの視察体験を報告。デジタル化が進み、オーラルスキャナーやCAD/CAMの発展など、歯科業界が大きく様変わりしている様子、ケルンのマイスター歯科技工士学校やデュッセルドルフの歯科技工所を訪問した際の様子などをレポートしました。
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海外研修の報告を行なう新大阪歯科技工士専門学校の槇田さん
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口腔外科手術への歯科技工士の関わり方をプレゼンする東洋医療専門学校卒業生の船木さん
■歯科技工の歩き方(東洋医療専門学校)
2015年(平成27年)に東洋医療専門学校の歯科技工士学科を卒業し、京都にある総合病院の口腔外科で歯科技工士として働く船木侑さんは、病院の医療と密接に関わる歯科技工士の仕事を“地球の歩き方”をもじって「歯科技工の歩き方」というテーマでプレゼンしました。
船木さんは、父親が岡山県でデンタルラボを経営する歯科技工士で、母親は元歯科衛生士、兄も歯科技工士という、歯科医療の“申し子”のような環境で育ち、兄と同じ東洋医療専門学校の歯科技工士学科で学びました。卒業後は総合病院の口腔外科所属の歯科技工士として勤務、プレゼンでは、多職種連携によって行なわれる口腔がん再建手術を紹介、チームの一員として三次元シュミレーション支援に入り、CAD/CAMシステムでサージカルガイドを作成する一連の流れをプレゼンしました。手術は成功、患者さんのQOL(生活の質)が確保できた喜びも語りました。
船木さんの東洋医療専門学校の先輩でもあるお兄さんは、現在、アメリカ・カリフォルニアの有名デンタルラボで働いており、お兄さんから届いた近況も報告しました。そのお兄さんが国際的な歯科学会が主催するコンテストで最優秀賞を受賞したことや、お兄さんから寄せられた新入生に贈るビデオレターも紹介されました。その中でお兄さんは「歯科技工士として日本のトップになれば、それは世界のトップになるということです。歯科技工士の資格を持っているだけで私のように世界中で働けるということです、皆さんも世界に飛び出してください」と激励していただきました。
■歯科保健指導プレゼンテーション(新大阪歯科衛生士専門学校)
“スマイル”を合言葉にする新大阪歯科衛生士専門学校からは、歯科衛生士学科の2年生8人が舞台に登場、歯とお口の健康を守るための「歯科保健指導」のプレゼンテーションを行いました。歯の病気の予防だけではなく、ガン予防や認知症予防にもいいと、良く噛む事の効用を標語にして紹介したり、会場を巻き込んだクイズで笑わせました。また口の筋肉を鍛える“あいうえお体操”を指導するなど、楽しみながら保健指導を受けてもらう手法に、新入生や保護者の皆さんは盛り上がりながら、すっかり感心しているようでした。
■新入生の皆さんに伝えたいこと(東洋医療専門学校)
東洋医療専門学校の柔道整復師学科卒業生で鍼灸整骨院で働きながら、キャリアアップしたいと内部進学制度を使って鍼灸師学科2年生として学ぶ小林和光さんがダブルライセンスを持つことで、より幅広い顧客ニーズに応えられるはずだと、進学動機を述べ、自らの学生生活を披露しました。そして「3年間はあっという間に終わってしまいます。この3年間に出来ることは、その人がどれだけ行動に移せるかということです。いろんなことに挑戦し、自分の視野を広げてください」と新入生を激励しました。
■救急救命士の現場活動(東洋医療専門学校)
「救急救命士の現場活動」では、東洋医療専門学校の救急救命士学科昼間部3年生の小倉晴輝さんや篠本知沙さんら男女8人が、救急救命士が救急現場で行なう特定行為の処置訓練についての緊迫感溢れる実演を披露。見事なチームワークで心臓マッサージやAED処置を通じて“患者”さんを救出する模様を逐一伝え、その臨場感が会場席を埋めた新入生や保護者の皆さんにも共有されました。“大仕事”を終えて全員がピタッと見事に整列を決めると、会場から大きな拍手が起きました。
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救急救命活動を実演する東洋医療専門学校の在校生
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整列する救急救命学科の学生
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OSMゴスペルアンサンブル
最後は、プロジェクションマッピングを背景にOSMゴスペルアンサンブルによる「翼をください」で新入生を歓迎しました。
第一回保護者会を開催
式典終了後に、第一回目の保護者会が行なわれ、浮舟邦彦総長や宮川藤一郎理事長をはじめ、各校の教職員幹部一同が舞台に整列し、2階席を埋めた保護者の皆さんに、国家試験や就職などに責任を持って対応すると約束をしました。
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第一回保護者会に参加された保護者の皆さん
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舞台に3校の教職員幹部が整列しました