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滋慶学園グループ製菓分野9校の代表によるお菓子のコンテスト「第9回クープ・ジケイ ドゥ ラ パティスリー 2018」開催
2018.12.03
2018年11月10日(土)、東京ベルエポック製菓調理専門学校で「第9回クープ・ジケイ ドゥ ラ パティスリー2018」が開催されました。このコンテストは滋慶学園グループ食文化教育部会の9校が一堂に会して競技を行うことにより技術と知識を研鑽し、人々に幸せを与えられる製菓技術者としての精神を学ぶことを目的とし、2010年より毎年開催しています。また、将来学生たちが日本を代表するスペシャリストになるべく、世界大会で活躍する審査員の先生方に評価をいただくこともコンテストの目的です。
出場者は、東京ベルエポック製菓調理専門学校、大阪キャリナリー製菓調理専門学校、名古屋コミュニケーションアート専門学校、神戸製菓専門学校、札幌ベルエポック製菓調理専門学校、福岡キャリナリー製菓調理専門学校、赤堀製菓専門学校、埼玉ベルエポック製菓調理専門学校、仙台コミュニケーションアート専門学校の製菓分野(2年制)に在籍する2年生で、各校の代表2人ずつ計18人です。
競技は、今年のテーマ「四季」から考案したピエスモンテ(あめ細工)とアントルメ(洋菓子)を、4時間という制限時間のなかで仕上げます。甘い香りのなかで張りつめる緊張感。競技時間同様の4時間の練習を7回、8回と積んでコンテストの臨んだチームもありました。甘い香りとは真逆の張りつめる緊張感のなか、苦労しながらも全チームが作品を完成させました。その後、選手たちによる作品プレゼンテーションと審査員の試食が行われ、最終審査を経て決定した栄えある優勝校は福岡キャリナリー製菓調理専門学校。ピエスモンテ賞とのダブル受賞となりました。準優勝は札幌ベルエポック製菓調理専門学校が獲得しました。
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優勝作品「春の訪れ」(福岡キャリナリー製菓調理専門学校)
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準優勝作品「pleasure」(札幌ベルエポック製菓調理専門学校)
開会式では、会場となった東京ベルエポック製菓調理専門学校の井上美津子学校長が「選手の皆さんは、コンセプトを考え、テーマを考え、そしてそれにあったアントルメとピエスモンテを4時間で完成させる練習を重ねて、今日の本番に臨んでいます。選手の皆様のご検討をお祈りしたいと思います」とエールを送り、いよいよ競技がスタートしました。午前9時、競技開始のアナウンスとともに、選手たちは一斉に製作にとりかかりました。前年までは前日に仕込みをし、大会当日に仕上げをしていましたが、今年は初めて大会当日にすべてを行います。競技会場の前の廊下には、各校の学校長をはじめ、技術指導の先生方、学校スタッフが熱い視線で学生を見つめています。また、埼玉や遠くは神戸から選手の保護者が来校して競技を見守りました。
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開会の挨拶する東京ベルエポック製菓調理専門学校 井上学校長
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今年の会場は東京ベルエポック製菓調理専門学校
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4時間の競技中も審査員が製作工程を厳しくチェック
完成した作品の審査、まず視覚審査から行われました。審査員は、柳正司シェフ、和泉光一シェフ、藤本智美シェフです。続いて、選手による作品プレゼンテーションが行われました。日本国内のみならず、世界のコンテストで活躍される日本を代表するパティシエの先生方を前に、それぞれのチームのテーマ、アントルメとピエスモンテの素材や特徴を発表していきます。同時にアントルメの試食審査も行われました。堂々を作品をアピールするチームもあれば、緊張でところどころ言葉につまる選手もいましたが、どのチームも作品に込めた思いなどをしっかりと伝えることができました。各作品の講評では、選手二人が揃ってパッとポケットからメモ帳を取り出して審査員の言葉をメモするチームがあり、これには審査員の先生方も驚いていました。プレゼンテーション後に総合審査が行われ、優勝校が決定しました。
表彰式、9校18名の選手が一列に座り、結果発表を待ちます。審査員特別賞、アントルメ賞、ピエスモンテ賞、そして準優勝、優勝の順で結果が発表されました。学校名が呼ばれると、スタッフから大きな歓声が上がりました。これまでの苦労して練習を積んだ分、選手たちの喜びもひとしお。涙と笑顔が輝いていました。
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抱き合って喜びを分かち合う、優勝した福岡キャリナリー製菓調理専門学校の選手
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準優勝発表の瞬間、札幌ベルエポック製菓調理専門学校
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表彰式では喜びの涙が溢れました
審査委員長の柳シェフは講評のなかで「各校でこれまで苦労をしながら練習をしてきたと思いますが、苦労して初めて『難しいんだな』とか『やればできるんだな』ということを体験したと思います。それを知っただけで素晴らしいことです。そして、諦めない精神ですね。続けていれば必ず達成できるということを心に留めてください。辛いなかでも、ひとつ何かができるようになったらそれを大きな喜びにし、自分のペースで、まず続けることが大事です。」と、続けることの大切さを説かれました。
浮舟邦彦総長は「各校の先生からは、誰を選出するかが本当に悩みだと聞いています。皆さんがここに出場されていることが、実は本当にすごいことなんだと認識ください。しかし、皆さんにとってここがゴールではなく通過点であり、皆さんのスタートになっていくわけです。今日のために多くの準備をしてきたでしょうし、練習もしたでしょう。その一つのステージを終え、次のステージが待っています。そしてステージに向けて、また準備をして練習を繰り返していく。そしてまた、次のステージがある。人生とはそういうものだと思いますし、一つの道を目指すというのはそういうことだと思います。また、日本を代表する審査員の先生方にご指導いただいたことも皆さんの誇りと自信にして、これからの皆さんの歩みにしていただければと思います。皆さん、本当に頑張りました。」と学生たちの健闘を讃えました。
コンテストの結果は以下の通りです。
【結果】
▽優勝:福岡キャリナリー製菓調理専門学校「春の訪れ」(森田さん、麻生さん)
▽準優勝:札幌ベルエボック製菓調理専門学校「pleasure」(小山内さん、柿江さん)
▽アントルメ賞:大阪キャリナリー製菓調理専門学校「Sweet Moon」(岡嶋さん、松原さん)
▽ピエスモンテ賞:福岡キャリナリー製菓調理専門学校「春の訪れ」(森田さん、麻生さん)
▽審査員特別賞:埼玉ベルエポック製菓調理専門学校「ウツリユクキセツ」(大格さん、小澤さん)
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浮舟総長と優勝した福岡キャリナリー製菓調理専門学校の麻生さん(左)と森田さん
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ピエスモンテ賞 作品(福岡キャリナリー製菓調理専門学校)
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準優勝の札幌ベルエボック製菓調理専門学校の小山内さん(左)と柿江さん
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アントルメ賞受賞 大阪キャリナリー製菓調理専門学校 岡嶋さん(左)と松原さん
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アントルメ賞 作品(大阪キャリナリー製菓調理専門学校)
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チームワークの良さを評価されて審査員特別賞を受賞した埼玉ベルエポック製菓調理専門学校の小沢さん(左)と大格さん
優勝した福岡キャリナリー製菓調理専門学校の選手に優勝の感想を聞きました。「夏休みから1日も休まず練習してきました。支えてくれた友達、先生方や家族にどうしたら感謝をお返しできるかと考えたときに、やはり優勝しかなかったので、優勝できて本当によかったです」と麻生さん。森田さんは「本当にドキドキしていて、緊張していて名前を呼ばれなかったらどうしようとずっと思っていました。優勝するしかない、これしかないと思ってやっていたので達成感もすごくあります。これからもコンテストを続けて、最終的には世界一のパティシエになりたいと思っています」と将来の目標も語ってくれました。