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浮舟総長が今年も大阪大学の先端教養講座「関西は今~関西経済界のリーダーたちとの対話~」で講演を行ないました
2018.06.27
滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は6月25日(月)、大阪大学(大阪府豊中市)が関西経済界とともに全学の1年生を対象に開講している先端教養科目「関西は今~関西経済界のリーダーたちとの対話~」の講師として招かれ、約120人の学生を前に「専門学校における職業教育」の演題で1時間半の講演を行ないました。
関西の第一線で活躍中の経営トップによるリレー講座として2004年から関西経済同友会、関西サイエンス・フォーラムとともに同大学の全学教育推進機構が主催しているもので、今年度は4月16日の大阪国際フォーラム会長、萩尾千里氏による第1講に始まり、すでに関西経済同友会代表幹事でコクヨ会長の黒田章裕氏や大和ハウス工業会長の樋口武男氏、堀場製作所代表取締役兼グループCEOの堀場厚氏、サラヤ社長の更家悠介氏らが講義を行なっています。3年連続で講師を務めることになった浮舟総長は、阪急阪神ホールディングス会長の角和夫氏の第九講が大阪北部地震のために休講になったあとを受けて、この日、第10講の講師として登壇しました。
海外における職業教育の実情なども交えて阪大生に専門学校の教育を紹介
浮舟総長は、滋慶学園グループが専門学校として産業界と密接に連携し、社会や時代の変化に合わせて、社会や時代が求める専門教育、職業教育によってスペシャリストを育成してきた高等教育機関としての役割について説明。大きく分けて国家資格を必要とする医療系の人材育成と、音楽、デザインなど文化教養系の人材育成にあたってきた組織の成り立ちやグループ全体の研修制度などにも触れるとともに、自動車デザインや音楽、ダンス業界、漫画家の育成プログラムなどを次々と紹介し、どういう人材を世の中に送り出し社会に貢献しているかについて、海外の職業教育の実情などを交えながら話しました。
また、浮舟総長は、40年以上に亘って専門学校経営にあたってきた自らの経験を振り返りながら、現在の滋慶学園の発展につながる礎となった「職業人教育を通して社会に貢献する」というミッションや「実学教育」「人間教育」「国際教育」の3つの理念のように、企業にとってミッションや理念を明確にすることの大切さや、中長期の事業計画を立てることの重要性を述べました。とくに「ひとりひとりを大切に」という顧客第一主義や、教職員の研修教育など次世代人材の育成が重要だと考えていると話しました。さらに、文明論的な変化や世界の枠組みの変化、科学技術の進歩などを読み解いて、新たな学科分野を切り拓いたり、イノベーションや連携を行なうことが企業の発展には欠かせない、と滋慶学園グループの具体的なケースを例にわかりやすく話しかけました。
文化や芸術、教養への造詣の深さがイノベーションを起こす基礎
最後に浮舟総長は、「組織を大きくしたいとは今まで思ったことはありません。しかし強くはしていきたいと思っています。より良い教育をしていきたいと思っています。そのためにマネージメント力を強固にして強い現場力を持った組織にしていきたいと考えています。ベンチャーに乗り出す卒業生のサポートもしていきたいと思っています」と述べました。さらに「変化に対応していくためにはイノベーションが必要です。そのためには感性や創造性が大切であり、文化や芸術、教養への造詣の深さが求められます。AIやIoTなどが発展する中でこれから皆さんが私の年まで何を指標にどう生きるかを考えてみてください。そのことがイノベーションを起こしていく基礎になっていくと思います」と、学生に問いかけとヒントを与えて、講演を締めくくりました。
学生の質問に一つ一つ丁寧に回答
講演後、学生からは「専門学校ではイノベーションを生むための感性や教養を育てるためにどのような教育を行なっているのですか」「学校にとって少子化問題は厳しいと思うのですが、学校として少子化にどのように対応しようとしているのですか」「ユニバーサル化の話がありましたが、社会に出てから大学や専門学校で学び直したいと思っても社会人としては難しくて諦めてしまうという話を聞きます。年齢に関係なく学べる環境を作るにはどうすればよいと考えますか」といった質問がでました。
阪大生らしい鋭い質問に、浮舟総長は、一つ一つ丁寧に対応、実学教育における教養について、「音楽やダンス、eスポーツなどでは、それぞれの専門領域の生い立ちや歴史を知ってもらう授業をしていますし、漫画のジャンルなどでは、日本の歴史や能の歴史などを実学的な教養として学んでもらっています」と回答。少子化については、「マーケットがシュリンクしていくのですから厳しいものがあります。しかし細かく見ていくと、我々が取り組まなければいけないジャンルもまだまだありますし、音楽やeスポーツのような我々の業界から見ると可能生のある領域もあります。お客さんとの関係などベースがしっかりと出来てこの学校で学びたいと思ってもらえるようにすることが大切です。ですから少子化だからと悲観はしていません」と答えていました。また学び直しの環境整備について、「アメリカやヨーロッパでは平気で辞めて学び直したあと転職しますが、確かに日本のビジネス環境では、会社を辞めて学びなおすことは辛いと思います。日本も変わると思いますが、現状では仕事をしながら学べる環境づくりが大切だと思います。通信で勉強するとか仕事が終わって夜間で学ぶなど自分で学ぶ時間をつくっていくことが、今進められている働き方改革との関係で大切になってくると思います。資格をもって仕事をする人が増え、“学び重ね”によってより高いレベルの資格をとる人も増えてくると思います。いかに時間をコントロールするかが重要になるでしょう」と、何事にも全力で取り組む浮舟総長らしく、丁寧に真摯に大学生と向き合っていました。
講義を担当する大阪大学の先生も「我々教員にとっても興味のある話で、深い学びの90分でした」と、浮舟総長に感謝の言葉を述べられていたのが、印象的でした。