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「第3回北海道ハイテク杯レディース陸上」 悪天候跳ね返し30個の大会新・タイ記録誕生

女子中学100mの決勝1組。8人中、上位5位まで北海道ハイテクACジュニアメンバーが占めた。町井愛海選手がトップで駆け抜け3年連続の最優秀選手賞に輝いた

 福島千里さんや北風沙織さんに続く陸上の女子アスリートを育て、地域のスポーツ振興に貢献しようと、札幌陸上競技協会と北海道ハイテクACが共催する「第3回北海道ハイテクAC杯レディース陸上競技選手権大会」(北海道、札幌市、恵庭市など後援)が9月13日(日)、札幌市厚別公園競技場で開催されました。

 大会へのエントリーは昨年を上回りましたが、雨のため欠場者も見られ、最終的には、遠くオホーツク管内をはじめ、北海道全道から約700人が参加。朝から冷たい雨が降る悪天候の中、中村監督やハイテクACのメンバーが指導する“ハイテクACジュニア”が大活躍するなど、全体で30個の大会新・同タイ記録が誕生しました。2020年の東京オリンピックに向けて、年々大会のレベルが上がっており、ジュニアの今後の成長とともに、北海道全体、ひいては日本の女子の陸上レベルの向上が期待できる大会となりました。

 午前10時から行なわれた開会式では、グループを上げて地域貢献や社会貢献に取り組む一環として同大会を応援する滋慶学園グループの浮舟邦彦総長が、名誉大会副会長としてスタンドに向かって、「北海道からは福島千里さんや北風沙織さんのような素晴らしいアスリートが育っています。この大会を通して地域がさらに活性化され、ジュニアのアスリートが成長していかれることを期待します。雨で滑りやすいので、けがのないようにお願いします」と挨拶を行ないました。

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    滋慶学園グループの浮舟邦彦総長。アテンドはハイテクACの野村マネージャー

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    文部科学省スポーツ・青少年局の白間竜一郎総括官

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    大会長の品田吉博・札幌陸協会長

 また、10月からのスポーツ庁発足を前に、文部科学省スポーツ・青少年局の白間竜一郎総括官が臨席されました。白間総括官は新組織について触れられ、鈴木大地新長官の下で、東京オリンピックの成功はもとより、スポーツを通して国民の健康増進を図っていくと述べられるとともに、「スポーツに取り組むことは素晴らしいことです。皆さんを応援してくれているご家族をはじめ、周囲の方々への感謝を忘れずに、日頃の練習の成果を発揮してください」と挨拶されました。

 札幌陸上競技協会会長の品川吉博・大会会長は、1932年のロスサンゼルスオリンピック陸上競技三段跳びで金メダルを獲得した札幌出身の南部忠平氏の業績を称える南部忠平記念陸上競技大会の以前に、同氏によって女性の陸上競技大会が20年間あまりにわたって開催されていた史実を明らかにし、「この大会はその流れを汲むものです。2020年の東京オリンピックにつながるような素晴らしい選手が生まれることを願っています。若さ溢れるパワーを発揮し、充実した一日にしてください」と出場選手を激励しました。

 最後に、三段跳で国体やインカレで優勝経験を持つ宮坂楓選手(横浜国大AC)と、世界ユースで優勝した女子やり投の北口榛花選手(北海道旭川東高校)、女子中学4×100mリレーに出場する愛知ハイテクアスリートクラブの4選手(椙山薫、小畠緋奈乃、山口寧、椙山奈津子)が招待選手として、紹介されました。

北海道ハイテクACジュニアが大活躍 2020年東京に夢つなぐ

005高校・一般女子100mで優勝した北風選手

 大会は女子中学の1500m皮切りに、「小学5年」、「小学6年」、「中学」、「高校・一般」の各男女別に、100mや100mハードル、200m、400m、800mなどのトラック競技と跳躍競技、投擲競技が行われました。

 注目の高校・一般女子100mには、昨年の陸上世界リレーで日本チームメンバーとして出場した北海道ハイテクACの北風選手が出場。予選11秒94、決勝11秒82と圧倒的な強さで優勝しました。

006三段跳で優勝した招待の宮坂選手

 走幅跳では、北海道ハイテクACの平加有梨奈選手と宮坂楓選手(横浜国大AC)が対決。平加選手が5m92を跳び、5m37の宮坂選手を抑えて優勝しました。三段跳では、宮坂楓選手(横浜国大AC)が大会新の12m51を跳び、竹田小百合選手(北海道ハイテクAC)の11m76を上回って優勝。竹田選手は準優勝でした。

 また、午前9時の気温15.5度、雨という悪天候にも関わらず、小中学生らを中心に大会新記録が続出。

007走幅跳で優勝した平加選手

 女子中学100mで北海道ハイテクACジュニアの町井愛海選手が12秒40の大会新、女子中学100mHで同ジュニアの中山璃子選手が14秒75の大会新でそれぞれ優勝したのをはじめ、男子100mでは、中学の部で11秒37を出して1位になった大橋泰輝選手(札幌西岡中3年)ら3位までが大会新、また小学6年の部で中島凌選手(札幌・新札幌陸上クラブ小.13秒21)ら2名、小学5年の部で猪飼岳選手(札幌・ドリームAC小.14秒04)ら6人がそれぞれ大会新を出すなど、29個の大会新と1個の大会タイ記録がでました。

 北海道ハイテクACジュニアの活躍はめざましく、162人が出場した中学女子100mでは、ジュニアの5人が決勝に進出。町井選手ら上位5人がジュニアメンバーによって占められました。女子中学4×100mリレーでも、ジュニアチーム(町井愛海、石堂陽奈、中村愛海、斎藤陽向の4選手)が、招待の愛知ハイテクアスリートクラブチームを下して大会新の48秒51で優勝を飾りました。

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    大会運営のスタッフとして、記録写真を撮る福島千里カメラマン

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    大会看板の前でカメラを手に笑顔の福島さん

 北海道ハイテクノロジー専門学校にも籍を置く福島千里選手や野村有香マネージャーらハイテクACのメンバーらは、北風選手や平加選手のように競技に出場するとともに、札幌陸協の競技役員の皆さんと一緒になって、運営にあたったり、記録担当として写真を撮影するなど、忙しげに動き回っていました。北京で行なわれた世界選手権から帰ったばかりの福島選手は、この日はもっぱら、運営スタッフとして活躍、時には主催者側のカメラマンとして、裏方に徹していました。

 また、第一回大会からトレーナー役を引き受けている北海道メディカル・スポーツ専門学校(メディスポ)の学生約20名が今年も、スタンド裏に特設ブースを設けて、教員とともに、ストレッチを行なうなど選手のケアにあたり、大会のサポートに一役買いました。

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    昨年から男子も参加

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    スタンドのテントから大きな応援の声が飛ぶ

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    今年もトレーナーステーションで”メディスポ”の学生らが選手のケアにあたった

【表彰選手】 
最優秀選手賞 北海道知事杯

町井 愛海 (北海道ハイテクジュニア) ※三冠達成
女子中学100m決勝 NGR  12.40 女子中学4x100mR決勝NGR 48.51
女子中学走幅跳 決勝    5.56
優秀選手賞  北海道ハイテクAC杯 
猪飼 岳 (札幌・ドリームAC小)
男子小5100m決勝NGR   14.04 男子小580mH決勝NGR 14.74
産業技術学園杯
中山 璃子 (北海道ハイテクジュニア)
女子中学100mH決勝NGR 14.75
一般財団法人札幌陸上競技協会杯
大橋 泰輝 (札幌・西岡中)
男子中学100m決勝NGR  11.37
読売新聞社楯 
石山 誠己 (札幌・真栄中)
男子中学1500m決勝NGR 4:24.13 
北海道新聞社楯
飛塚 祐輝 (札幌・北陽中男子中)
男子110mH決勝 NGR 16.30
報知新聞社北海道支社楯
中島 凌  (札幌・新札幌陸上クラブ小)
男子小6100m決勝NGR 13.21
北海道日刊スポーツ新聞社楯 
町井 大城 (TEAM北斗)
男子小6走幅跳決勝NGR 4.88

 なお、大会結果はアスリートランキング(http://www.athleteranking.com/)に掲載されています。


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